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暁ラブライブ!アンソロジー【完結】

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願いはいつか.... 【ありのままのぎーの】

 
前書き
本日は『ラブライブ!サンシャイン!!〜新たなる9人の女神と少年の物語〜 』と書いているありのままのぎーのさんです。テーマは『HENTAI』です

どうも、別サイトでラッシャイ!の小説を書かせていただいております、ありのままのぎーのです!今回はウォール様の企画に参加させていただきました!

それでは、どうぞ!

 

 




「Hey! 」

スティール音とボールがつかれる音が響く体育館の中、この国では異質な者の声が鳴り響いた。

ここは自由の国、アメリカ。世界有数の経済大国であり、なおかつバスケットボールと呼ばれるスポーツが生まれた。アメリカでバスケに出会ったものはNBAと呼ばれるところでプロとなるべく、自らのバスケを極めていく者もいる。

ここにいる10人の男達は、全員NBAのプロ入りを果たした大学生達である。

10人の男達はプロの練習を終えた後、プロの選手顔負けの紅白戦を行っていた。これが自主錬ときたものだからなおその体力の多さには驚かされた者も少なからずいるはずだろう。

その10人は殆どが白人や黒人といった者達だが、ただ1人だけ、黄色人種の男がいた。

黒髪を短く整えたその男は味方からボールを貰うと、チェンジオブペースだけでマークの敵を抜き去る。続いてヘルプにきた男をターンアラウンドで避けると、フェイダウェイでシュートを放つ。そのボールはリングに擦ることなく綺麗に通り抜けた。

その日本人の少年は、小さくガッツポーズをすると、すぐにディフェンスへと切り替えた。

共にプレイしているアメリカ人大学生達は、この少年の実力を認めていた。高いハンドリング技術にアジリティの高さ、そして全身のバネ、そのすべてが今まで出会ってきた東洋人とはかけ離れた存在であったからである。

だが、そんな少年にも大切にしている少女の存在があったーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「だーーー!!疲れたーーーーー!」

俺は10分2セットの紅白戦が終わった瞬間に大の字になってその場に転がり落ちた。どうやら、チームメイト達も相当しんどかったのか、すぐに俺と同じようにいい意味でバタバタ倒れていった。

なかなか整わない息を無理やり整えると、俺は自分の荷物が入っているエナメルバッグの前チャックを開けて、1枚の写真を取り出した。

そこには俺と、とある少女が手をつないで笑っている写真だった。

ーーー名を、小泉花陽。

幼なじみの控えめな性格の女の子。けれどアイドルに対する愛は物凄く、高校1年からスクールアイドルを始める。元々あまり運動が得意じゃなかったが、自分が楽しめることを見つけ、その活動を楽しんでいた。

そして、そんな彼女が属していた『μ's』と呼ばれる音ノ木坂学院スクールアイドルは伝説と呼ばれるまでに登りつめた。頂点を極めた頂点に君臨する存在となった。

俺も高校時代、影で花陽、そしてもう1人の幼なじみ、星空凛のことを応援していた。

音ノ木坂から時たま待ち合わせして一緒に帰ったりもしていた。ある時はダンスを見せてくれたり、ある時は解散の事で2人して俺に泣きついてきたりと、色々なことがあったものだ。

そして月日が流れ、俺達が高校3年生となった音ノ木坂学院卒業式の日、俺は花陽に告白された。

ただの幼なじみと思っていた少女からの告白。俺ははじめかなりテンパった。だが、凛の説明によると、ずっと昔から俺のことを好きでいてくれていたみたいだったが、恥ずかしさのあまりなかなか自分からその話題を出すことが出来なかったということらしかった。

そこら辺は花陽らしいといえば花陽らしかった。

返事はもちろんOK。と、言いたかったのだけれども、俺にはとある事情を抱えていた。

知ってのとおり、その当時アメリカのとある大学にバスケのスポーツ推薦で入るということが決まっていた。だから花陽と付き合っても、日本から離れてしまうから、花陽に失礼だと思い、断ろうとした。

けれど花陽は、

『ううん。大丈夫。花陽は、君の事ずっと待ってる。必ず帰ってきてくれるって、信じてるからーーー』

と言ってくれたのだ。どこまで優しいんだと思い、その時は自然と花陽を抱きしめてしまったほどだ。

そして、日本を立つ前に凛に俺と花陽のツーショットを撮ってもらい、俺はアメリカに旅立ったーーー

そして、現在に至るというわけである。

今年で花陽と付き合い始めて4年。けれど1度も日本に帰ることが出来ず、挙句の果てにはプロ入りしてしまった。今までずっとメールや電話でしかやり取りができず、本当に申し訳なくなってきていたぐらいである。

そんな時、俺には思いがけない朗報がやってきた。

『ヘイヘイ!またガールフレンドのツーショット写真みてるじゃねぇか!』

と、そんな思考に耽っていると、後ろからチームメイトでいつも仲良くしている男が俺に話しかけに、いや、俺を茶化しにやってきた。

『んだよ、いいじゃねぇか。まずそれを言いたいならお前も彼女作れバーカ』
『グッ…!!』
『ハハハ!返り討ちにあってるじゃねぇかお前!』

俺とその男のやり取りで、周りの男達がゲラゲラと笑い出す。男は顔を真っ赤にして恥をかいていた。俺はそれを見て苦笑する。

(…花陽と会えるのはいいけど、こいつらとはしばらくお別れか…)

そう思うと、少し切なく感じてしまう。

けれど、呼ばれた以上、仕方がない。

俺はケータイに来ていたメールを見つめながらそう思っていた。

ーーー差出人は、『日本バスケットボール協会』。

日本代表選考会に選ばれたのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

長時間ものフライトは、俺の体を疲れさせるには充分だった。だけど、飛行機から降り立った瞬間、その疲れは吹っ飛ぶこととなる。

「っしゃあ〜!帰ってきたぜ!日本ッ!!」

なぜなら、俺の母国、日本へと帰ってきたからだ。

あいつらとの別れはあっさりと済ました。どうやらあいつらもあっさりとしたかったらしく、送別会は20分といったかなり短い時間で終わった。

…けれど、後に送られてきたビデオレターは1時間も尺があり、それぞれが俺を励ます言葉を送ってくれた。あるやつは泣きながら、あるやつは涙をこらえながら、俺のことを応援してくれた。

俺はそれを聞いている時、涙を抑えることができなかった。けれど、それと同時に嬉しかった。あいつらと、出会えてよかった。

また一緒にやろう。そう一言だけ皆に送ったあと、パスポートを見せ、空港のターミナルへと俺は入っていった。

荷物も貰い、人が大勢いる休憩スペースへとやってくる。

ーーーそこに、『彼女』がいた。

黄銅色の髪の毛に、アメジスト色の瞳。昔ショートカットだった髪の毛は少し伸び、セミロング程になっている。服装は薄い水色のワンピースに、緑の上着を羽織っていた。

俺はそんな少女を見てフッと微笑むとその少女のそばへと歩み寄る。

そしてーーー声をかけた。

「ただいま。花陽」

その少女はその声に大袈裟に反応すると、こちらを振り向き、涙目になりながら、

「…おかえりなさいっ!!」

と言って俺に抱きついてきた。

ギュッと、花陽は俺を抱きしめる腕の力を強める。約4年弱、ずっと会わずじまいだったからというのもあるのかもしれない。いずれにせよ、俺も自然と花陽を抱きしめる力が強くなった。

「…ごめんな、待たせちゃったな」
「ううん…大丈夫。帰ってきてくれるだけで、花陽は幸せだから」
「…!花陽…!!」
「キャッ!?もぅ、いきなり強く抱きしめないでよぉ〜」
「あ、わ、悪い…」
「フフ…。今日は機嫌がとてもいいから許してあげます♡」

…とまぁ久しぶりの花陽成分をたっぷりと取り込ませてもらったあと、俺は花陽から離れた。

花陽は少し不服そうな顔をとったが、周りの視線を感じ取ったのか、顔を真っ赤にして俯いてしまった。

ここでは、ゆっくりと花陽と話することができなさそうだ。

というわけで、花陽が下宿しているアパートへとやってきました。

試合は明日。正直なところいうと、時差ボケがやばい。辛すぎる。飛行機で調整しようかなとおもったのですが、全然ダメでした。

もっともっと話したいということを花陽に言ったんだが、『ダメだよ!時差ボケはかなりしんどいから、今日はゆっくり休んで!』と言われ
、半強制で花陽の部屋のベットに寝かされた始末でございます。

まぁ、日本代表が決まれば、かなりの期間日本にいれるだろうし…今日は言うこと聞いて寝るとしますかね。

それに…選ばれた暁には、『あれ』も渡さないといけないしな。

…寝るかぁ。

「んぐ…?」

雀がさえずる声が聞こえる中、俺は目覚めた。

どうやら、朝になったみたいだ。良し、これで日本の時間に体を慣れさせることができた。

目覚めも良かったので、久しぶりに神保町をランニングでもしようかなと思い、目を開ける。

だが、目の前は真っ暗だった。

意識が朦朧としている中、俺は何が起こってるんだと思い、目の前のものをどかそうと、顔に手を持ってきた。

ふよよんっ♪

「…ん?」

ふよんっ♪

「なんだ…?この、柔らかくて、気持ちいい感触のものは…」

残念ながら、俺は朝には滅法弱い。目覚めが良くても、意識が普通に戻るにはタイムラグが生じてしまう。

ーーーだから、それがなんなのか気付くのがかなり遅れてしまった。

ふよんっ♪

「ファァ♡」

「…んん…?」

ふよんっ♪ふよよんっ♪

「あっ…んっ…だ、駄目だよぉ…♡///」

俺はその声を聞いた瞬間、いま自分が触っているものが何であるのかを完璧に理解してしまった。否、理解せざるをえなかった。そして理解してしまったのと同時に顔から血の気が引いていってしまった。

ーーーこれ、花陽の、胸だ。

「は、ははははは花陽!!!?ど、どどどうしてここに!?」

俺は慌ててベットから飛び降り、そう叫ぶが、花陽からの返答はない。

まさか…かんかんに怒っているのか…!?

と、思ったのもつかの間、

「…むぅ…すぅ…」
「…あり?」

どうやら、まだ寝ているみたいであった。という事は、あの言葉は寝言だったということか。なんだ…安心した。じゃなくてだな、どんな夢見てるんだよ花陽のやつ…。

…あ、ここ、花陽の部屋だった。そうか。なら花陽がここで寝るのはなんにもおかしくないな。

「…ったく…朝から嬉しいような…疲れるような…」

俺はハァとため息をつくとその場から離れようとする。

その時、

「ん…行っちゃ…ダメ…嫌だ…行かないで…」

と、後ろで花陽の寝言が聞こえてきた。

振り返ると、花陽はとても苦しそうな顔をして唸っていた。

だから、俺は花陽の頭をなでる。

すると気持ちよさそうな表情をした後、スースーと寝息を再び始めた。

俺はその様子をみて、微笑んでいた。

そして、必ず日本代表に選ばれるよう頑張ってやるという決断を固くすることも出来た。

俺は花陽の額をもう1度なでて、荷物を持って先に出発した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、それは遂に訪れた。

『それでは只今より、代表選考会を始めたいと思います』

そのアナウンスとともに、3つのコートすべての試合が開始される。

バスケットボール日本代表の選考会は至ってシンプル。3つのコートで10分×4本の試合を行い、その中で目立っていた選手15人を選考するといった、もっともオーソドックスでわかりやすい方法だった。

「わぁぁ!もう始まったよかよちん!!」
「り、凛ちゃんが速すぎるんだよぉ〜」

もちろんその選考会は一般の視聴が許されている。だから、私と凛ちゃんは彼を応援するべく、ここへと駆けつけたのだ。

「ち、ちょっと凛!なんで私までこないといけないのよ!」

…凛ちゃんが勝手に真姫ちゃんまで連れてきちゃったせいで遅れたんだけどね。

「まぁまぁ!真姫ちゃんも面識あるんだし、別にいいでしょ?」
「まぁ…べ、別に応援してあげてもいいけど…それに、花陽の彼氏なんでしょ?なら、応援しないとね」
「真姫ちゃん…!」
「なんかツンデレじゃないのが残念だにゃ〜」
「う、うるさいわね!ほら、早く座るわよっ!」

真姫ちゃんの誘導によって、私たちは最前列の席に座った後、彼の姿を探す。

「あ、いた!」

Bコートのビブスを着ているチームに、彼はいた。

彼はボールを貰うとマークであろう人と対峙。そしてお互い睨み合ってそのまま動かなくなった。

ーーー先に動いたのは、彼だった。

ボールを華麗なハンドリングで捌いた後、急にスピードを上げて敵を抜いた。彼の得意な『チェンジオブペース』。それは高校の頃見た時よりも格段にキレが増していた。

「凄いにゃ!前見た時よりも格段にスピードが上がってる!」
「そうだね!凛ちゃん!」
「あら、なかなかやるじゃない」

そのまま中へペネトレイトに成功する。彼はそのままシュートの体勢をとり、後ろへとジャンプする。が、

「行かせねぇよ!」

センターのポジションにいた人が早めのヘルプに入る。身長がでかいのもあってか、あとから飛んだのにも関わらず、完全に彼のシュートを止めれるほどの高さまで飛んでいた。

けど、私にはわかる。彼がだいたいこのシチュエーションになるとやること。それはただひとつだけだった。

(絶対に、彼なら『ダブルクラッチ』をするはず…!)

ダブルクラッチ。それは、1度シュートを中断して、別の角度から着地する前にシュートを放つという技。高校時代からの彼の武器だった。

だが、彼はダブルクラッチをせず、他の選手にパスを放つ。

(…?!)

パスを受けた選手はそのままシュートを打つ。綺麗な弧を描いたそのシュートは綺麗にリングを通り抜けていった。

「おお〜!ナイスパスだにゃ!」
「まったくね。ほんと、上手よね彼」

凛ちゃんと真姫ちゃんが横で彼を賞賛している中、私は違和感に襲われていた。

(…どうして、シュートを打たないの…?)

高校時代なら確実に打っていたそのシュート。

けれど、彼は打たずにパスを出した。

(…!?まさか!?)

ここで、私の中に恐ろしい仮説が生まれることとなる。

「…そんな…」
「かよちん?」

隣で凛ちゃんが問いかけてきたのにも、私は反応することが出来なかった。

このままでは、確実に、

落選してしまうーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

…まずい

最後の10分。ビブスボールで試合が始まったが、俺の中で終始焦りの気持ちが駆け巡っていた。

なぜなら、まだ、この試合で俺がシュートを打った本数が3本しかないからだ。

完全に打てるシチュエーションは山ほどあった。にも関わらず、体はパスという選択を選んでしまう。

(ダメだ…!アメリカでの癖が取れきっていない…!)

それは、アメリカでプロチームにいた頃の癖のせいであった。アメリカのレベルであれば、あそこから追いついてくる化け物が山ほどいる。だから俺はシュートに見せかけてパスを出すといったスタイルを用いていた。

だが、日本ではそこまでの化物は存在しない。なのに、体は勝手にパスという選択をしてしまうのだ。

(くそ…!俺がエースにならないといけないのに、このままだと落選しちまう…!)

アメリカのプロチームの選手。それだけでも期待値は相当なもの。日本代表のエースになってもおかしくないぐらいなのに、肝心のアピールが上手くいっていない。

それが、一層俺を慌てさせた。

ガンッ

「…!やばっ!!」

せっかく打てたシュートを、リングに外してしまうといった凡ミスを引き起こす。

ドリブルも単調になり始め、徐々に追いつかれるようになってきた。

「…くっそ!!」

そんな状態が7分続き、残り3分。

もうダメだ…。その思いが俺の中を漂い始める。焦りが諦めとなり、プレーが惰性へと変わってしまう。

その瞬間だったーーー

「諦めちゃ、駄目ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

会場内に響き渡る、1人の少女の声。

花陽だ。声がした方を見ると、涙を流しながら、顔を真っ赤にしながら花陽が立っていた。隣には凛と、西木野さん。

「そうだにゃ!!諦めちゃ駄目にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「凛…」
「あんた、花陽の彼氏なんでしょ!?花陽が勇気出して叫んでるんだからそれに答えないつもりだったら、私が許さないんだからっっっっ!!!!」
「西木野さん…」

その3人はただひたすら、俺が立ち直るよう、激励の声をかけてくれていた。

彼女達は、諦めていない。

未だに、俺が選ばれると、信じてくれている。

それなのに、

俺だけ諦めるのは、筋が通らないよな。

「…ありがとう、凛、西木野さん、花陽…」

おかげで、目が覚めた。

見せてやる。

ここからは、

俺の

「独壇場だッッ!!」

本気を遂に出すことに成功した俺。

結果は、言うまでもない。

見事、起死回生の逆転劇をかまし、日本代表へと選ばれたのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「…来てくれたんだな花陽」
「そりゃあ、ね?」

いつも3人で遊んでいた公園の跡地。俺は選考会が終わったあと、花陽をここに呼び出した。

「ごめんな…わざわざここまで来てくれて」
「いいの。君の頼みなら、断れないよ…。…それで、どうしたの?」

相変わらずの花陽の優しさに感謝しつつ、俺は単刀直入に、花陽に俺が思っているすべての思いを打ち明けた。

「花陽。俺、花陽の事大好きだ。本当に、大好きだ。けど、今、こうして付き合っているだけだったら、またいつか離れ離れになってしまうかもしれない。けど、俺は、もう2度と君を手放したくない。だから…」

そう言うと俺はポケットの中から小さい箱を取り出し、それを開けた。

ーーーそこには、ダイアモンドが埋め込まれた、指輪があった。

「俺と、結婚してくれないか。絶対に、君を幸せにしてみせる。約束する。だから、これからずっと、俺のそばで、一緒に生きていこう」

言った。

言うだけの事は言った。

あとは花陽の返事を待つだけだった。

「…どうして、花陽なんかを選んだの…?」

花陽の口から出てきたのは、震えた声で言ったのは、その言葉だった。

俺は、その問に、自信満々に答える。

「花陽がいいんだ。花陽以外、俺は結婚なんて考えられない」
「花陽…どんくさいよ…?」
「構わない」
「花陽…君の夢の足を引っ張っちゃうかもだよ……?」
「そんな事は無い。俺は花陽がいてくれなきゃ、駄目なんだ。隣に花陽がいてくれるだけで、俺は幸せだ」

俺のその言葉を聞いた直後、花陽はボロボロと涙を流し始めた。嗚咽を交えながらも、しっかりと俺の顔を見てくれている。

震えた口が、パクパクと動いている。声にだそうと思っても出せないのだろう。

けど、花陽は頑張って、きちんと言ってくれた。

「花陽もっ…!花陽も…君の事が大好き…!だから、花陽を…一緒に…見たこともない世界に…連れて行って…!!」
「…うん。元より、そのつもりだよ」

俺は花陽の薬指に、指輪をはめる。

花陽は嬉しさのあまり、さらに涙を流し始める。俺はそれをしっかりと抱きしめた。

ーーーそして、月の光によって映し出されたそのシルエットの顔が、重なり合った。

いつまでも、いつまでも…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれから、何年がたっただろうか。

日本代表の活動を終えた俺は、アメリカへと帰ってき、再び元いたプロチームでレギュラーを勝ち取り、日々バスケットボールに打ち込んでいた。

今までなら、練習を終えると何も考えずに家に帰るだけだった。

けど、今は違う。

「ただいま」
「おかえりなさい!」

今は、愛する妻がいる。花陽がいる。それだけでも、俺の毎日が楽しかった。

そして、帰ってきたあとのキスは忘れない。しっかりとキスを行った後、俺は花陽と一緒に笑いながらリビングへと向かった。

花陽と出会えて、本当に良かった。

これからも、愛する妻として、人生を共にしよう。

『『ずっと…大好きだよ』』













 
 

 
後書き
と、いうわけで、メインヒロインを花陽で書かせていただきました!

おそらく私だけ世界観と時間枠がぶっ飛んでる気がするのですが…まぁ…いいでしょうw

ではでは!賛辞を!

ウォール様

このような企画に参加させていただき、誠にありがとうございます!!花陽メインヒロインなのは、ウォール様なら喜んでくださるかなと思ったからです!気にさわったようなら……第三次戦争だ嘘です土下座しに行きます。これからもよろしくお願いします!

では、また別の機会で!

 
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