聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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148部分:第十八話 炎の剣その五
第十八話 炎の剣その五
「これだけだ。これが俺の防ぎ方だ」
「まさか今ので私の炎を消すとはな」
バドにしろまさかと思うことであった。
「やはり。黄金聖闘士ということか」
「それだけではない」
今度はシュラから言って来た。
「ハルパス」
「何だ?」
「貴様のことはわかった」
こう言うのだった。
「貴様の実力はな。貴様は確かに強い」
シュラもそれは認めた。
「しかしだ」
「しかし。何だ?」
「このシュラには遠く及ばない。白銀の者達は遥かに超えていてもだ」
「戯言を。私が貴様に劣るというのか」
「一つ言っておこう。一人ならば貴様は倒れる」
これは忠告であった。
「確実にな。このシュラに敗れる」
「・・・・・・私を愚弄するというのか?」
狂闘士としてのプライドを持つバドにとって今の言葉は看過できないものであった。すぐにその目を鋭くさせて問うてきたのであった。
「このハルパスのバドを」
「愚弄はしていない。ただ事実を述べたまでだ」
シュラにとってはまさにただそれだけであった。悪意も挑発する意志もない。
「ただ。それだけだ」
「・・・・・・生憎だが私はそうは考えはしない」
やはりバドはそうは受け取らなかったのだった。
そして。再びその右手に持つ剣を構えたうえでシュラに対して言ってきたのだった。
「カプリコーン、やはり貴様はここで倒す」
「いいのか。死ぬことになるぞ」
「死ぬのは貴様だ」
やはり彼は引こうとはしなかった。
「ここでな。私が焼き尽くしてやる」
「ならば。受けてみるがいい」
シュラがその手に剣を握った。
「このシュラの剣。そうして死ぬがいい」
「シュラ様の小宇宙が高まっている」
「ああ」
「確かに」
聖闘士達もそれははっきりと感じ取っていた。そしてその小宇宙は。
「何という凄さだ」
「これが黄金聖闘士の小宇宙なのか」
彼等をして絶句させるものがそこにはあった。
「一人で今いる白銀、青銅の全ての聖闘士を合わせたよりも遥かに上だ」
「まさに。これこそが最強の聖闘士」
唖然とするまでに黄金聖闘士の力を認めるしかなかった。
「この小宇宙。これならば」
「如何にあの男とて」
「行くぞ」
今まさにシュラの剣が抜かれようとしていた。
「このシュラの剣。受けるのだ」
その剣がどういったものか。今それを見せようとしていた。シュラの力が今放たれようとしていた。
第十八話 完
2009・3・23
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