聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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168部分:第二十二話 返し技その三
第二十二話 返し技その三
「この三人同時の攻撃なら」
「如何にカプリコーンといえど」
パイソンとクリシーヌが言う。攻撃を繰り出しながら。
「防げるものではない」
「ましてや下半身は石になっている」
それがわかっているからこその強気であるのだった。
「それでどうして逃げられようか」
「しかも」
二人は同時に中央のシエラに目を向けた。
「シエラ様が再び炎を放たれた」
「これでカプリコーンは。例え攻撃から生き残っても」
「石になります」
そのシエラの言葉だった。
「今度こそ貴方は完全に」
「石か」
シュラは三人の攻撃を前にしてもまだ平然としていた。
「俺が石になっているというのだな」
「違うというのですか?」
シエラはその黒い目を鋭くさせてシュラに対して問うた。
「その下半身は間違いなく」
「生憎だがこの程度では石にならない」
「何っ!?」
「精々。薄皮程度だ」
シュラは下半身を黄金ではなく石の灰色にしてもこの言葉を出すのだった。
「その証拠にだ。見るのだ」
「むっ!?」
「一体何を」
「このシュラに小細工は通用しない」
その言葉と共にだった。
「この通りだ」
不意に石から黄金色の光が沸き起こったように見えた。その光が石の間からそれぞれ飛び出てそれと共に石は薄皮の如く弾け跳んだ。そこから出て来たのは黄金聖衣だった。
「馬鹿な、私の炎が効かなかった!?」
「並の者ならいざ知らず」
シュラは言った。
「黄金聖闘士であるこのシュラには通じぬ」
「馬鹿な、私の炎を」
シエラは己の技が効かなかったのを見て唖然とした声をあげた。
「そうまで簡単に」
「そしてだ」
シュラは石を退けたうえでまた言った。
「その吹雪も蝙蝠も通用することはない」
「何っ、吹雪が!?」
「蝙蝠が」
何とシュラの身体をすり抜けていくのだ。まるで幻のように。
「このパイソンのバットウィングがすり抜けただと!?」
「私の吹雪が。何故」
「よけたのですね」
シエラは何故攻撃がすり抜けたのかすぐに察した。
「光速の動きで。見切ったうえで」
「そうだ」
シュラは二人の攻撃をそうしてかわしたうえでシエラに対して述べるのだった。
「見切った。ではどうということはない」
「確か日本の武道の見切り」
シエラは言った。
「それを。使ったというのですか」
「武道のことは詳しくはないが見切ったのは事実だ」
これがシュラの返答だった。
「そういうことだ」
「何と・・・・・・」
「もう一つ言おう」
そのシュラにまた虹色の炎が迫っていた。しかしシュラはその炎を全く恐れてはいなかった。平然と目だけで見ているだけであった。
「聖闘士に」
「聖闘士に?」
「同じ技は通用しない」
こう言うのだった。
「決してな。それを今から見せよう」
その炎もすり抜けたのだった。シュラは三人の攻撃を見切り完全に防いだのだった。そこから一歩も動いていないように見える程に。
「おのれ、我等の技を見切ったというのか」
「それもかすり傷一つ負うことなく」
パイソンとクリシーヌは歯噛みせずにはいられなかった。
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