英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第185話
~最果ての道・異空間1~
「すぅぅぅぅぅぅ………………ハアァァァァァッ!!」
敵―――――”碧き星核”ステル・アラクラン・ゼロと対峙したナユタはクラフト―――”麒麟功”で自分の身体能力を上昇させ
「「春風の刃よ!我が敵を斬り裂け!フルールエッジ!!」」
ノイとクレハはそれぞれ花びらの刃を尻尾についているコア部分を狙ったが、敵は尻尾を振り回して刃を打ち消した。
「!私達の季節魔法を打ち消すなんて……!」
敵の行動を見たクレハは驚き
「やっぱり以前のように、ある程度弱らせないと駄目みたいなの……!ナユタ!」
「わかってる!クレハ、君はどうする!?君は僕達みたいにギアホールドで足場に行けないし………」
ノイに呼ばれたナユタはクレハに視線を向けて尋ねた。
「私は上空から攻撃する魔法で援護するわ!私の事は心配しないで!」
「わかった、ノイ!」
「了解なの!」
「……………」
ナユタ達が攻撃方針を決めたその時、敵は尻尾の部分からレーザーを解き放った!
「クッ………!」
「強化されたって、攻撃パターンが一緒ならへっちゃらなの!」
「”ミトスの民”の力、甘く見ないで……!」
自分達を襲い掛かるレーザー光線をナユタとノイは回避し、クレハは簡易結界を展開して防いでいた。
「ノイ!敵の注意を僕達に引きつけて!」
「うん!クリスタルランス!!」
そしてナユタの指示によってノイは魔力による氷の矢を次々と放って敵に命中させた。すると敵は尻尾を二人に向けて突き刺してきた!
「ハッ!ノイ!」
「了解なの!ギアホールド!」
敵の攻撃を回避し、尻尾が地面に刺さった瞬間、ノイは尻尾にぶらさがり、ナユタはノイに掴まった。すると敵は尻尾を動かして上空の足場に二人を叩きつけようとしたが、二人は間一髪脱出して足場に着地した。
「…………………」
敵は上空の足場にいる二人を地面に叩き落とす為に連続で腕を振るって攻撃し
「クッ………前と違って連続で攻撃を仕掛けるなんて……!」
敵の攻撃をナユタは回避しながら機を窺っていた。
「だったらここは私達に任せてなの!ネメアス!力を貸して!ロードインフェルノ!!」
「夏の熱さを照らす太陽よ………星の敵を焼き尽くせ!ソル・イレイズ!!」
その時ノイとクレハによるアーツが発動し、アーツによって竜と小型の太陽が現れ、竜は灼熱の炎を吐き、、太陽は強く輝いて敵の全身を焼き尽くした!
「!?」
2つの最高位のアーツをその身に受けた敵は怯むと共に攻撃の手を止めて両腕を地面に突き刺してしまい
「―――秘技!裏疾風!ハアアアアアッ!!散蓮華!!裂空斬!!」
その瞬間、ナユタは電光石火の速さで次々と技を両腕についているコア部分に命中させた。すると敵の腕の動きが止まり
「今だ!」
ナユタは跳躍して敵の片腕に乗ってノイと共に敵の頭部分にある足場に向かった。二人の様子を見た敵は4本の腕の内、まだ無事な2本の腕を振るって2人を地面に叩き落とそうとしたが
「させないわよ!エリスレット!力を貸して!エンドオブワールド!!」
クレハが召喚した氷の女王の息吹によって2本の腕は凍結して動かなくなり、その隙にナユタとノイは足場に到着した。
「よし!行くよ、ノイ!」
「うん!」
足場に到着した二人は敵の頭部分に向かって突撃した。すると敵は額の部分から次々とレーザーを放ち
「グッ!?前より攻撃が激しいな……!」
レーザーを必死に回避していたが、身体にかすり、その際の痛みにナユタは呻いた。
「ナユタ、今守るの!ギアシールド!!」
その時ノイがナユタの前に出て絶対防壁の結界を展開してレーザーを防ぎ、ナユタはノイと共に前に進もうとしたが
「っ……!やっぱり威力も前より上がっているから、結界があまり持たないの……!」
攻撃の激しさによって結界の威力は弱まり、必死に維持していたノイは表情を歪めた。
「ノイ、無理はしないで僕の後ろに!多少の被弾は覚悟の上だよ!」
「まだ、大丈夫なの……!」
そしてナユタとノイが敵の攻撃の激しさに攻めあぐねていたその時
「冬の風よ……全てを凍てつかせ!ホワイトノヴァ!!」
クレハのアーツが発動し、敵は凍り付いたかのように動きを止め、その際に攻撃の手も止んだ!
「ありがとう、クレハ!ノイ、一気に決めるよ!」
「わかっているの!ギアバスター!フルールエッジ!クリスタルランス!キーファーボム!!」
「剣技――――カマイタチ!!燕返し!旋回斬り!流星撃!ヤァァァァァァァ………!」
敵の動きが止まるとナユタとノイは次々と頭に攻撃の手を休める事なく、連続で攻撃し続け
「アルゴール!力を貸して!ラグナドリオン!!」
クレハは上空から膨大な風と雷が宿る巨大な槍を召喚して敵に命中させて嵐を起こした。大ダメージを受けた敵は頭を足場に思い切りぶつけて足場を破壊し、ナユタは落ちて行く足場から足場へと跳躍しながらノイと共にクレハの傍に着地し、敵はひっくり返って4本足で地面に立ってナユタ達を睨んでいた。
「…………………」
4本足の状態で地面に立った敵は上空から無数の魔力弾を降り注がせ、尻尾から発したレーザーで辺り一帯を薙ぎ払った!
「っ………!」
「痛いなのっ!?」
攻撃の激しさにナユタとノイはそれぞれ必死で回避し続けていたが、全ては回避できず、それぞれ傷つき
「クッ………!」
クレハは結界を展開して必死に攻撃を防いでいた。するとその時尻尾がクレハ向けて突き刺そうとし
「危ない!」
「キャッ!?」
ナユタはクレハを突き飛ばして敵の攻撃からクレハを守った。しかし
「グッ!?」
尻尾がナユタの片腕をかすらせると共に地面に突き刺した!
「ナユタ!?私を庇ったせいで……!今、回復するわ!―――ホーリーブレス!!」
片腕から血を流しているナユタを見たクレハは血相を変えた後アーツでナユタの傷を回復し
「今だ、ノイ!行くよ!」
「うん!ギアドライブ―――――!!
クレハの治療アーツをその身に受けながらナユタは回転するノイに掴まって敵の尻尾を昇って背中に着地した。
「アルハゼン流最終奥義!我流乱舞!!ハァァァァァァァ………!」
そして背中に着地したナユタは尻尾についているコア部分に怒涛の剣撃を叩き込め始め
「フルールエッジ!バレット・ビー!ヴェノムヘイズ!クリスタルランス!ルナ・バタフライ!キーファーボム!」
ノイは短時間で発動できるアーツを怒涛に放ち始め
「………………………」
クレハはその場で集中して詠唱をしていた。そして怒涛の攻撃を2人が終えたその時、敵は尻尾を振り回してナユタとノイを地面に叩き落とした!
「っつ!?今ので終わらせたかったんだけどな……!」
地面に叩き落とされたナユタは痛みに顔を歪めながら立ち上がって敵を睨み
「っ……!?今、回復するの!暖かき春風よ……私達に祝福を!ホーリーブレス!!」
ノイは治癒アーツを発動して自分達の傷を回復した。するとその時
「星の怒りをその身に受けよ!星よ!星を穢す愚か者達に裁きを!ラスト・バニッシャー!!」
クレハは両手を天へと掲げて魔術を発動した。すると2つの惑星が現れ、惑星は互いにぶつかり合って大地を揺るがす莫大なエネルギーを発生させ、エネルギーは敵を呑み、超越した大爆発を起こした!
「す、凄い………」
「さすがクレハ様なの!」
”ミトスの民”に伝わりし秘術――――ラスト・バニッシャーを見たナユタは驚き、ノイは胸を張った。そして爆発による煙が晴れるとそこには全身ボロボロでありながらも、まだ生きている敵がナユタ達を睨んでいた!
「そ、そんな!?」
敵の様子を見たクレハは信じられない表情をし
「―――――――――――――!!」
敵はその場で吠えた後、口に莫大なエネルギーを溜め始めた!
「なっ!?まだあんな事が出来るほど余力が残っているなんて……!」
敵の口に溜まり始めている莫大なエネルギーを見たナユタは驚き
「絶対に2人を守るの!ハァァァァァァァ………!」
ノイは”神像”と化し
「星よ!私の大好きな人達を守る力を私に!ハァァァァァァァ………!」
両手に莫大なエネルギーを溜め始め
「――――――――――!!」
「雪月風花――――――――!!」
敵が莫大なエネルギー砲を解き放つと共にノイも莫大なエネルギー砲を解き放った。そして2体の巨大な”神像”が解き放つ莫大なエネルギーはぶつかり合って攻防を続けていた。
「絶対に負けないの――――――――――ッ!!」
そしてノイが叫ぶとノイが放ち続けるエネルギーはさらに威力が上がり、敵が解き放ち続けるエネルギーを相殺した!
「ハア………ハア………二人とも……今なの……!」
元の姿に戻り、息を切らせているノイはナユタとクレハに視線を向け
「うん!―――クレハ!」
「ええ!これで決めるわよ、ナユタ!」
ノイの言葉に頷いたナユタは剣を構えて敵に突撃し、クレハはその場で強く祈り始めた。
「星よ……!星を守る勇者に創世の加護を!」
クレハが神秘的な光を放って祈るとナユタの剣は巨大な光剣と化し
「ヤァァァァァァァ…………!」
ナユタは巨大な光剣と化した剣で怒涛の連続斬撃を放った後空高くへと跳躍して光剣を両手持ちにして、落下し
「「極光剣―――――――――――ッ!!」」
落下して行くナユタは巨大な光剣を敵――――ステル・アラクラン・ゼロに叩きつけ、真っ二つに叩き割った!
「―――――――――――――――!?」
そしてステル・アラクラン・ゼロは悲鳴を上げながら身体全体から連鎖する大爆発を起こし、爆発による閃光は空間全体を包み込んだ………!
ページ上へ戻る