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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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175部分:第二十三話 セブンセンシズその五


第二十三話 セブンセンシズその五

「決して。退くのならば何もすることはない」
「馬鹿にするな!」
 サガに対してまず叫んだのはレオだった。
「俺達を何だと思っている!狂闘士だ!」
「何度も言おう。狂闘士は敵に背を見せることはない!」
 バルボもサガに対して叫んだ。
「そう、決してだ!」
「決してか」
「それは貴方もわかっている筈」
 リベカも決して退く素振りを見せようとはしない。
「貴方が神であろうとも何としても倒す」
「そういうことだ。ジェミニよ」
 最後にフォルスが言ってきた。
「闘え、我等を愚弄するな!」
「そうか。ならばだ」
 彼は四人の言葉を受けた。そしてそのうえで今大地にゆっくりと降りた。そのうえで向かって来る四人を見据えて言うのだった。
「では見せよう、ジェミニのサガ最大の奥義」
「見せてもらおう!」
「その黄金聖闘士の技!」
 四人は一直線にサガに対して突き進む。最早そこには戦術も防御もなかった。ただ彼に対して突き進む、それだけであった。
 サガはその彼等を前にして両手を交差させた。その瞬間銀河を破壊せんばかりの強大極まる小宇宙が生じた。そしてその両手を上にして叫んだのだった。
「ギャラクシアネクスプロージョン!」
 銀河が割れ星達が砕け散る。その凄まじいばかりの破壊の衝撃を受けて四人は吹き飛ばされた。そうして無残に大地に叩き付けられたのだった。
「これが・・・・・・」
「ジェミニの最大の奥義だというのか」
「この技を受けて生き残った者はいない」
 サガは戦衣さえ破壊され倒れ伏してしまった四人に対して告げた。
「そう、誰であろうともな」
「恐ろしい男・・・・・・」
「ジェミニのサガ・・・・・・・」
「静かに眠るがいい」
 サガは今まさに息絶えんとする四人に対してまた告げた。
「冥界でな」
 この言葉を彼が言った時四人はもう息絶えていた。こうしてサガは四人の狂闘士達を倒したのだった。そして闘いを終えたのは彼だけではなかった。
「サガ様」
「お見事でした」
 アステリオンやトレミー達であった。彼等もまたインプ達との闘いを終えたのであった。白銀の者も青銅の者も皆無事であった。
「あれがサガ様の技ですか」
「ギャラクシアンエクスプロージョン」
 彼等はその技を見たのだ。その圧倒的な力を。
「黄金聖闘士はあれだけの力をお持ちなのですね」
「何という力」
「ですがこれで」
 彼等は明るい顔になっていた。もう何もかもが終わったと言わんばかりの。
「戦いは終わりました」
「もうこれで」
「いや、それはまだだ」
 だがサガはその安堵している彼等に対して言うのだった。
「まだ闘いは終わってはいない」
「というと」
「シュラ様が」
「そうだ。見ろ」
 ここで前を指差す。見ればそこには対峙するシュラとジークがいた。
「あの闘いがまだだ」
「八大公のジーク」
 ゾルダがその名を呼んだ。
「何という禍々しい小宇宙だ」
「あれが八大公の小宇宙だというのか」
「そうだ、あれこそがだ」
 サガも彼等に告げる。
「あれが八大公のな」
「我等の適う相手ではない」
「あれはまさに」
 アステリオン達にもはっきりとわかるものであった。その恐ろしいまでの小宇宙は。
「だが。案ずることはない」
「案ずることはないのですか」
「シュラならば闘える」
 こう周りの聖闘士達に告げるのだった。
「シュラならばな」
「シュラ様ならばこそですか」
「あの男もまた黄金聖闘士だ」
 彼が言うのはこのことだった。修羅が黄金聖闘士だと。
「必ずやってくれる」
「必ずですか」
「そうだ、必ずだ」
 こう言ってこれからはじまる闘いを見るのだった。シュラとジークの闘いは今はじまろうとしていた。剣と剣の正面からの闘いが。


第二十三話   完


                2009・4・9
 
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