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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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207部分:第二十八話 船の上にてその二


第二十八話 船の上にてその二

「よいな。五人はだ」
「では先にピスケスを倒すのですね」
「その通りだ。確かにピスケスも手強い」
 黄金聖闘士とあって流石に侮る言葉はなかった。その強さは最早神話の時代より語り継がれ聖域そのものといった面さえあったからだ。
「しかしだ。私が行き」
「そのうえで五人で以ってピスケスを倒すと仰るのですね」
「アテネに黄金聖闘士あらばトラキアには八大公がある」
 彼は言った。
「そう、私もな」
「黄金聖闘士に対するのは八大公」
「ですがミシェイル様」
 しかしここで周りの者達がミシェイルに対して言うのだった。真剣そのものの声で。
「我等もおります」
「まずは我等が」
「行くというのだな」
「無論です」
「お任せ下さい」
 彼等は口々にアーレスに対して言ってきた。
「ピスケスの首、必ずやこの私が」
「いえ、この私が」
 戦う前から功を争うとする。しかしミシェイルはそうした彼等をここで窘めたのだった。
「待て」
「待てというのですか」
「そうだ。焦っては何にもなりはしない」
 そしてこう告げるのだった。
「何もだ。だからだ」
「だから」
「ここは私の指示に従え」
 あらためて周りの者に対して声をかけるのだった。
「私にな。よいな」
「そうですか。それでは」
「ミシェイル様、何なりと命じて下さい」
「どうか我等に」
 態度をあらためてそのうえで礼をする仕草で彼に対して述べるのだった。
「まずは待て」
「待てと」
「そうだ。焦ってはならない」
 彼は言うのだった。
「焦ってはな。何もならないな」
「それはその通りです」
「確かに」
 周りの者達も彼のその言葉は認める。
「では。ここは」
「様子をですか」
「御前達に出てもらうのはまだ先だ」
 彼は周りの者達に対してこうも伝えるのだった。
「まだな。それよりも今はだ」
「今は?」
「インプ達を出す」
 その言葉が冷徹なものになった。
「あの者達にな。言ってもらう」
「インプ達をですか!?」
 周りの者達はそれを聞いて目を顰めさせずにはいられなかった。
「あの者達をまたですか」
「出されるのですか」
「何か言いたいことがあるな」
 彼等の問いに対して顔を向けて問うのだった。
「私の今の考えに対して」
「御言葉ですが」
 一人が実際に答えてきた。
「その通りです」
「私もです」
「私もまた」
「それだけは」
 見れば全員であった。九人全員で彼の今の考えには反対の意を示したのだった。
「インプ達は先にピスケスのロイヤルデモンローズの前に敗れています」
「それを見ますと。やはり」
「どうかと思いますが」
「そうだな。確かに勝てるものではない」
 彼もまた言うのだった。
 
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