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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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214部分:第二十九話 アフロディーテの闘志その一


第二十九話 アフロディーテの闘志その一

                アフロディーテの闘志
「ではアイオロスよ」
「はい」
 この時シオンはまたしても教皇の間において黄金聖闘士と会っていた。しかし今彼の前にいるのはアイオロスのみで彼だけが片膝をつき教皇の前に控えていた。
「御前も感じたのだな」
「その通りです」
 アイオロスはまずシオンに告げた。
「何か四つ、禍々しい小宇宙がを感じます」
「小宇宙をだな」
「八大公のそれよりも遥かに強大です」
 アイオロスはまた言う。
「そして禍々しく」
「そうだな。尋常な小宇宙ではない」
 シオンもまた話すのだった。
「あの四つの小宇宙は」
「エリス程ではありませんがそれに匹敵します」
「そこに答えがある」
 シオンは今のアイオロスの言葉に対して話してきた。
「そこにな」
「といいますと」
「そうだ。戦皇アーレスには妹であり時として己のかわりを務めるエリスの他に四柱の神々が存在しているのだ」
「四柱のですか」
「そうだ。彼等がいる」
 こうアイオロスに話すのだった。
「おそらくは彼等だな」
「アーレスに仕える四柱の神々がですか」
「冥皇ハーデスの側近であるタナトスとヒュプノス程ではないが」
 どちらもこれまでの聖戦において聖闘士達を苦しめ抜いた相手である。先の聖戦においては教皇セージとその兄祭壇座の白銀聖闘士ハクレイ、それにキャンサーのマニゴルド及びカプリコーンのエルシドを彼等とヒュプノス配下の四神との戦いで失っている。聖域にとっては痛恨の痛手となった戦いであった。
「彼等もまた神だ」
「ではやはりその力は」
「そうだ。かなりのものだ」
 また告げるのだった。
「その彼等が出て来るのか」
「御言葉ですが教皇」
 アイオロスはここで顔をあげシオンに対して声をかけてきた。
「一つ御聞きして宜しいでしょうか」
「うむ」
 シオンもまたそれをよしとするのだった。
「よい。言ってみよ」
「その四柱の神々とは一体」
「火、炎、災難、恐怖」
 ここでシオンはこの四つの言葉を出してきた。
「これは知っているな」
「アーレスの下にあるそれぞれの軍団ですね」
 アイオロスにもそれが何かすぐにわかった。
「そしてそれぞれの軍団を八大公が率いる」
「その四つの軍団及びそこにいる狂闘士達を操る者達だ」
「それが彼等ですか」
「四闘神」
 シオンはここで言った。
「それが彼等だ」
「それがですか」
「そうだ。その四闘神が出て来ようとしているようだな」
「では教皇」
 アイオロスはまたシオンに対して言ってきた。
「彼等が出て来るとなると」
「聖戦はさらに激しいものとなる」
 シオンの言葉は厳しい響きのものになった。
「これまで以上にな」
「左様ですか」
「だがアイオロスよ」
 しかしここでシオンは絶望を食い止めるようにして彼に対して言ってきた。
「一つ言っておくことがある」
「何でしょうか」
 アイオロスは今のシオンの言葉を聞いてまた顔をあげた。
 
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