SAO~円卓の騎士達~
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第六話 ユニークスキル《龍爪剣》
~キリト side~
前回からおよそ二ヶ月がたち、現在の最前線は二十二層になった。
そんな時、ギルドマスターのアーサーから呼び出された。
呼び出された場所に行くと、すでにアルゴ以外全員がいた。
キリト「どうしたんだ? 全員集めて。」
アーサー「いや、俺のスキル欄にこんなのがあってな。」
アーサーのスキル欄を見ると<龍爪剣>というものがあった。
シンタロー「エクストラスキル? いや、まさかとは思うがユニークスキルか!?」
アーサー「恐らく、ユニークスキルだ。」
今、ユニークスキルを持っているのは血盟騎士団のギルドマスター、ヒースクリフだけだ。
サクマ「で? それを明かすためだけに全員集めた訳じゃ無いだろ?」
アーサー「あぁ。 どうやらこの<龍爪剣>は専用の武器があるらしいんだが、どこでどうやって手に入れるのか分からないんだ。」
サクラ「それだったらアルゴさんに聞けばいいんじゃない?」
アーサー「出来ればアイツにユニークスキルの情報を渡したくないんだよ。 すぐに記事にしたがるからな。 と言うわけで何か無いか? 噂でも良い。」
エネ「何かって言われても、」
しばらくその場が静まり返る。
ゴウ「そう言えば、十層のサブ迷宮に開かずの扉があるらしい。」
アーサー「開かずの扉?」
リン「そう。 その扉は鍵開けスキル、攻撃をしても開かない謎の扉。」
シンタロー「そういえば聞いたことがあるぞ。 それに最近分かったことがあって、近くの村の祠にある一文が書いてあったらしい。」
アーサー「何て書いてあったんだ?」
シンタロー「《我が力の一部を正しき理にて欲する者よ 我が神殿に入ると良い 我は神殿の奥にて待つ 我が名は神龍なり。》 そう書いてあったらしい。」
アーサー「確定だな。 俺のユニークスキル名は<龍爪剣>。 龍の文字が入っている。 よし、十層に行ってくる。」
キリト「俺も付いていって良いか?」
サクラ「私も。」
アーサー「おう。 もちろんだ。」
そのままアーサーと俺は転移門に向かって走り出した。
~side out~
~アーサー side~
第十層のサブ迷宮の一番奥につくと、そこには確かに扉があった。
だが、その扉の前に一人の女性プレイヤーが居た。
髪の色が明るいオレンジ色のプレイヤーだ。
???「あら、あなた達も開かずの扉を開けに来たの? でもトレジャーハンターの私でさえ開けられなかったのだから諦めた方が良いわよ。」
アーサー「試してみなきゃ分からないだろ。」
???「じゃあ、そのお手並み、見せて貰いましょうか。」
そのプレイヤーは扉の横の壁に寄り掛かってこっちを見る。
出来ればそのまま帰って欲しかったのだが。
俺が扉に手をあてると扉が光だした。
アーサー「ぬお!?」
キリト「アーサー!!」
サクラ「龍也!」
サクラ、お前、今俺のリアルの名前出したろ。
その光に包まれると俺は大きな部屋の中に居た。
周りには誰も居ない。
???「ようやく来たか。 待ちくたびれたぞ。」
後ろから男の声が聞こえて、振り向くと巨大な白い龍がいた。
名前は{The God of Dragon}
シンタローの言っていた神龍だろう。
ステータスが全く見えない。
ところどころ青いスパークが起こってたり、小さな竜巻が体の周りで起こっているのを見る限り、雷と風を操るのだろう。
神龍「ここまで来たからには祠に書いた通り、我が力の一部を与えよう。 だが、その前に我の問いに答えよ。」
アーサー「分かった。」
神龍「何故、我が力を手に入れんとする?」
アーサー「簡単だ。 強くなるため。」
神龍「ならその力は何に使わんとする?」
アーサー「何、か。 仲間を守るため。 というのが一番の目的だ。」
神龍「ほう。 貴様の事、気に入ったぞ。 約束通り、我が力の一部、<龍爪剣>を与えよう。 そして、もう一つ。 これは我からの餞別だ。」
神龍の鱗の二つが剥がれ、一つは武器に、もう一つは防具になった。
防具は白い鎧のような物だった。
ところどころ蒼が入っている。
俺はそれをとりあえずアイテムストレージに収納する。
神龍「その鎧は<龍神の鎧>。 それで貴様自信の身を守ると良い。 ではさらばだ。」
その言葉と同時に俺の体をまた光が包み、気が付くと俺は開かずの扉の前にいた。
サクラ「アーサー! 大丈夫?」
アーサー「あぁ。 ダメージも無いしな。」
???「ちょっと! どうやって扉の中にはいったのよ!」
アーサー「教えてもいいが、他の奴に教えんなよ?」
???「いいわ。 さぁ、早く教えなさい。」
アーサー「その前にお前さんも名前くらい名乗ったらどうだ?」
フィリア「私の名前はフィリアよ。 あなた達は?」
アーサー「俺はアーサーで、こっちはキリト。 んで、こっちが俺の結婚相手のサクラ。 よろしく。」
フィリア「よろしく。 ってそうじゃなくて、早く教えて。」
アーサー「分かった分かった。 この扉はユニークスキル専用武器を入手するために設置されたもの。 つまりユニークスキル持ちのプレイヤー自身が鍵になるんだ。」
フィリア「じゃあ、あなたもユニークスキル持ち?」
アーサー「その通り。 言いふらすなよ。」
フィリア「約束は守るわよ。」
アーサー「なら良い。 じゃあな。」
フィリア「あ、待って。 どうせならフレンド交換しない?」
アーサー「何で?」
フィリア「何でって、情報交換の相手は多ければ多いほど良いからよ。」
アーサー「なら情報屋とフレンド交換しろよ。」
フィリア「攻略組の生の情報も欲しいし。」
アーサー「やっぱりバレてたか」
フィリア「装備が良すぎるから。」
アーサー「仕方無いな。 フレンド交換するか。」
そして自称トレジャーハンターのフィリアとフレンド交換をし、俺達は宿に戻って、<龍爪剣>と<龍神の鎧>の効果を見てみたんだが、はっきり言おう。
チートレベルの強さだった。
現在の防具としての性能は攻略組のトップレベルである。
それはいいのだが、付いている効果がチートだった。
<龍爪剣>の効果は装備時、筋力値を三千上げ、さらに耐久値は無限というもの。
耐久値無限に関してはヒースクリフの<神聖剣>の盾がそうなので違和感はあまり無いが。
そして<龍神の鎧>は披ダメージを25%カット、さらに風属性耐性と雷属性耐性がついている。
さらに<龍爪剣>と<龍神の鎧>は同時に装備するとコンボ効果が発生する。
これらの効果をさらに15%強化するというのだ。
チート極まりない。
俺はギルドメンバーだけにこの情報を明かし、さらに<龍爪剣>のスキルレベルを上げるためだけにわざと迷宮区のモンスターハウスに一人で入ったりした。
要は、ギルドメンバー以外のプレイヤーにバレないようにレベリングを行っていた。
そしてそんな日々が続いて、およそ三週間後、第二十五層の攻略が行われた。
ボスは阿修羅みたいな手が何本もある人形モンスターで、それぞれの手に武器を持っていた。
そしてその攻略時に範囲攻撃で盾戦士が吹き飛ばされ、前衛にいたダメージディーラーが危険な状態になった。
その時、俺は考えるよりも早くメニューを操作し、<龍爪剣>と<龍神の鎧>を選択、装備しボスの攻撃を受け止めた。
<龍爪剣>の効果で筋力値が上がっていたので軽々と止めることが出来、さらに弾き返すことが出来た。
アーサー「ここからは俺の独壇場だ。」
そして俺はシステム外スキル<跳躍乱撃>を発動。
ボスに反撃の機会を与えずに着々とダメージを与える。
そして、ボスのHPが残り数撃で終わるというところで、ソードスキル〈龍爪・破〉を放つ。
<龍爪・破>は敵の真下から垂直にジャンプし、その最中ずっと敵を刃で切りダメージを与え、最後に真横に切る二連撃のソードスキルだ。
このソードスキルは相手が巨大であればあるほど、与えるダメージが大きくなるという特徴がある。
そのソードスキルでボスのHPを削りきり、二十五層の攻略を終わらせた。
一番面倒だったのはこの後だったのだが。
質問攻めで。
~side out~
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