英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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第184話
~最果ての道~
「……………………」
「まあまあまあ………!ロイドが二人もいるなんて!……ハッ!でも、未来って事はもしかして私より年上なのかしら?だったら、私ってロイドの妹なのかしら??ううっ、だとしたら私、ロイドの”お姉ちゃん”じゃなくなっちゃうじゃない…………」
未来の自分自身を見たロイドは口をパクパクさせ、セシルは嬉しそうな表情になった後ある事に気付いて考え込んだ後悲しそうな表情をし
「今はそういう事を考えている場合じゃないって、セシル姉。」
「いや~、そういう所も何年経っても相変わらずッスよ、セシルさん!」
「まさか過去に戻って早々見れるとは思いませんでしたね、セシルさんの天然を。」
「フフ、そうね。」
セシルの言葉を聞いた未来のロイドは呆れた表情で指摘し、未来のランディ達は微笑ましそうにセシルを見つめていた。
「フッ、”パパ”か。なるほど、”キーア・バニングス”の名前に込められた意味は”そういう意味”だったのか。」
その時ツァイトは静かな笑みを浮かべ
「アハハ………もう何が何やら訳のわからない状態になっていますね………」
「フフ……でも私達にとっては心強い援軍ですね。」
ノエルは苦笑し、リーシャは微笑み
「うわ~……!未来のエリィさん、今でも胸が大きいのにさらに大きくなってセラ母さん並みのスタイルの上すっごく美人になっているね♪ティオちゃんも胸が今とは比べものにならないぐらい大きいし!」
「ロイドさんは大人っぽい雰囲気をさらけ出していますし……ランディさんは渋さが出てきていますね。」
「フフ………未来の私達は一体どういう風に成長したのでしょうね?」
未来のロイド達を見たシャマーラははしゃぎ、エリナは静かな笑みを浮かべ、セティは微笑み
(おおおおおおおおおおおっ!?未来のロイド達か!面白すぎる展開になってきたぜ!!)
(アッハハハハハ!まさかここでこんな展開になるとはねえ!?)
(フフ………やっぱり兄弟だけあって、未来ではガイの面影が強く出てきているようね。)
(まさかこのような状況になるとは……!)
(………”パパ”と”ママ”か。できれば未来のティオ達に詳しい話を聞きたいものだな………!)
ギレゼルは興奮し、エルンストは陽気に笑い、ルファディエルは微笑み、メヒーシャは信じられない表情をし、ラグタスは怒気を纏って未来のロイドを睨んでいた。
「未来では更に成長して、何とかここまで成長できたわたしの努力を嘲笑うかのように何の努力もしていない癖にわたしとの差を更に突き放した人達には言われたくないですね。」
「マジですか?ただでさえ今でも年齢を詐称しているとしか思えないスタイルなのに、どこまで成長するんですか……」
呆れた表情で言った未来の自分の説明を聞いたティオはジト目でセティ達を見つめ
「それはもう、セラウィさんやリーシャさんのようなとらんじすたぐらまーに成長していますよ。………それに”わたし”も気付いていると思いますがキーアだって裏切り者ですよ。キーアだけがわたしの味方だと思っていたのに………わたしは努力して今のスタイルになったのに対して、キーアはセティさん達と同じように何の努力もせずにセシルさんクラスのスタイルになったのですよ?」
「その話、マジですか?確かにその話を聞けばそう思うのも無理ないですね。」
「アハハ………」
二人のティオにジト目で見られたキーアは苦笑した。
「アハハハハハハハッ!今気付いたけど未来のキーアが未来のロイド達の事を”パパ”や”ママ”って呼び方で呼んでいるって事は……”そういう事”だろうね♪」
「この攻略王が!マジで爆発しろ!」
「全くだぜ!しかも俺達の時代のロイドは、ハーレムを築いた挙句、まだ増やそうとしているんだぜ!?」
腹を抱えて笑った後口元をニヤニヤさせたワジの言葉に続くようにランディは悔しそうな表情で未来の自分と共に二人のロイドを睨み
「ラ、ランディ!」
(い、一体未来ではどんな状況になっているんだよ………)
慌てた表情で叫んだ未来の自分の様子を見たロイドは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせ
「へー………貴重な話が聞けたわね………」
「あ・な・た?”あの娘”以外にこれ以上増やしたらわかっているわよね?私よりも早く”2人目”を孕んだ”2番目の女性”の時のように、”また”罰を受けてもらうわよ?」
エリィは膨大な威圧を纏うと共に微笑みを浮かべロイドを見つめ、未来のエリィも同じように膨大な威圧を纏って微笑みを浮かべながら未来のロイドを見つめ
「エ、エリィ!?何でそこで俺に話を振るんだよ!?」
「う”……………」
二人のエリィにそれぞれ微笑まれたロイドは慌てて指摘し、未来のロイドは大量の冷や汗をかきながら唸り
(オイ、今さりげなく驚愕の事実が聞こえてこなかったか?)
(ええ、聞こえてきましたね。”2番目の女性”という事は恐らくリーシャさんの事でしょうね。……先程の未来のランディさんの発言を合わせると10年後ではエリィさんとリーシャさんにはそれぞれ最低二人の子供がいるのでしょうね。そして二人のお相手は間違いなく………)
未来のエリィの話を聞いたランディは目を細めてジト目のティオと共に二人のロイドを睨み
「あら……”未来のロイド”の話なのだから、当然私達の時代―――現在のロイドも関係しているに決まっているでしょう?(”2人目の女性”――――リーシャさんと”2人目の子供”を……しかも私より早く作ったですって………?後で未来の私から詳しい話を聞きたいわね………)」
「後でじっくりと話し合いましょうね?勿論、その時は貴方も一緒よ?ロ・イ・ド?」
二人のエリィはそれぞれ膨大な威圧を纏って微笑みを浮かべながらロイドを見つめた後、未来のエリィは未来のロイドに視線を向けた。
「「…………………」」
二人のエリィに微笑まれた二人のロイドは大量の冷や汗をかきながら身体を震わせ
「自業自得ですね。むしろわたし達全員が寛容な性格を持つ女性である事に感謝してほしいぐらいですね。」
「全くです。」
ロイド達の様子を見た二人のティオは呆れた様子で呟き
「後で存分に怒られやがれ、この攻略王共が!」
「ったく、一人でも厄介な存在だってのに、それが二人になるなんて……下手したら今よりも、もっととんでもない事態を起こすんじゃねーか?具体的には女関係とか!」
「ア、アハハ……確かにミントの時代のロイドさんとその周りの人達の状況を考えたら普通そう思うよね………というか本当にそうならないか、本気で心配になって来たよ~。」
ランディは悔しそうな表情でロイド達を睨み、未来のランディは疲れた表情で溜息を吐いた後悔しそうな表情になってロイド達を睨み、未来のランディの言葉を聞いた未来のミントは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた後、疲れた表情になった。
「エヘヘ……ロイドが二人になったから、シュラバも2倍だね♪」
「むしろ2倍ですめば”まだ”いい方だと思いますがね。」
「フウ……………相手が貴女だから今の状況から更に増えるかもしれない事を許しているのだからね?キーアちゃん。」
無邪気な笑顔で言ったキーアの言葉を聞いた未来のティオはジト目で呟き、未来のエリィは疲れた表情で溜息を吐き
(”相手がキーアちゃんだから”……?それに今の状況―――10年後の状況から更に”増える”ですって………?まさかロイド……………)
(”やはり”そうなるのですか………)
(こ、この弟王が~!マジでキー坊にまで手を出すのか!?)
二人の様子を見たエリィとティオはジト目で悔しそうな表情をしているランディと共に二人のロイドを睨んだ。
「アハハハハハハハハハハッ!さすがはロイドだよ!いや~、10年経ってもその性格は変わっていないようで安心したよ♪」
「むしろ更に酷くなっているのではないか?」
ロイド達の会話を聞いていたワジは腹を抱えて大声で笑った後笑顔になり、ツァイトは呆れた表情で呟き
「い、一体未来ではどういう状況になっているんでしょうね……?」
ノエルは表情を引き攣らせ
「というか未来のロイドさんがこの時代にいたら本当に不味い事にならないかな~?―――例えば”いつものように”あたし達の時代に生きている女の人達を無自覚に落とすとか。」
「シャマーラ……冗談にならない事は口にしない方がいいですよ……?」
「もし本当にそうなったら、とんでもない事になるのは間違いなしですよ……」
シャマーラが呟いた言葉を聞いたエリナは表情を引き攣らせ、セティは疲れた表情で答えた。
「ちょっ!?みんな、俺の事を何だと思っているんだよ!?」
シャマーラ達の話を聞いた未来のロイドは慌て
「まあ過去のセティさん達が怖れている事は当然の事かと。」
「そうだよなあ!?俺達の時代のお前の状況を考えたら真っ先に思いつくぞ!?」
「しかも未来のロイドさんなのですから、今の時代のロイドさんよりもパワーアップして余計に性質が悪くなっている気がするのですが……?」
「この攻略王が!!マジで天罰を受けろよっ!!」
「ティオ!?ランディ!?」
未来と現代のティオやランディの話を聞いた未来のロイドは慌て
「ロイドさん……お願いだから、この時代の女の人達を無自覚に惚れさせないでよね?」
「ミント!?君まで!?」
表情を引き攣らせながら自分を見つめて言った未来のミントの言葉を聞いてさらに慌て
「「少しは反省してよね、ロ(あ)・イ(な)・ド(た)?」」
「ハイ……………」
「う”……………(何で俺まで………)」
そして膨大な威圧を纏って微笑みを浮かべている二人のエリィに見つめられた二人のロイドは肩を落として頷いた。
「フフ、一体未来のロイドには何人のお嫁さんがいるのかしらね♪」
ロイド達の会話を聞いていたセシルは嬉しそうな表情で呟き
(アハハ……未来のロイドさん達の会話の中で驚愕の事実―――エリィさんに二人の子供がいて、”2番目の女性”って事は多分私の事だから、私とロイドさんの間に最低二人は子供がいる事をロイドさん達、気付いているのかな……?)
リーシャは苦笑しながら未来のロイド達と現代のロイド達を見比べていた。
「ええい、揃いも揃って!成長してもやはり貴様らは貴様らか!?少しは状況を考えろ、馬鹿者共が!」
ロイド達のやり取りの様子にダドリーは呆れた表情で指摘した後”碧のデミウルゴス”とヨアヒムを警戒し
「―――気を付けて!攻撃が来るよ!」
未来のミントは真剣な表情で警告した。すると”碧のデミウルゴス”とヨアヒムが同時に攻撃を仕掛け、ロイド達はそれぞれ分散して攻撃を回避した。
「ミント!さっきエステル達と共に消えた君がいるという事は………君はもしかして未来のミントか!?」
「うん!ミントが未来のロイドさん達を連れてきたんだ!これも歴史の流れ通りだよ!」
ロイドに尋ねられた未来のミントは頷いた。
「そうか………―――未来の”俺達”!細かい話は抜きにして一つだけ聞きたい!君達も手伝ってくれるのか!?」
ミントの話を聞いたロイドは未来のロイド達を見つめて真剣な表情で尋ねた。
「ああ!歴史の流れを守るとか以前にキーアの一大事だからな!」
「キーアちゃんの為に全力で協力するわ!」
「キーアの保護者として当然の事です……!」
「ヨアヒムの野郎は俺達が相手する!お前達はキー坊を解放してやってくれ!」
「――――クロスベル警察”特務支援課”、今回の戦いのみの限定になるが再始動!これより目の前の敵の撃破を開始するっ!」
そしてロイドの疑問に答えた未来のロイドはトンファー――――『フォルテシモ』を構えて号令をかけ
「フフ、懐かしいわね……!」
「ええ………10年前を思い出しますね……!アークスⅤ並びに『グリモワール』、起動……!」
「頼りにしているぜ、リーダー!」
未来のロイドの号令を聞いたそれぞれ懐かしそうな表情になった未来のエリィ達は未来のロイドが持つトンファーのように未来ではさらに技術力を高めたウィルとセティ達が強化、改造した結果比類なき威力や効果を持ち、”伝説”を超え”神器”クラスと言われてもおかしくない数々の武器――――エリィは銃―――『リンドヴルム』、ティオは魔導杖―――『ラグナロク』と7つの小型自動浮遊射撃機『グリモワール』を自分の周囲に展開し、ランディはスタンハルバード――――『エッケザックス』を構えると共にそれぞれのオーブメントを起動して光の線で繋ぎ合わせ
「――頼む、ルファ姉!ギレゼル!」
「―――お願い、メヒーシャ!」
「あの娘を救う為に貴方達の力……存分に振るって下さい、ラグタス、ラテンニール!」
「出番だぜ、エルンスト!」
ロイド達はルファディエル達を召喚した!
「みんな――――これが最後の戦いだ……!全身全霊、俺達の全てをあの碧き存在にぶつけるぞ!」
「さあ――――行くぞっ!!」
そして二人のロイドは号令をかけ
「おおっ!!」
仲間達全員は力強く答えた後未来のロイド達は”碧き魔人”ゼロ・ヨアヒムと………ロイド達は”碧き虚神”碧のデミウルゴスとの決戦を開始した!
今ここに!世界を超え……時空をも超え………多くの”絆”を結んだ”英雄”達による”軌跡”が描かれる………!
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