プリパラ サイドストーリーズ
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ガァルマゲドンの進路希望 その1
前書き
記念すべき初の話しは、ガァルマゲドンの3人がメインの話しです。
夏が過ぎもう少しで緑一色であった風景に紅葉が見え始めようとしているこの季節、受験生達は受験が近づいて来てピリピリし始めていた。
そして、それは私立パプリカ学園も例外ではなかった。元々、通学している中等部の生徒であればある程度優遇されるが試験が無いわけではない。それなりの成績を残さなければ合格する事すら出来ない訳である。そして、それを知っている学生達は今日も受験勉強に勤しんでいるのであった。
「あろま〜お腹すいたなの!」
「ええい!さっき、肉まん食べたではないか!」
そんな空気の中赤毛のポニーテールの少女が黒髪で肩より少し長く伸ばしてる少女“黒須あろま”に抱きついて食べ物をねだっていた。普通であればこの光景は場違いであるがこれは、彼女達にとって日常である為他の者達も然程気にしてはいなかった。
「あろま。今日も勉強してるの?」
「その通りだ。いくら我…私達であっても試験に合格しなければ高等部には行けないからな。みかん!おぬ…貴女はどうなのだ?」
あろまの話し方は微妙に言い直したりしており変に聞こえてくるが話し相手“白玉みかん”は気にすることはなく会話を続けた。
「みかん、勉強は苦手なの…それにお腹が減って頭も回らないの…」
涙目になりながらお腹を押さえるみかん。それと同時に、お腹から盛大な腹の音が響いてきた。みかんは勉強より運動が得意でその運動能力はある意味逸脱していると言っても良い。しかし、非常に燃費が悪くお腹が空いている状態のみかんはほぼ使えない状態である。あろまはその事をその事をよく知っているので常に食べ物…特に好物の肉まんを持ち歩いている。
「はぁ〜仕方がない。ほれ、これを食べるのだ。」
ため息をしながらあろまは鞄の中からホクホクの肉まんを取り出しみかんに差し出す。なぜ、鞄の中からホクホクの肉まんが出てきたのかはさて置きみかんはそれを受け取り美味しそうに頬張った。
「ところでみかん!お…貴女は受験勉強しなくてよいのか?」
「ふぁに?ふぉふぇなふぁ。」
口に物を詰めているので何を言ってるのか分からないのでもう一度聞き直そうとするとクラスメイトの1人にみかんが声を掛けられた。どうやら、先生がみかんの事を呼んでいるようであった。
「行ってくるといい。」
「分かったなの!それじゃあ、また後でなの!」
挨拶をして元気よく教室から出て行くみかん。それを見送ったあろまは再びノートに目を通そうとすると再び背後から衝撃を受けた。
「あろま〜!助けてほしいのかしこま〜〜!!!」
「ええい!今度は、らぁらか!?汚いから離れよ!」
涙と鼻水を流しながら抱き着くクラスメイト“真中らぁら”を力づくで引き離しらぁらの方へと振り向く。
「ところで、らぁらは何の用?」
「聞いてよあろま。南委員長の特別受験勉強コースが過酷すぎるんだよ〜。過去問題集を何十冊もやって頭がパンクしそうなんだよ〜。」
南委員長とは、高校2年生の先輩で現在は高等部に進学している。完璧主義で高等部でも風紀委員に入り校則に厳しく違反チケットを貼りまくっているらしいをらぁらとは小学5年からの付き合いであるが、性格としては真逆の2人が何故知り合いであるかというと、らぁらとみれいはプリパラという場所でアイドルをしている。プリパラとは、少女達が皆憧れる場所。そこに行くにはプリパラからプリチケと言うチケットが送られてこなければ行くことができない。そこでは、みんなアイドルとして活動することができる。らぁらとみれいはそふぃと言う少女と3人組のグループ『SoLaMi♡SMILE』と言うグループを組んでおりプリパラ内ではかなり有名なグループである。かく言うあろまもみかんとガァルルと言う少女3人組からなるグループ『ガァルマゲドン』を組みこちらも有名グループである。
「それは、元々らぁらの頭が悪いからではないか。」
「それは、そうなんだけど…そう言えば、最近プリパラで余りライブ出来てないしやる気が出てこないんだよ…」
「それは仕方ない事であ…だよ。私達は受験生なんだから。」
「ところであろま。あろま最近無理に標準語使ってるけどどうしたの?」
らぁらの質問にあろまはビクンと身体が反応する。あろまはらぁらと出会った時にはすでに悪魔キャラと言うものを作っておりプリパラ内外問わずそのキャラを維持していた。しかし、最近になってそのあろまがプリパラの外で標準語を使用するようになって微妙に残る悪魔キャラとのアンバランスで違和感があった。
「何を言っているのらぁらよ。私は何も変わってはいない。」
「うーん。あろまがそう言うなら大丈夫なんだね。かしこま!」
そう言ってらぁらは自分の席に戻って行った。あろまは、ようやく勉強出来ると思い再びノートに目を向けていくが先程のらぁらの言葉が頭から離れずに集中出来ていなかった。
「(私は、何も変わっていない。そう…変わってるんじゃなくて気付いたんだ。)」
そして、窓の外を見上げる。空は晴天で陽気お天気であった。しかし、あろまの心は晴れているとは言えないような曇った感情が渦巻いていた。
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