聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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164部分:第二十一話 火の軍団その五
第二十一話 火の軍団その五
「私もまた戦わせてもらおう」
「ジェミニのサガ」
狂闘士の一人が彼の名を呼んだ。
「貴様も来たというのか」
「このグランドキャニオンに」
「元よりこのつもりだった」
サガはシュラを取り囲む狂闘士達を前にして言うのだった。
「御前達を相手にする為にここに来たのだ」
「黄金聖闘士がもう一人だと!?」
「そして戦うというのか」
「そうだ。御前達を倒す」
サガは今このことを彼等にはっきりと告げた。
「さあ。かかって来るのだ」
「いや、ここは俺に任せてもらおう」
だがその彼に対してシュラは言った。
「例え貴方の申し出といえどだ」
「引き受けるというのか」
「この狂闘士達は俺が倒す」
何者でも動かし得ることのできない言葉の響きがあった。
「貴方は安心してそこにいるのだ」
「御前がそう思っていてもだ」
だがここでサガはシュラに言ってきた。
「どうもそうはいかないようだ」
「何っ!?」
「彼等は私にも向かってきている」
見ればその通りだった。狂闘士達はシュラだけでなくサガに対しても激しい闘志を向けてきていた。その刺々しさは相変わらずだった。
「だからこそな」
「ならば。仕方がない」
シュラもそれで諦めたのだった。
「貴方もまた。戦うといい」
「その言葉、感謝する」
サガは彼の今の言葉を受けて述べた。
「それではだ。このジェミニのサガ、御前達に最大の力を見せよう」
サガの小宇宙が高まっていく。それは戦いの合図でもあった。その後ろではアステリオンやトレミーといった面々がインプ達と闘っていた。
「それではだ」
「うむ」
シュラとサガを取り囲む狂闘士達はここでそれぞれ顔を見合わせ話をした。そのうえで言うのだった。
「カプリコーンには我等三人が」
「そしてジェミニには四人だ」
役割の分担がすぐに決まった。
「それでいいな」
「よし、それならだ」
「カプリコーンよ」
三人の狂闘士がシュラの前に出て来た。そのうえでシュラと対峙する。
「貴様の相手は我等が三人だ」
「それでいいな」
「三人でも四人でも構うことはない」
シュラはその三人を前にしても動じているところはなかった。
「ただ。貴様等を倒すだけだ」
「バドとビルフォードの仇」
「ここで取らせてもらう」
三人の狂闘士達は彼と対峙するとさらにその禍々しい小宇宙を増大させていく。全身から赤い気が沸き起こっているようにさえ見える。
「では名前を聞いておこうか」
「名前だと」
「そうだ、名前だ」
シュラは彼等に対して言ってきた。
「貴様等の名前をだ。聞いておこう」
「よし」
それを受けてまず一人が出て来て名乗ってきた。
「私は公爵」
まず出て来たのは女だった。強い目をした黒く長い髪の美しい女だった。
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