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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1454話

 フィールドランサーの件があってから、数日。
 現在俺の姿は火星にあるシャドウミラーの基地の一室にあった。
 勿論ここにいるのは俺だけじゃない。
 俺以外にもラピス、長谷川、レモン、マリューといった技術班や電子戦の熟練者達。
 他にも討伐軍からはアカツキとエリナ。木連からは白鳥の姿もある。
 現在の木連の実質的な指導者である白鳥がこうほいほい火星まで来るのは正直どうかと思うんだが、秋山がいるから大丈夫って事らしい。
 ……こうして考えてみると、実は白鳥ってシャドウミラーにおける俺と同じような立場だったりするのか?
 まぁ、色々と聞く限りだと、俺程自由に動き回れるって訳じゃないようだけど。
 また、白鳥が自分でこうして火星に来る事により、自分達はこの問題を重要視しているというポーズの意味もあるのだろう。
 ともあれ、何故この面子がこうして集まったのかと言えば……

「結論から言えば、草壁だったわよね。その人が行っているハッキングをどうにかするのは可能よ。ただ、1つずつ設置をしていく必要があるから、少しばかり面倒でしょうね。それに暫くは大丈夫だけど、この手の技術は結局イタチごっこよ。時間は掛かってもいずれ向こう側も対処してくるでしょうね」

 レモンが口にした通り、今回集まったのは以前の無人島での出来事に関係する件でだ。
 草壁の下にいるヤマサキとかいう科学者が、木連の無人機に対してハッキングをしてコントロールを奪う……いや、そこまではいってないのか?
 それでも本来なら動かない筈の木連の無人機を動かし、俺に対して攻撃を仕掛けてきた。
 その巨大バッタは、既に魔法球の中で技術班に引き渡しており、調査も完了している。
 能力的には特に目立ったところもなく、既存のバッタを単純に巨大化しただけって話だったから、特に見るべきところはなかったらしい。
 一応技術資料として残してはあるらしいが、そのうちキブツの材料となりそうだな。

「そうですか! それでその、具体的にはどのようにするのですか?」

 勢い込んで尋ねる白鳥に、レモンは艶然と微笑み……それを見た白鳥の頬が赤くなる。
 おい、お前が好きだったのはエザリアの筈だろ? 何でレモンを相手にして顔を赤くしてるんだ?
 いやまぁ、その気持ちは分からないでもない。
 実際レモンは極上の美女と呼んだ方がいいような美形だ。
 白鳥だけではなく、アカツキも珍しくレモンを口説くような真似は出来なかったのだから。
 ……そう考えれば、やっぱりレモンが特別だという事なんだろう。

「簡単に言えば、ハッキングを防ぐ為のシステムを世界中に設置するのよ。勿論これを使っても貴方達木連にはきちんと使えるから安心して頂戴。……そうよね?」
「そう」

 レモンの言葉にラピスが頷きを返す。
 まぁ、今回の件で大きな役割を果たしたのはラピス、ルリ、長谷川の3人だしな。

「ったく、何だって私がこんな場所に出てくる必要があるんだよ」

 ラピスとの会話の裏でポツリと呟く長谷川。
 本人は口の中だけで呟いているつもりだったのだろうが、俺には聞こえてるぞ。

「システムを設置、という事は……具体的にはどのような?」
「電波にハッキングのカウンタープログラムも流しているから、向こうの被害は大きいと思うわ」
「それは、具体的にどのような?」
「そうね、使用しているコンピュータの情報を抜き出したり、場合によってはコンピュータが動かなくなったりするでしょうね」
「……その、それは大丈夫なんですか? 対象が草壁一派だけならともかく、こちらにも被害が来るような事は……」

 まぁ、コンピュータの類が動かなくなると聞かされれば、それに対して怖くなっても当然か。

「大丈夫。ただ、そっちで使うコンピュータに特定のプログラムをインストールする必要があるわ」
「……それは仕方ないでしょうね」

 若干不満そうな様子だったが、それを使わなければハッキングされる……どころか、下手をすれば自分達のコンピュータに被害が出る恐れがあるのだから、対策ソフトをインストールせざるを得ないだろう。

「ああ、それと注意点だけど、インストールしたソフトはコピーしようとするなよ。そうしようとした場合、コンピュータの中身が全部消えるからな」

 レモンと白鳥の話に長谷川が言葉を挟む。
 今回のソフト開発には当然長谷川も関わっている為に、それを理解しているのだろう。
 ……関わっていたっていうか、思い切り中心人物だったらしいが。
 そんな長谷川が仕込んだトラップ……どう考えても、まともではないだろう。
 悪辣、悪質、凶悪、狂暴……そんな言葉が似合いそうなトラップになってると思って間違いない。
 いや、コンピュータの中身が消えるだけで十分悪質だけど。

「……アクセル、今何か妙な事を考えなかったか?」
「まさか。そんな訳ないだろ」

 ジト目を向けてくる長谷川にそう返す。
 危ない、危ない。相変わらず俺の知り合いの女は揃いも揃って鋭い勘を持っている。
 長ネギを持って迫ってこないだけマシだろうけど。
 未だに俺を疑惑の目で見ていた長谷川だったが、やがて説明へと戻っていく。

「とにかく、だ。その草壁って奴の事を考えると、木連にまだ伝手があるのは確実なんだろう?」

 そんな長谷川の言葉に、白鳥は頷きを返す。

「はい。こう言ってはなんですが、草壁は木連の中でも強い影響力を持っていました。それでも自分達だけで逃げたという事で大分影響力は減りましたが、完全にという訳にはいきません」

 苦々しげに呟くのは、まだ自分が草壁に勝っているとは言い切れない為か。
 実際問題、今回の件は白鳥、秋山、月臣、高杉といった風に下から信頼されている若手将校が複数集まってようやく草壁に対抗したというのが正しい。
 草壁は色々と問題のある人物ではあるが、それでも伊達に何年も木連の実質的な支配者だったという訳ではない。
 そしてこれは最近入って来た情報だが、木連の上層部……軍ではなく政治家の方にも問題がある。
 今回は熱血クーデターの勢いがあった為、最終的に白鳥達についたが……それは自分の意見があってそうなったのではなく、流れに任せてそうなったというのが正しい。
 正直なところ、今回のやり取りを考えると木連上層部はとてもではないが信用出来るような相手ではない。
 今回流されて白鳥達についたという事は、逆に言えば草壁が白鳥達を排除しようとした流れを作った場合、またあっさりとそっちの方につく可能性があるのだから。
 そう考えると、出来るだけ木連上層部を改革した方がいいと思うんだが……白鳥を含めて、その辺をどう考えているのやら。
 秋山辺りはその辺を考えていてもおかしくはないし、後で一旦聞いてみるのもありか。

「つまり、今木連にいるその草壁って奴のシンパが今回のプログラムを流そうとするかもしれない」
「……どう対処したら?」
「だからこそ、コピーしようとすれば罠が発動するようになっている。ちなみにこの罠は、ルリとラピスの2人からお墨付きを貰っている。少なくてもこの世界の住人にどうにかするのは不可能らしいぞ」

 このナデシコ世界でルリとラピスというのは極めて高い電子戦能力を持っている。
 まぁ、そこにはオモイカネという要素が必要になるのだろうが、最大の問題はそのオモイカネが1台しかないことか。
 ……まぁ、ルリとオモイカネのコンビが最善なのは事実だろうが。
 それにラピスはシャドウミラーの所属だし。

「プログラムのインストールされたコンピュータその物を持ち去られたりした場合はどうなります?」
「そっちまではさすがにどうにか出来ない。ただ、そこからコピーしようとすれば当然トラップに引っ掛かるだろうけどな」

 長谷川の言葉に、白鳥は少し考える様子を見せた。
 可能であれば、インストールしたコンピュータを一定範囲内から出さないように……そこから出ればデータが破壊されるとか、そんな風に出来ればベストだったんだろうが。
 ただ、そうなると色々と不味いのも事実だ。
 特に最大の問題点としては、何かトラブルがあった時とかにコンピュータを移動出来ないというのは大きい。
 なら、生体認証とか? 生体認証された者以外がコンピュータに触ろうとすればデータが破壊されるとか、そんな風に。
 それはそれで面倒事が多くなるし、何より生体認証した人物が草壁と繋がっていれば意味はない。
 その辺はどうしても完璧という訳にはいかず、一長一短な訳だ。

「素晴らしいです。これがあれば、草壁に逆撃を仕掛けるも可能なのではありませんか?」
「どうだろうな。だといいけど……まぁ、こっちは言われた仕事はきちんとしたんだから、後はそっちの使い方次第だよ」

 もういいだろ? と視線をこっちに向けてくる長谷川。
 元々人と付き合うのが苦手な長谷川だ。初対面の白鳥と会話を交わすのはプレッシャーだったのだろう。……まぁ、その割りにはというか、だからこそと言うべきか、内弁慶なところがあるんだが。
 その辺を考えると、白鳥の説明に結構頑張ったよな。猫も被ってないし。
 いや、仕事だからと我慢したのか?

「ま、とにかくそういう訳だ。これを使えば、暫くは草壁達からハッキングを受けたりする事はないと思う。時間を掛ければ、いずれは対処されるかもしれないが、それよりも前に賊軍の討伐は終わらせる予定だしな」
「そう、ですね。そうして貰えるとこちらとしても助かります」

 そう告げる白鳥の表情に、一瞬だけ悲哀の色を見た気がする。
 草壁というのは白鳥にとっても信頼出来る上司だっただけに、どうしても完全に割り切る事は出来ないのだろう。
 まぁ、それは分かっていた事だ。
 だが同時に、そう感じていながらでも動く事が出来るのだけの精神力を白鳥が持っているのも事実。
 だからこそ、白鳥が現在の実質的な木連の代表という扱いになっているのだから。
 そんな風に考えていると、不意に部屋の通信装置に通信が入る。
 この場にいる全員の視線を受けながら、俺が通信装置へと向かう。
 ……仮にもシャドウミラーの代表である俺が、何故わざわざ通信装置に出るのか? と言われる事もあるが、この辺はもう癖になっていると言ってもいい。
 誰かがやってくれるのを待つより、俺自身が動いた方が早く終わるのだから。
 通信装置を起動させると、そこに映し出されたのは当然のように量産型W。……まぁ、シャドウミラーの中で最も多い奴だし、この辺は当然か。

「何があった?」
『地球にて賊軍が大規模に活動を開始したとの事です』
「何だって!?」

 量産型Wの通信を聞いて真っ先に声を上げたのは、俺……ではなく、今までのやり取りを何も言わずに見守っていたアカツキだった。
 その側では、エリナもまた同様に驚きの声を上げている。
 それも当然だろう。アカツキとエリナがこの火星にいるという事は、即ち地球で動きを見せた相手に遅れを取るという事になるのだから。
 勿論地球にはナデシコがおり、その艦長のユリカや状況判断能力の高いプロスペクターがいる。
 また、討伐軍のトップにはミスマルだっているのを考えれば、簡単に討伐軍がどうにかなるとは思えない。
 しかし……それでも、いざという時にネルガルのトップがその場にいないというのは大きいのだろう。
 ただまぁ、アカツキがここにいるのはそれなりに理由があるのも当然な訳で……簡単に言えば、俺がここにいる以上、火星から地球に転移するのも難しくないとか。そういう理由で。

「落ち着け。お前が地球から火星に来る時も一瞬だっただろ。それと同じく、火星から地球に戻るのも一瞬だ。白鳥、お前はどうする?」
「自分も木連に帰る必要があるでしょう。賊軍が動いたという事は、クリムゾングループに合流しただろう草壁も動いたと見て間違いないでしょうし」

 その言葉に、改めて視線を映像スクリーンへと向ける。

「木連の戦力が動いている形跡はあるか?」
『いえ。確認されている戦力は、賊軍の物だけです。ただし、向こうには以前アクセル代表が鹵獲した相転移エンジン搭載艦と、エステバリスがかなりの数用意されています』
「へぇ」

 意外そうな声が出てしまったのは、当然だろう。
 元々この世界では遺伝子操作やナノマシンの類はそれなりに強い忌避感が持たれていた。
 SEED世界のブルーコスモス程ではないにしろ、だ。
 まぁ、ナノマシンの投与には副作用がある以上しかたないんだろうが……
 自分達がピンチになれば、忌避感云々よりも有効な戦力を欲したといったところか。

「そうなると、討伐軍はちょっと不味いか?」
「……そうだね」

 苦い表情のアカツキ。
 ちょっと不味い程度ではないといったところか。
 一応地球にはこちらの戦力として精霊の卵がいるが、幾らこの世界の住人より強いと言っても、シャドウミラーの実働班程じゃない。
 まだ一流止まりで、超一流のレベルには届いてはいない。
 だからこそ、質で量を覆す事が出来るかと言われれば……答えは否となるだろう。

「分かった、レモン。ヤンマとカトンボをそれぞれ準備してくれ。ファブニール込みでな」
「あら、出るの?」
「ああ。向こうが最後の悪あがきをしてきたんだから、それを覆してしまえばそれでこの内乱も終わりだろ」

 こうして、半ば済し崩し的に最後の戦い……と思われる戦いへと突入するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:505
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1208 
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