SAO~円卓の騎士達~
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第二十六話 七十四層ボス
~アーサー side~
迷宮区に向かう途中、索敵スキルに反応があった。
シンタロー「プレイヤーだ。 編隊を組んでるな。」
キリト「そこに隠れてやり過ごさないか?」
ユージオ「そうだね。」
全員が近くの草むらに入って隠れる。
その前をプレイヤーが通った。
軍だ。
そのまま俺達に気付かず通り過ぎて迷宮区に向かっていった。
アスナ「本当だったんだねあの噂。」
キリト「あぁ。 軍が最前線に出てくるって噂だろ。」
アリス「キバオウさんから何か聞いてないんですか?」
アーサー「なんにも聞いてない。」
サクマ「ま、会ってもそんな変なことにはならないだろ。」
そして、そのまま迷宮区に入る。
アーサー「せい! サクラ、スイッチ!」
サクラ「ヤアァァァァ!!」
サクラのソードスキルが決まり、モンスターがポリゴンになる。
アスナ「凄いコンビネーション良いんだね。」
サクラ「そんな事無いよ。 あの二人の方が凄いって。」
そう言ってユージオとアリスの方を見る。
ユージオが敵を攻撃し、一瞬敵が怯むとユージオがしゃがみ、そのタイミングでアリスがユージオの後ろから飛び出し<ヴォーパルストライク>を放つ、そしてユージオが止めをさす。
この間に二人の会話はもちろんの事、目配せも合図もゼロだ。
アスナ「あれは、うん。 凄すぎるよね。」
アーサー「あの二人を同時に相手するとなると俺でもキツいからな。 それに比べてあの兄弟。」
サクマ「コジロウ! 突っ込んでくるんじゃねぇ! 危ないだろ! スイッチの時は言うから待ってろ!」
コジロウ「兄貴がスイッチ無しで倒そうとするからだろ!」
グダグダだ。
アスナ「あれはあれで、うん。 両極端だよね。」
アーサー「まぁ、一番平均的なのは俺達とシンタロー達。」
シンタロー「アヤノ、行け。」
モンスターにマリオネットロックをかけ、アヤノに攻撃させようとするが、アヤノがいい感じに足元に張っていた糸につまずき、盛大に転ぶ。
アーサー「訂正、平均のちょっと下だった。」
サクマ「ふぅ。 もうそろそろボス部屋が出てきてもおかしくないくらい来たな。」
シンタロー「あぁ。 多分この先にあるはず。」
そう言って曲がり角を曲がるとボス部屋があった。
アヤノ「どうする?」
キリト「ボスの姿だけでも確認しとこうぜ。」
アーサー「だな。 偵察はまた今度でも構わないし。 一応転移結晶持っとけよ。」
全員が転移結晶を持ったことを確認すると、
コジロウ「開けますよ。」
コジロウが軽く扉を押すと扉が開いていく。
部屋の中に灯りが点いていき、ボスが現れる。
名前は《The Gleam Eyes》
大きな山羊頭のモンスターだ。
恐らく悪魔をイメージしたのだろう。
グリームアイズ「グオォォォォォ!!」
女子「「「「き、キャアァァァ!!」」」」
キリト・シンタロー「「うわあぁぁぁ!!?」」
その悲鳴と共に女子全員とキリト、シンタローが一目散に逃げ出す。
アーサー「ちょっ、置いてくな!」
サクマ「さっさと追いかけるぞ。」
ユージオ「ボス部屋から出るわけ無いんだけどね。」
などと愚痴を漏らしながら追いかける。
俺、俊敏値上げてないんだけど。
そして、安全地帯。
アーサー「お前らなぁ、ギルドマスター残して逃げるとはどういう了見だよ。」
キリト「すまん、つい。 それにしても走ったなー。」
アスナ「ほんと、ここまで必死になって走ったのっていつ以来かな?」
サクマ「しかし、今のは苦労しそうだったな。」
キリト「あぁ、武器はあの剣だけだろうけど、恐らく特殊攻撃有りだろうからな。」
アリス「前衛に盾装備を出来るだけ置いて次々にスイッチしていくか、」
ユージオ「高火力で一気に押しきるかのどっちかだね。」
アスナ「盾装備ねえ。」
キリト「ん? どうした?」
アスナ「いや、このギルドって盾装備少ないなぁって思って。 何で?」
アーサー「俺とゴウの二人だけで壁として成り立つからだ。」
アスナ「じゃあ、何でキリト君、アリスちゃん、ユージオ君は盾装備してないの?」
コジロウ「キリトさんはどちらかというと攻撃型ですから出来るだけ邪魔な物を無くしているんですよ。 アリスさんとユージオさんは連携が難しくなるからですね。」
アスナ「ふーん。 でもそれだけじゃ無い気がするなぁ。」
アーサー「それ以上はマナー違反だ。 止めとけ。」
シンタロー「それより走ったら腹減ってきた。」
アヤノ「それじゃ、ここでお昼ご飯にしようか。」
そう言って女子が手作りの弁当を取り出す。
アスナ「はい、キリトくんの。」
キリト「えっ? 俺の?」
アスナ「そうよ。 私から誘ったんだからこれくらいは当然でしょ。」
キリト「あ、ありがとう。」
その後、話しながら食事をして、女子が調味料やレシピの交換をしていた時。
クライン「おお! 偶然だな!」
アーサー「ん? クラインか、久しぶりだな。」
クライン「おう! 久しぶり。 しっかしお前らのギルドは良いよな。 可愛い女の子が沢山いてよ。 こっちはむさ苦しい男ばっかりだぜ。」
クラインとその仲間達、『風林火山』が入ってきた。
クライン「ん? 1人多いような。」
キリト「よく分かったな。 今日だけ特別ゲストが来てるんだ。 紹介するよ。 『血盟騎士団』の副団長のアスナだ。 こっちは『風林火山』のギルドマスターのクライン。」
クラインがアスナを見た瞬間固まった。
アーサー「おーい、どうした? ラグってんのか?」
クライン「は、は初めまして! クラインと言います! 二十四歳、独し!」
キリト「言わせねーよ!」
キリトがクラインを蹴って黙らせる。
「「「「「アスナさんじゃないですか!!」」」」」
そこに『風林火山』のメンバーが加わり、
キリト「ちょっ、アーサー、こいつら抑えんの手伝ってくれ。」
アーサー「やだ。 面倒くさい。」
キリト「即答!?」
キリトのヘルプを一瞬で断る。
キリト「まぁ、ギルマスの顔はともかく、良い奴等だから。」
クライン「んだと、キリの字! それは聞き捨てならねぇぞ!」
キリト「事実だろ。」
などと、馬鹿やってると、索敵スキルに反応があった。
アーサー「軍、か。」
~side out~
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