Three Roses
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第十五話 衰える身体その五
「あの方はマリー様に対してはです」
「他の方よりもですね」
「さらに頑なですね」
「心を開こうとされない」
「お会いになることも」
「そうされています」
それこそだ、常にというのだ。
「困ったことに」
「最近は特にですね」
「我々や旧教の諸侯とは会われますが」
「そして太子とも」
「ですがそれでもですね」
「他の方とは会われませんね」
旧教にまつわる者以外とはだ。
「ましてや王家の血を引く方とは」
「特にマリー様とはですね」
「会おうとされない」
「何があっても」
「王の仲介は乗るべきです」
是非にとだ、司教は言った。
「王も気にかけておられるとのことなので」
「是非共ですね」
「これを機とされて」
「そのうえで」
「そうするべきなのですが」
しかしというのだ。
「あの方は」
「我等も説得しますか」
「王家の中に溝があってはなりません」
「例えマイラ様が王になるべきであっても」
「それは」
「そうです、王家はです」
絶対にとだ、司教も言った。
「和があるべきですから」
「それも常に」
「殺し合いなぞしてはならないですね」
「それがそのまま王家の力を弱めますから」
「国の力も」
「国が衰える要因としてです」
まさにとだ、司教は同志達に話した。こうしたことも。
「王家の中での争いはよくあります」
「それで衰え滅んだ国は枚挙に暇がないですね」
「我が国でも何度かありました」
「そしてその度多くの犠牲を出しました」
「だかこそ」
「はい、マイラ様はマリー様とは親密であるべきです」
司教もこう考えていた、それも強く。
「ですから」
「この申し出は受けて」
「そして、ですね」
「マリー様とお話をされて」
「和を深めるべきですね」
「私からもお話しましょう」
王の様にというのだ。
「マリー様と会われるべきだと」
「それがいいですね」
「それも根気よくですね」
「何度もお話されますね」
「ここは」
「はい、あの方はです」
マイラの気質を知っているからこその言葉だ。
「一度決めたら考えを変えられないです」
「その面が強いですね」
「それも非常に」
「ですから何度もです」
幾らマイラが断ろうとも、というのだ。
「お話をします」
「ですか、ではお任せします」
「その様に」
「マイラ様が王になられ」
そしてというのだ。
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