聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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212部分:第二十八話 船の上にてその七
第二十八話 船の上にてその七
「何人いるかだがな、問題は」
「ドイツやアメリカでは九人だったが。八大公の下にな」
「では今回も九人か」
アルゴルはこう予想してきた。
「いるのは」
「おそらくな。八大公も入れれば十人だ」
「そして無数の雑兵達か」
「その通りだ。それだけの戦力だ」
ミスティはここまで冷徹なまでに落ち着いて述べたのだった。
「さて、それに対して我々は七人だ」
「アフロディーテ様を入れてな」
「そして雑兵もいない。戦力としてはこれだけだ」
「数のうえでは劣っているな」
「数の問題ではありません」
しかしここで不意に言葉を出してきた者がいた。
「そう、数では」
「アフロディーテ様」
それは彼であった。彼が安楽椅子から起き上がりまた言うのだった。
「数の問題ではないのですか」
「それでは」
「雑兵達は貴方達に任せます」
起き上がった彼はこう二人に告げてきた。
「そう、貴方達にです」
「いえ、そうは参りません」
「そうです。我々もまた」
だが二人は彼の言葉を受けようとはしない。強い声で己の考えを示そうとする。
「それでは示しがつきません」
「聖闘士として」
「いえ、狂闘士達は常に私を狙ってきます」
アフロディーテはこのことをわかっているかのようだった。
「この私を」
「アフロディーテ様をですか」
「その通りです。私をです」
彼はまた言った。
「デスマスクやシュラと同じく」
「あの方々と同じですか」
「アフロディーテ様を狙ってくると」
「その通りです。私に対してです」
アフロディーテの言葉が続く。
「必ず来ます。ですから私が彼等の相手をします」
「左様ですか」
「だからこそですか」
「狂闘士達だけではありません」
しかしアフロディーテはまだ言うのだった。
「雑兵達に対してもです」
「インプ達に対してもですか」
「そうです。彼等であっても」
黄金聖闘士としての言葉が続く。
「私に向かって来るのなら相手をしましょう」
「ではそれでは」
「アフロディーテ様はあくまで」
「はい、そうです」
答える言葉ははっきりとしていた。
「私に向かって来るのなら必ず退けてみせましょう。それだけです」
そこまで話すとまた安楽椅子に身体を伏せた。そうしてそのうえでまた休むのだった。そのうえで眠りにも入る。しかしそれで終わりではなくアルゴルとミスティはさらに話すのだった。
「中々お話する機会がなかったが」
「うむ」
彼等はアフロディーテの話を聞いてからまた言葉を交えさせるのだった。
「アフロディーテ様もまた」
「毅然とされた方だな」
「そうだな」
二人で言い合うのだった。
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