聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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135部分:第十六話 西部にてその五
第十六話 西部にてその五
「魔剣・・・・・・」
「それがベールのジークの剣なのか」
「そのようだな」
シュラはアステリオンとトレミーに対して述べた。
「あの男の剣はそれか」
「そしてそのジークはこれから先にいる」
「我等を戦場で待つ」
「問題はそれが何処かですが」
「そうだな。おそらくはだ」
シュラはここで彼等の小宇宙を探ると共に己の考えを述べるのだった。
「グランドキャニオンか」
「グランドキャニオン!?」
「そうだ。あそこでの闘いになる」
こう述べるのだった。
「おそらくはな」
「成程、グランドキャニオンなら」
「闘う場所に相応しい」
サミュエルとザンドルフがそれぞれ言う。
「ではそこに向かいましょう」
「今から急行して」
「いや、それには及ばない」
彼等の案はここでは退けた。
「それにはな」
「ではシュラ様」
「どうされるおつもりですか?」
オズとライマンが怪訝な顔になって彼に問うた。
「このままでは彼等は我々への迎撃態勢を整えますが」
「それでもですか」
「それならばそれでいい」
やはりそれをいいとするのだった。
「それでな」
「宜しいのですか」
「このシュラ、狂闘士がどういった策を仕掛けようともそれを断ち切ってみせる」
その右手を再び手刀にしながらの言葉だった。
「ただしだ」
「ただし?」
「あのジークという男」
今回の彼等の指揮官である八大公の一人であるあの男だ。
「おそらく下手な小細工は弄してはこない」
「それはありませんか」
「あの男の手にあるのは剣」
シュラのそれとは違うが同じ剣なのは事実である。
「ならばその剣で勝負を挑んでくる筈だ」
「ではグランドキャニオンでの闘いは」
「正面からのものになりますね」
「そうなるだろう」
アステリオンとトレミーの言葉にも答えた。
「だからこそ御前達をこの戦いに連れて来た」
「我等をですか」
「特にアステリオンとトレミー」
「はっ」
「我々ですか」
白銀の二人に対して声をかけたのだった。彼等もそれに応じる。
「そうだ。御前達のその力こそが重要だ」
「そういうことですか」
アステリオンは彼の言葉がどうしてなのかすぐに察したようであった。
「だからこそこのアステリオンを」
「!?アステリオン」
だがトレミーは彼が何故今納得した顔になったのかわからなかった。怪訝な顔を向けて彼に対して問うたのだった。
「何故そこで納得したのだ」
「何故か」
「そうだ。何故シュラ様がこの度の戦いに我等を御呼びしたのか」
彼はまだわかっていなかった。
「御前はわかったようだが。何故だ?」
「トレミー」
アステリオンは冷静な調子で彼に声をかけてきた。
「御前は自分のことを知るべきだ」
「俺の?」
「そうだ、御前自身のだ」
こう彼に言うのであった。
「知ることだな。そうすればすぐにわかる」
「わかるのか?それで」
「その通りだ。御前の力がこの戦いにおいては役に立つ」
彼はまたトレミーに告げた。
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