SAO~円卓の騎士達~
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第二十話 ユニークスキル『二刀流』と『大太刀』
~キリト side~
キリト「んん!?」
俺は今、何となくスキル欄を見ていたのだが知らないスキルが混じってた。
キリト「『二刀流』。 アーサーの予想が当たった。」
コジロウ「どーしたんですか? キリトさん。」
キリト「いや、これ。」
そう言ってたまたまコンビを組んでいたコジロウにスキルを見せる。
コジロウ「マジすか。 はっ、まさか俺のスキルに『物干竿』が?」
キリト「まさか、流石にそんなことは」
コジロウ「あった。」
キリト「なん、だと。」
コジロウ「あー、でも、専用武器を作る必要があるみたいですね。」
キリト「そうか。 『二刀流』も片手剣二本必要みたいだし、一緒に作るか。」
コジロウ「そーですね。 じゃあ、まずは鍛冶屋を探さないと。」
キリト「アーサーに聞くか。」
アーサーにメールを送る。
返ってきた。 暇なのか?アイツ。
『リンダースに良い鍛冶屋がいるから紹介してやるよ。 現地集合な。』
キリト「だと。」
コジロウ「んじゃ、行きましょう。」
<四十八層 リンダース>
リンダースにつくとすでにアーサーがいた。
アーサー「よう、来たな。 こっちだ。」
そのままアーサーに付いて行く。
そして、一つの小屋の前で止まった。
アーサー「ここだ。 邪魔するぜ、リズ。」
リズ「いらっしゃい。 あ、アーサー。 後ろのは?」
アーサー「紹介だ。 ウチの副団長のキリトと双子の弟の方、コジロウだ。 こっちはここの店主、リズベットだ。 腕は保証する。」
リズ「リズって呼んでくれればいいわ。」
キリト「よろしく。」
コジロウ「よろしくお願いします。」
アーサー「んじゃ、俺は攻略行くから。」
そう言うとアーサーは出ていった。
リズ「それで? どんな武器をご所望?」
キリト「俺は片手剣、スペックはこれと同等以上で。」
リズ「ふーん、じゃあ、ちょっとそれ貸してくれる?」
キリト「あぁ。」
俺はリズにメインの片手剣を渡す、と同時にリズが落としかけた。
リズ「重っ!」
キリト「筋力要求値がそこそこあるからな。」
そして、リズが鑑定スキルを使い、剣のスペックを見る。
リズ「大体分かったわ。 そっちは?」
コジロウ「オーダーメイドで、えーと、、、何て言えば良いのか。 取り合えずこれ見てくれませんか。」
リズ「ん? えーと、何々、『大太刀』? 聞かないスキルね。」
コジロウ「多分、ユニークスキルなんですけど、専用武器を作らなきゃいけないみたいで、、作れますか?」
リズ「専用武器ねぇ。 分からないけどやるだけやってみるわ。」
コジロウ「お願いします。」
リズ「そうと決まれば、行くわよ。 インゴット採りに。」
二人「「え?」」
リズ「悪いけど、あなた達を満足させられる物を作れるほどのインゴットは今は無いの。 だから、採りに行くのよ。」
キリト「どこに?」
リズ「上の層の雪山。 そこにいるドラゴンからインゴットが手に入るって噂が有るのよ。」
コジロウ「それだったら俺達だけで行きますけど。」
リズ「今まで手に入れたパーティーが居ないのに?」
キリト「は? じゃあ、何でそんな事を。」
リズ「一説によるとマスタースミスがいないとドロップしないんじゃないか、、ここまで言えば分かるでしょ?」
コジロウ「じゃあ、行きましょう。 ただし、リズさんは戦闘には参加しないこと。 これが条件です。」
リズ「分かったわ。」
んでもって雪山。
リズ「寒い寒い寒い寒い寒い寒ーい!!」
キリト「余分な服とか持ってないのか?」
リズ「持ってない。」
キリト「しゃーない。 これ着ろ。」
そう言ってリズにコートを渡す。
リズ「あ、有り難う。 あー、温かい。 それより、あんた達は寒くないの?」
コジロウ「氷河の中にいるようなここの迷宮区に比べれば全然寒くありませんよ。」
リズ「やっぱり、攻略組って凄いのね。」
そんな事を話しながら目的の村についた。
数時間後、
キリト「長かった。」
コジロウ「同感です。」
リズ「何なのあの村長の話の長さは。」
死んだ魚みたいな目をした三人が村長の家から出てきた。
キリト「まぁ、ドラゴンは夜行性だし、暇潰しになったと思えば。」
リズ「それもそうね。 じゃあ、行きましょうか。」
頂上についた頃にはもう日が沈んだ頃だった。
コジロウ「さっきの村でメールしとくべきでしたね。」
キリト「あぁ。 最低でも帰るのは八時くらいになりそうだしな。」
コジロウ「まぁ、これ以上遅れないようにちゃっちゃと倒しちゃいましょうか。」
キリト「あぁ。」
リズを隠れさせたところでドラゴンがポップする。
ドラゴン「グォォォォォ!!!」
キリト「行くぞ!」
コジロウ「了解!」
俺が先に走って、その斜め後ろにコジロウがついていく。
俺が跳び上がってドラゴンを地面に叩き下ろし、コジロウが落ちてきたドラゴンを攻撃する。
ドラゴンはすぐに体制を整えまた飛び、尻尾を叩き付けて攻撃してくるが、コジロウは難なく避ける。
俺はその隙に攻撃しようとするが、ドラゴンは高く飛んでそれをかわし、息を吸い始めた。
ブレスだ。
俺とコジロウは武器を目の前で構え、指で回す、武器防御のスピニングシールドだ。
ドラゴンのブレスをそれで防ぎ、攻撃を続ける。
そして、ドラゴンのHPがレッドになったとき。
リズ「何してんのよ! そんな奴、さっさと倒しちゃいなさいよ!」
キリト「バカッ、隠れてろ!」
リズ「何よ、もう余裕でしょ?」
その時、ドラゴンが羽を大きく、そして早く振り始めた。
風圧攻撃だ。
これ自体に攻撃判定は無いが飛ばされると最悪、山から転げ落ちることになる。
そして、リズが飛ばされた。
キリト「クソ。 コジロウ! 後は頼んだ!」
俺はリズを追い掛けて空中で捕まえるが、下に地面が無かった。
ぽっかりと大きな穴があったのだ。
深さも相当の物だ。
キリト「嘘だろ。」
そのまま穴の中に落ちていく。
ドスッ
鈍い音がして、俺は背中から地面に落ちた。
不幸中の幸いと言うべきか、地面は雪で覆われていて、落ちたときの勢いを分散してくれたようだ。
それでもHPがイエローまで来てるんだから雪が無かったらと思うとゾッとした。
コジロウ「キリトさーん、リズさーん、大丈夫ですかー!?」
穴の上からコジロウが無事を確認しようとしてる。
が、今、俺はリズに下敷きにされていて身動きがとれない。
キリト「リズ、退いてくれ。」
リズ「あ、ごめん。」
キリト「ふぅ。 こっちは平気だ! そっちは!?」
コジロウ「倒しましたけど、ドロップにそれらしいのは有りませんでした! ところで、どうします!? コレ!」
キリト「ロープとか無いのか!?」
コジロウ「有りません! 一晩待ってくれればロープ持って戻って来れるんですけど!」
キリト「じゃあ、そうしてくれ! 幸いここはモンスターのポップは無いみたいだから!」
コジロウ「分かりました!」
そう言うとコジロウは転移結晶を使って消えた。
恐らくギルドに戻ったのだろう。
リズ「転移すれば良いんじゃないの?」
キリト「大抵、こういう穴は転移結晶が使えないように設定されてるんだ。」
リズ「え、、転移!リンダース! 本当だ。」
リズが転移結晶を使ってみるが反応しない。
キリト「ま、一晩の辛抱だ。」
そう言ってストレージから寝袋二つとカセットコンロ?と鍋を出し、食材を出す。
リズ「何でそんな物持ってるのよ。」
キリト「時々、ダンジョン内で一晩過ごす事もあるからな。 そういうときのため。」
リズ「やっぱり攻略組って凄い。」
そして、その夜。
寝袋に入った俺達は話をしていた。
主に、これまで俺が戦ってきたモンスターの話だったが、その中でも話が弾みそうな物を選んだ。
リズ「ね・・・、手、握って?」
キリト「あぁ。」
俺はリズの手を握る。
リズ「キリトの手、暖かい・・・、キリトも私も仮想世界のデータなのに・・・。 おやすみなさい、キリト。」
キリト「おやすみ、リズ。」
そのまま俺達は目を閉じた。
~side out~
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