聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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16部分:第一話 狂闘士強襲その一
第一話 狂闘士強襲その一
第一話 狂闘士強襲
聖域。普通の者はその存在すら知ることのない隠された場所に彼はいた。黄金の眩い鎧と白いマントを羽織った男だった。
その身体は均整がとれ美しくまるで彫刻の様だ。髪は長く白い。その白い髪を腰まで伸ばし顔は秀麗でやはり彫刻を思わせる。その彼が今神殿を思わせる巨大な宮殿の中を進んでいた。彼は大理石の床に敷かれた紅い絨毯の上を歩き灰色の石柱の間を進んでいた。その中を進んでいたのであった。
「サガ様」
その彼に左右にいた衛兵達の中の一人が声をかけてきた。彼等は褐色の鎧に槍を持っている。
「ようこそ来られました」
「教皇からの直々の御呼びとのことだが」
「はい」
彼をサガと呼んだその衛兵は彼の言葉に応えて一礼した。それからまた述べてきた。
「その通りでございます」
「そうか。それで急いでここに来たのだが」
「双児宮からですか」
「そうだ」
サガは彼の問いに答えた。硬い、それでいて澄んだガラスを思わせる声だった。
「危急のお呼び出し、一体何事か」
「申し訳ありませんがそこまでは」
だが衛兵は彼のその問いには顔を曇らせて答えるだけであった。
「私ではとても」
「そうか」
「申し訳ありません」
「いや、謝る必要はない」
サガはそれをよしとして咎めはしなかった。
「私が教皇に直接御聞きすればいいのだからな」
「左様ですか」
「そうだ。では失礼する」
こうして彼は宮殿のさらに奥に向かった。奥まで辿り着くとその先に玉座を思わせる座があった。赤絨毯はその座が置かれた場をつなげている階段にまで続いている。座には白い法衣と黄金の兜の仮面の男がいた。兜の装飾が輝き眩い光を放っている。
「教皇」
サガは彼の前まで来るとその片膝をついた。そしてその姿勢で一礼するのだった。
「ジェミニのサガ、只今参上しました」
「うむ、サガ」
教皇はまず彼に対してよく来てくれた。
「まずは顔を上げよ」
「はい」
こう告げて彼に顔を上げさせる。サガもまたそれに応える。
「今日御前に来てもらったのは他でもない」
「といいますと」
「まずはだ」
教皇はここで一旦言葉を止めた。そしてサガから顔を離し彼のさらに後ろを見たのであった。
彼はそこにサガと同じだがその形が大きく異なる翼を生やした黄金の鎧とこれは同じ白いマントを羽織った若者を見ていた。引き締まった精悍な顔をしており茶色の髪は燃え上がる炎を思わせる形をしている。彼はサガの横に来ると彼と同じように片膝をつき教皇に対して一礼したのであった。
「教皇、サジタリアスのアイオロス、只今参上しました」
「御前も来たな。これでよい」
「教皇、何があるのでしょうか」
サガが怪訝な顔で教皇に対して問うた。
「黄金聖闘士が一度に二人も呼ばれるなぞ」
「そうです」
アイオロスもまたそれを教皇に問うのだった。
「私達一人が呼ばれるだけでも何かがあるというのに二人までとは」
「一体何が」
「二人では済まない」
しかしシオンはここでこう二人に告げてきた。
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