英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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第183話
~最果ての道・異空間5~
「俺達と因果関係が深い敵………となると思い当たるのはあの”二人”か。”どちら”が出てくる……!?」
「「………………………」」
異空間に転送され、エイドスの念話を聞いて状況を把握したセリカは周囲を警戒し、サティアとエクリアは真剣な表情で黙って周囲を見回し
「ハア………正直、どっちも勘弁してほしいわよ……」
「アイドスかラプシィア………どちらも強敵ですね……」
「う~………エクリア母様に酷い事をしたあの人とはもう会いたくないです~!」
「もし奴が来たなら、今度はわらわの手で葬ってくれる!」
マリーニャは疲れた表情で溜息を吐き、シュリは不安そうな表情をし、サリアは頬を膨らませ、レシェンテは怒りの表情で叫び
「”神殺し”であるセリカさんと因果関係が深い敵なんて……とんでもない存在が来そうね……!」
「エオリアさんの言う通り、その予想は当たっていますよ………!」
「………どちらも………凄く………強い………!」
周囲を見回しながら厳しい表情で呟いたエオリアの言葉を聞いたリタは警戒した様子で答え、ナベリウスは静かな口調で呟いた。
するとその時セリカ達の目の前の空間が歪み
「アアアアアアアアアアアアアア――――――――――――ッ!」
かつてセリカが”狭間の宮殿”で滅ぼし………”影の国”の”試練”で現れ……そして、”碧のデミウルゴス”によって強化された異形にして墜ちた女神――――”碧き慈悲神”アイドス・ゼロが現れた!
「アイドスか………!」
「―――いえ、”本物”のあの娘以上の力を感じるわ!」
「恐らく”零の至宝”の力によって強化されていると思います!」
敵を見たセリカは厳しい表情をし、サティアとエクリアはそれぞれ警告した。
「ええっ!?か、勘弁してよ、もう~………唯でさえ恐ろしいほど強いのにさらに強化されているって………」
「私達だけで勝てるのでしょうか……?」
「臆する必要はないのじゃ!わらわ達だって今までの戦いによって成長している!」
警告を聞いたマリーニャは驚いた後疲れた表情になり、シュリは不安そうな表情で呟き、レシェンテは真剣な表情で叫んだ。
「―――来い、ハイシェラ!サリア!」
「はいです~!来て下さい~、シュベルトライテ~!」
「―――力を貸して!クー!!」
「………お願い……………」
「ハハハハハハハッ!まさに決戦に相応しい相手だの!」
「まさか人の子の手によって創られた物がこのような結果を生み出すとは………まさに人の力は”無限”だな。」
「ク――――――ッ!!」
「グルルルルッ!」
そしてセリカとサリア、サティアとナベリウスはそれぞれが契約している心強き仲間達を召喚した!
「俺達は絶対に”共に生きる”!俺達の”約束”を阻むのなら例え相手がお前でも再び滅する!アイドス!」
「『二人で生きて行こう』………それが私達の永遠の”約束”!」
「クク……”地の魔神”の底力、存分に味わうがよい!」
「セリカ様達の幸せは誰にも邪魔させません!」
「ご主人様達の幸せはあたし達”使徒”が守る!」
「それが私達”使徒”の役目です!」
「サリア、ご主人様様達の為に一杯頑張るです~!」
「かつてお前と縁ある者に世話になった身として………レアの代わりに今度こそ安らかな眠りにつかせてやる、アイドス!」
「正直、あんな相手に勝てるなんて思えないけど………絶望に陥っていた私に手を差し伸べて救ってくれた神様――――セリカさんを信じないとね!」
「”聖霊”リタ!全力で参ります!」
「………わたしも………たくさん頑張って………早くお仕事に戻る……!」
「”ヴァルキリー”の裁きを受けるがいい………!」
セリカ達はそれぞれ決意の表情で武器を構えてアイドスを睨み
「行くぞ、みんな!」
「おおっ!」
セリカの号令に頷いた仲間達はセリカと共に敵――――”碧き慈悲神”アイドス・ゼロとの戦闘を開始した!
~異空間6~
「ここは一体………?」
「ここにいるのはアリサさん達だけみたいですけど……他の人達は一体どこに……」
それぞれの空間で戦闘が始まる少し前、アリサ達と共に転移して来たリィンは周囲を見回し、エリゼは不安そうな表情で呟き
「な、な、な………なんだここは!?」
「なんだ……あの巨きなものは……」
周囲を見回したマキアスは口をパクパクさせた後声を上げ、ユーシスは呆け
「私達………夢でも見てるの……?」
「ど、どうやら……夢じゃないみたいだけど……」
不安そうな表情で呟いたアリサの言葉に続くようにエリオットも不安そうな表情で呟いた。
「まさかこれも”至宝”の力なのか…………?」
「……あたし達が全員揃っている事……何か意味がありそうね………」
ヴィクターとサラは厳しい表情で周囲を見回した。
「一体俺達はどこに飛ばされたんだ……?」
ガイウスは周囲を見回して考え込み
「無数の剣、そして槍………」
「戦場………?」
ラウラとフィーは周囲の地面に刺さっている無数の剣や槍を見て考え込み
「なんでだろ……なんでこんなに……」
ミリアムは不安そうな表情で呟き
「……………(まさかここは………!)」
エマは真剣な表情で考え込んだ。するとその時、リィンとエリゼが光に包まれた!
「くっ!?」
「きゃあっ!?」
光が包まれたリィンとエリゼは目を瞑った!そして目を開けると――――
「なっ!?この制服は一体……!?」
「に、兄様……どうしてトールズ士官学院の方々が身につけている制服を着ているのですか……!?」
「エ、エリゼこそ、その制服は一体……!?」
なんとリィンはアリサ達と同じ赤い制服をを身につけ、エリゼは漆黒を基調とした清楚な学生服を身に纏っていた!
「リィンの着ている制服って”Ⅶ組”専用の制服じゃない!一体どうなっているのよ……?」
「しかもエリゼ君が身に纏っている制服は”聖アストライア女学院”の制服じゃないか!?」
リィンとエリゼの服装を見たアリサとマキアスは戸惑い
「ねえねえ、エマ~。一体何が起こっているの~??」
「わ、私に聞かれても………」
ミリアムに尋ねられたエマは戸惑いの表情でリィンを見つめた。するとその時
――――皆さん、私です!エイドス・クリスティン・ブライトです!
エイドスの声がその場にいる全員の頭に響いてきた!
「………?何これ……頭に響いて来た………?」
「ええっ!?め、女神様!?」
「一体どこにいらっしゃるのですか……!?」
エイドスの声を聞いたフィーは首を傾げ、エリオットは驚き、ガイウスは真剣な表情で周囲を見回し
「……もしかしてこの状況について何か知っているのかしら?」
「……どうか我々にも状況を教えて頂きたい、」
ある事に気付いたサラは真剣な表情で呟き、ヴィクターは周囲を見回して言った。そしてリィン達はエイドスの念話によって状況を説明された。
「お、俺達と因果関係が深い敵………?」
「もしかして兄様と私の服装が変わった事にも関係しているのでしょうか……?」
エイドスの説明が終るとリィンとエリゼは戸惑った。
「……多分、”因果”が関係しているのでしょうね。貴方達―――シュバルツァー家はメンフィルが現れなければエレボニアの貴族だったでしょうし。―――加えてリィンは”Ⅶ組”のメンバーの候補に挙がっていたしね。」
「ええっ!?」
「た、確かに……もしシュバルツァー家がエレボニア貴族のままなら、兄様や私がそれぞれエレボニアの学院に入学していた可能性はありますけど……」
そしてサラの推測を聞いたリィンは驚き、エリゼは戸惑いの表情で考え込んでいた。
「気を確かに!………来ます………!」
その時、目を閉じて集中していたエマは目を見開いて警告した。するとリィン達の目の前に巨大な”影”が現れた!
「ひっ………!?」
「何なんだ、あれは……!?」
巨大な”影”を見たエリオットは悲鳴を上げ、ガイウスは真剣な表情で声を上げ
「こんなのに私達、勝てるの……!?」
「くっ…………こっちも非常識すぎる相手だろう……!?」
「そんな………”騎神”の”最後の試し”である相手が今更出てくるなんて…………」
アリサとマキアスは不安そうな表情になり、エマは信じられない表情をし
「フン………あの碧き偽りの”神”と比べれば大した事のない相手だ!」
「今は考えるのを後にして、目の前の敵を撃破する事に集中しなさい!」
ユーシスは鼻を鳴らした後サラと共に真剣な表情で叫んだ。
「怯むな……!我らならきっとやれる!」
「勝機は必ずある!絶対に諦めるな!」
ラウラとヴィクターはそれぞれ仲間達の戦意を高める言葉を叫び
「目標確認………これより殲滅を開始する!」
「最初から全力で行っくよー、ガーちゃん!」
「―――――!」
フィーとミリアムは決意の表情で巨大な”影”―――――”碧色のチカラ”ロア・エレボニウス・ゼロを睨み
「絶対に生きて帰るぞ、エリゼ!」
「はい、兄様!」
リィンとエリゼもそれぞれ決意の表情で敵を睨みながら武器を構えた!
「―――トールズ士官学院特科クラス”Ⅶ組”担任サラ・バレスタイン以下8名………」
「並びにメンフィル帝国所属リィン・シュバルツァー以下3名……」
「「これより目の前の巨いなる存在の撃破を開始する!」」
「おおっ!!」
そしてサラとリィンの号令の元、リィン達は戦闘を開始した!
~最果ての道~
「クッ……!?一体みんなはどこに……!?」
多くの仲間達がいなくなった状況にロイドは唇を噛みしめ
「……君なら知っているんだろう?僕達に未来を教えてはいけない事は重々承知しているけど、せめてケビン達がどういう状況か教えてくれないかな?」
ワジは真剣な表情でキーアを見つめて尋ねた。
「それは―――」
尋ねられたキーアが答えようとしたその時
「――――再び空間の歪みを確認!何かが召喚されてきます!」
ティオは真剣な表情で叫んだ。すると”碧のデミウルゴス”の傍にロイド達にとって見覚えのある巨大な”魔人”が現れた!
「なっ!?あの”魔人”は……!?」
「馬鹿な!?アーネストは拘置所にいる上、”グノーシス”も服用していないはずだぞ!?」
見覚えのある”魔人”を見たノエルは信じられない表情をし、ダドリーは厳しい表情で声を上げた。
オオ……!ヨウヤク真ノ目覚メヲ遂ゲラレタノデスネ……!きーあ様………!
するとその時”魔人”からロイド達にとって聞き覚えがあり、その場にいる事自体がありえない人物の声が聞こえてきた………!
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