Blue Rose
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第二十二話 心と身体その十二
「見ていればわかってくるんだ」
「骨格をですか」
「そう、次第にね」
「そうしたものなんですね」
「うん、これも医者の技能かな」
骨格を見て性別がわかることもというのだ。
「医学は人の身体を観るね」
「おかしいところを治す為に」
「そうするからね」
「それで骨格の違いもですか」
「わかる様になるんだね」
「そうですか、専門的なことですか」
「うん、とにかく君はね」
あらためてだ、優花に言った。
「確実に女の子になっているよ」
「骨格が完全にそうなって」
「遂に子宮も出来たんだ」
「それじゃあ赤ちゃんも」
「産めるよ」
「そうなのですね」
「結婚して男の人との間にね」
そうしたこともだ、岡島は優花に話した。
「そうなれるよ」
「看護士さんに素敵な恋愛をしなさいって言われました」
「芦屋さんだね」
看護士と聞いてだ、岡島はすぐに察した。
「あの人にだね」
「言われました」
「あの人はよくそう言うんだ」
「いい恋愛をすべき、ですか」
「あの人もそうした恋愛をしてるから」
だからだというのだ。
「蓮見君にも言うしね」
「他の人にもですか」
「言うんだ」
そうだというのだ。
「それが人にとって最高にいいことだってね」
「恋愛を人をよくするんですね」
「あの人が言うにはね、ただそれはいい恋愛で」
「悪い恋愛はとも言ってました」
「うん、そのことは僕もわかるよ」
悪い恋愛についてはとだ、岡島は優花に少し苦笑いになって言った。
「喧嘩ばかりの夫婦とかカップルとかいるしね」
「そうした恋愛はよくないですか」
「人を磨くどころか」
「その反対
「僕もですね」
「そうした恋愛をすべきだろうね、とにかくね」
恋愛の話はここまでにしてだ、岡島は優花にあらためて話した。その話はというと。
「女の子になってもね」
「それでもですね」
「幸せになってね」
「わかりました」
「いい人と結婚してね」
「子供を産むんですね」
「そうしなくてもいいけれどね」
こうも言った岡島だった。
「結婚だけが人生じゃないしね」
「女の人のですね」
「確かに赤ちゃんを産むことは女の子にしか出来ないよ」
男が子を産む話もあるそうだがほぼ有り得ないケースと言っていい、世の中は有り得ないことで満ちているにしても。優花自身も然りで。
「けれどね」
「それだけが人生じゃないですか」
「結婚、出産だげがね」
「結婚しない人もいますし」
「子供をもうけない人もね」
「人生はそれぞれですね」
「そうだよ、だからね」
それでというのだ。
「そこは選んでね」
「どうした人生がいいのかは」
「そう、君自身がね」
「女の人の人生もそれぞれですね」
「百人いれば百人の人生があって」
岡島はさらに言った。
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