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IS―インフィニット・ストラトス 最強に魅せられた少女

作者:伊10
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第14話 私、転校生への喧嘩の吹っ掛け方を探ります。

 
前書き
今更ですが、自分は原作のセリフの内容をある程度流用しつつ、文自体はオリジナルで書いています。その辺苦手な方もいるとは思いますが、ご了承下さい。 

 
「やっぱりハヅキ社のかなー?」

「えー!?ハヅキってデザインだけじゃん!」

「そのデザインがいいの!」

「ふーん。私はミューレイ社かなー。」

「ああ、ミューレイね……あそこ、ものは良いけど高いのよねー。」

クラス中がさっきからこんな話ばかりしている。今日から個人用ISスーツの注文が始まるのだ。既に持ってる専用機持ちはともかくとして、一般生徒にはようやくといったところだろう。

「そういえば織斑君のスーツって見たこと無いけどドコのなの?」

「ああ、俺のは男用のISスーツが無かったからどっかのラボが作ったらしい。えーっと……元はイングリッド社のストレートアームモデルだって聞いてる。」

織斑が説明しながら得意な顔をしている。どうせ「俺って勤勉!」みたいなこと思ってるんでしょうね。

「見たこと無いって言えば神宮寺さんもそうね。ドコのなの?」

「私?私のは官給品の奴よ。自衛隊の独自開発。民間には出回ってないから見たこと無くても無理はないわね。」

あの織斑先生が現役時代に使っていたものの発展型って言ったらどうなるだろうか。

「おおー!流石現役自衛官!……って法律とか大丈夫なの?」

「………世の中触れちゃいけない物があるのよ。」

「そ、そうだね!?あんまりこういう事喋っちゃ駄目だね!!」

ちょっと脅かしたらビックリして慌てて席に戻っていった。私のクラスの立ち位置は怒らせたらヤバイ人……だそうだ。なんでもセシリアとの戦いの時にそう思われたらしい。

興味は薄いとはいえ私も十代の乙女(………?)だ。さすがにこの扱いは心にくる物がある。

なんか教室の前の方が騒がしいと思ったら山田先生がからかわれていた。………先生、ガンバレ!

と、教室に迫る気配を察知。さて、席に着くかな。

案の定、入ってきたのは織斑先生だった。山田先生に群がっていた子達を席に戻し、SHRを始める。ただ、廊下に二人ほど待たせてある。誰だろう?

「………以上だ。山田先生、続きを。」

「ハイ!皆さん!今日は編入生が来ています!それも二人!」

その報告にクラス中がざわつく。時期もあるが二人、というのが引っ掛かる。いや、一人は分かってるんだけどもう一人は………誰だ?それに普通バラけさせるんじゃ………ああ、織斑か。おそらく国の方からIS学園に捩じ込んだんだろう。

「どうぞー!入ってください!」

山田先生の呼び掛けで、二人の生徒が教室に足を踏み入れる。一人は腰まで無造作に伸ばした銀髪の少女。もう一人は金髪に紫色の瞳をした………貴公子然とした―――男の子、だった。





「デュノアから挨拶しろ。」

「はい。フランスから来ました、シャルル・デュノアです。」

「男……の子?」

金髪の男子―――デュノアが自己紹介にクラスが沈黙する。そして、

「はい、僕と同じ境遇の方がこちらに居ると聞いて本国から―――」

「「「「「キャアアアアァァァァァ!!!!!」」」」」

黄色い音響手榴弾が炸裂した。

「男子二人目!しかもうちのクラス!」

「織斑君とは違うイケメン!守ってあげたくなる系の!!」

等々、よくもまあ…………うん、なんというか………凄いね。

しかし、忘れてはいけない。転入生はもう一人いるのだ。そして私の興味はどちらかというとそっちにあった。

もう一人の銀髪の少女は、一瞬煩わしそうな眼をクラス中に向けた後、織斑先生の事をじっと見つめていた。左目は何故か眼帯をしているが、織斑先生に向けられた右目の視線の思いを、私は理解できた。

それは羨望、そして敬愛。

ドイツの教え子って………何教えたんですか織斑先生ぇ…………。

「静かにしろ、もう一人いるんだ。……ボーディッヒ、挨拶しろ。」

「はい教官。」

「ここでは織斑先生だ。私はもうお前達の教官ではない。」

「了解しました。」

織斑先生に一分の隙もなく敬礼して答えると、クラス中を睥睨して言い放つ。

「ラウラ・ボーディッヒだ。」

「………。」

「……………………。」

「……あの……以上、ですか?」

「以上だ。」

おおう。まるで氷だね。氷で出来たナイフ、そんなイメージだ。……まあ、彼女達の出自を考えれば無理はないかな。

遺伝子強化体(アドヴァンスド)。確かそんな名前だった筈だ。ドイツが行った“人間兵器”を造るプロジェクトによって産み出された試験管ベイベー。それが彼女達、(シュヴァルツェア)(ハーゼ)の部隊員のオリジンだ。

その隊長、ラウラ・ボーディッヒ。一年前の欧州合同IS演習にゲストとして参加した時に一瞬見かけただけだが、それだけでも実力の一端を知ることができた。

「………さぁて、どう吹っ掛けるかな?」

私の思考は、既に彼女とどうやって戦うかに支配されていた。 
 

 
後書き
次回!強化されて玉鋼の御披露目です!! 
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