ガンダムビルドファイターズ ~剣聖の煌めき~
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ガンプラファーストコンタクト
前書き
どうも。ガンダムブレイカー3のアップデートまだかな~、と待ち続けている心はいつも自由(フリーダム)です。今回はミヤモト ユウにとって初めてガンプラバトル。果たしてどのようなバトルをするんでしょうね。
では、本編をどうぞ!
「僕はミヤモト ユウ。よろしくね! 」
「…………モチヅキ ミサキ…………ミヤモトさん、なんで首を突っ込んできたの……? 」
「え?だってこういうのはよくないでしょ?君だって、そう思って行動したんでしょ? 」
「………そう…………一応言っとくけど、無理はしないで……」
「了解! 」
返事をすると、ミサキちゃんは何かのロボットと機械を取り出した。…………そういえば、僕なんの勝負をするのか分かってなかったような…………。
「……どうしたの……? 」
「え~と…………ごめん。なんの勝負をするのかな? 」
その言葉を聞くと、ミサキちゃんは思い切り目を見開いた。そしてワナワナと震え、僕の方へと身体を向き直った。
「ミヤモトさん…………もしかして、ガンプラバトルをしたことは……? 」
「…………ないです」
「………やっぱり…………今からでも遅くない……早くこの場から去った方がいい……」
「だ、大丈夫!やり方さえ分かればなんとかなるから! 」
「……あなた、ガンプラ持ってるの……? 」
「…………ないです」
「やっぱり去った方がいい………すいません……この人初心者だから、参加させない方向で……」
ミサキちゃんは不良組にそう言ったが、二人の内一人がそれを拒否した。
「駄目だ。一度参加したんなら、逃げるのは無しだろ。初心者が突っ込んで来たのは、嬢ちゃんの運が無かっただけだ」
「そういうこった。悪いが、バトルに参加してもらうぜ」
「…………卑劣……」
不良組の言葉に、ボソリと呟いた。しかし、それでも僕はミサキちゃんの肩に手を置いた。
「大丈夫だよ……僕を信じて」
「ミヤモトさん………」
「というわけで、おじさーん!ガンプラ(?)とこの機械を一つ貸してくださーい! 」
その言葉に、ミサキちゃんは少しズッコケた。
「お、おう!好きなのを使いな!けど、取られたりしたら弁償してもらうからな! 」
「はーい! 」
ショーケースの中に入っているロボットを、一通り見渡していく。その中でも目に止まったのが、日本刀を持った赤いロボットだった。
「おじさん!これを貸してください! 」
ショーケースの中のロボットと機械を貸してもらい、ミサキちゃんの所へと戻る。
「お待たせ! 」
「……本当に大丈夫……? 」
「大丈夫!操作方法はバトルしながら覚えるよ! 」
「…………あなたが倒されても、私が二人を倒すから気にせずやって……」
「えー!本当に大丈夫だって!頑張ろうねミサキちゃん! 」
「不安で仕方ない………」
『GUNPLA BATTLE combat mode』
『Startup』
『Model Damage level Set to C』
『Please Set Your GPベース』
『Beginning plavsky particle 』
『Dispersal』
フィールドは、市街地だ。
『Please Set Your GUNPLA』
『BATTLE START』
「モチヅキ ミサキ……ガンダムステラ……出ます」
「え~と……ミヤモト ユウ!アストレイレッドフレーム フライトユニット!行くよ!! 」
ミサキちゃんの見よう見まねで動かすと、アストレイレッドフレーム フライトユニットという名前のロボットが発進した。
「うわっ!? 」
市街地に出ると、倒れるように地面に着地をする。
「衝撃もそれなりに伝わってくるんだ………さて、ここを動かすとこう動くんだね」
慣れない手つきでなんとか立ち上がると、ミサキちゃんから通信が入ってきた。
「私が倒してくる……あなたはそこで待ってて……」
「えー!僕も戦うよ! 」
「あなたはまず操縦に慣れてからにして……」
それだけ言われ、すぐに通信が切られた。
……なんかちょっと怒ってる感じがして怖かった。
「ひとまず、まずは操作に慣れないとね! 」
ーーー--
「……いた」
しばらく前に進んでいると、相手の姿が見えてきた。
ダブルオーガンダムセブンソード/GにZZガンダム。どちらも高火力重視の機体だ。
それに対し、ガンダムステラはガンダムレギルスをベースにバックパックをスターゲイザーの物に変更し、全体的に青白いカラーリングをしている。
機動力ではZZには勝てるが、ダブルオーに関しては五分五分くらいだろう。
「少しキツいかも…………」
しかし、それでも怯まずレギルスライフルを構える。引き金を引きダブルオーガンダムセブンソード/GとZZガンダムに攻撃する。
ダブルオーガンダムセブンソード/GがZZガンダムの前へと来てGNフィールドを展開して防ぐと、ZZガンダムのミサイルが後ろから放たれてきた。
レギルスシールドから胞子状のピットを射出し、頭部バルカンとライフルと共にミサイルを撃ち落としていく。そのまま反撃でピットを放ち、GNフィールドの後ろにいるZZガンダムに向けて包囲するように攻撃する。
すると、ダブルオーガンダムセブンソード/GはGNフィールドを解き、ガンダムステラに接近しZZガンダムの逃げ道を作った。
「っ…………」
ダブルオーガンダムセブンソード/GはGNバスターソードⅡを構え、水平に切り払ってきた。回避行動を取るも間に合わず、ライフルが切断されてしまった。
一度距離を取ろうとすると、今度はZZガンダムの二連装メガ・ビームライフルの攻撃がこちらを狙ってきていた。咄嗟にシールドで受けると、ダブルオーガンダムセブンソード/Gが追い討ちをかけるように、GNバスターソードⅡをシールドに叩き込まれた。
シールドは攻撃に耐えきれず弾かれてしまい、そのまま胴体に傷が出来てしまった。
「強い……! 」
損傷は軽微であるが、確実にこっちが押されている。距離を取るため地面に尻尾のレギルスキャノンで攻撃し、粉塵を上げて目眩ましにする。
レーダーもあるためほとんど意味をなさないが、攻撃の精度は下がる。この隙に体勢を立て直し、反撃の手を打たなければならない。
「ヴァワチュール・リュミエール解放……」
スロットを動かし、『SP』コマンドを選択する。すると、青白いリングがガンダムステラを取り囲むかのように展開される。
レーダーを頼りに、リングを敵がいる方向目掛けて広範囲に次々と放つ。多少の手応えを感じたが、レーダーを見る限りではまだ二機は生き残っている。
煙幕が晴れると、ダブルオーガンダムセブンソード/GはGNフィールドを展開し、無傷でいた。それに対しZZガンダムは右腕と二連装メガ・ビームライフルが切断されていた。
「浅い……」
『あめぇな嬢ちゃん…………トランザム!! 』
ダブルオーガンダムセブンソード/Gはトランザムを発動すると、機体が深紅に染まる。GNフィールドを解除し、GNバスターソードⅡを構えて接近してきた。本来使えない筈のトランザムだが、GNドライブをダブルオーライザーから流用したのだろう。
両手からビームサーベルを発生させ、頭部バルカンとレギルスキャノンで迎え撃つ。それに対しGNバスターソードⅡからGNフィールドを発生させ、攻撃を防ぎながら接近してくる。
「っ! 」
横から警告アラートが鳴り、確認するとZZガンダムがハイパービームサーベルを構えて接近していた。
「っ…………! 」
二機からの同時攻撃を両手のビームサーベルで受けるも、耐えきれず吹き飛ばされてしまい、建物へと叩きつけられた。
『もらったあぁぁぁっ!! 』
ダブルオーガンダムセブンソード/GがGNバスターソードⅡを大きく振りかぶり、まだ建物に埋まっているガンダムステラに斬りかかってきた。
回避行動を取るにも、最低でも致命傷になる程のダメージを受けるだろう。それでも、倒されるよりはマシと判断し、ビームサーベルを構えて機体を右側にずらした。
そしてGNバスターソードⅡが降り下ろされようとした直後、ダブルオーガンダムセブンソード/Gはどこからか飛んできたシールドにより吹っ飛ばされた。
「双天流!肆の型っ!! 」
声が聞こえた方向を見ると、アストレイレッドフレーム フライトユニットが、回転しながらもの凄いで居合い斬りをし、ZZガンダムを斬り伏せていた。
「間に合ってよかった~…………大丈夫ミサキちゃん? 」
「………………」
ポカーンとした様子で、駆けつけてきたミヤモトさんを見る。ZZガンダムの攻撃を掻い潜り、一瞬にして敵機を斬り伏せた。それは、とても初心者とは思えない動きだった。
「……あれ?どうしたの?あっ!もしかして何かあったの!? 」
「……大丈夫…………あとはあの一機だけ……」
「オッケー!操作も分かったし、すぐに終わらせよう! 」
『誰が誰を終わらせるって!?舐めんじゃねぇ!! 』
ダブルオーガンダムセブンソード/GがGNバスターソードⅡを構え、アストレイレッドフレームフライトユニットに降り下ろした。
「ガーベラストレートじゃ受けたら折れる……あの大剣は回避して……! 」
「大丈夫!任せて! 」
ガーベラストレートを構え、GNバスターソードⅡを受ける。耐えきれず機体ごと斬られると思ったが、受けた瞬間にガーベラストレート共に機体ごとGNバスターソードⅡを受け流し、威力を殺していた。
そして次々と攻撃を受け流していき、大きな隙が生まれたところで、GNバスターソードⅡを持ち手から刀身にかけて切断する。
『くそっ! 』
ダブルオーガンダムセブンソード/Gは一度距離を取り、GNソードⅡブラスターを右腕に。GNソードⅡショートを左手に装備し、GNソードⅡブラスターで砲撃してきた。
ガンダムステラとアストレイレッドフレーム フライトユニットは上空へと飛んで回避し、ダブルオーガンダムセブンソード/Gに接近する。
トランザム状態とはいえ、ガンダムステラはヴァワチュール・リュミエールを解放している。ほぼ同性能を誇っているだろう。
「そこっ! 」
連続で砲撃しようとしたところを、アストレイレッドフレーム フライトユニットはビームライフルでGNソードⅡブラスターを貫く。砲撃直後だったため爆発も酷く、爆風が煙幕みたいに広がった。
「…………」
そして、ミヤモトさん。トランザム状態のダブルオーの攻撃を次々とさばき、その上反撃まで加えた。操縦が分かったからとはいえ、初心者である事には変わりない。
なのに、まるで熟練の動きで相手を圧倒する。ニュータイプとでもいうのだろうか?
「やあああぁぁぁぁぁぁっ!! 」
爆風の中へと飛び込み、ガーベラストレートで居合い斬りを放つ。剣圧により爆風が少し晴れ、ダブルオーガンダムセブンソード/Gの姿が確認出来た。
『くそっ! 』
空いた右手でGNソードⅡロングを装備し、アストレイレッドフレーム フライトユニットに斬り込む。ガーベラストレートでGNソードⅡロングを受け流す。
そしてGNソードⅡショートの突き出しが来ると思ったが、先端のアンカーをアストレイレッドフレーム フライトユニットに放つ。近距離のため、とても避けきれる距離じゃない。
しかし、不意討ちのアンカー攻撃を機体を捻って回転し、ガーベラストレートで受け流しながら回避する。そのまま相手の懐に入ると、ガーベラストレートを捨て両手にビームサーベルを構える。
「双天流!壱の型っ!! 」
ビームサーベルを斬り払い、頭部、両腕、胴体を一瞬にして斬り捨てた。
『BATTLE ENDED』
ーーー--
「やったー!勝ったよミサキちゃん!! 」
「分かったから、抱きつかないで……」
「そ、そんな馬鹿な…………」
「俺達が……」
不良組の二人が信じられないかのように呟いている。それに対し、僕をどけて不良組に向き合う。
「約束通り、ガンプラを返して……」
「ぐっ…………くそがっ! 」
苛立ってるのか、自身のガンプラをミサキちゃんに向かって投げつけてきた。
「危ないっ! 」
手を伸ばし、投げつけられたガンプラを優しく掴み取る。
「よく分からないけど、人に物を投げちゃ駄目だよ!それに、これって君にとっても大事な物なんでしょ!? 」
「うるせえ!んな勝てないガンプラなんていらねーよ!約束通り返してやるよ!おら行くぞ!」
そう言ってバトルシステムの上に箱を起き、不良組二人は去っていった。
ーーー--
「ちょっと待って! 」
「あっ?なんだよさっきの嬢ちゃんかよ!何の用なんだよ!? 」
「これ!ガンプラを返しに来たんだよ! 」
大剣を装備している青いガンプラをさっき投げつけてきた人に差し出す。
「いらねーって言ったろ!うぜぇんだよ!そんな雑魚は必要ねぇ! 」
「雑魚じゃないよ!後からミサキちゃんに聞いたけど、通常このガンプラはト……ト………え~と……あの赤くなるのってなんなの? 」
今度は不良組二人が、ミサキちゃんの時みたいにズッコケた。
「トランザムだよ!」
「そうそれっ!通常このガンプラは、トランザムが使えないのにそれを使える程作り込んでいるって!パーツを変更するだけじゃなく、なんとかドライブも同調させているって言ってたよ! 」
「だからなんだよ! 」
「つまり、君にとっても大事なものだったんでしょこれ?ミサキちゃんがあそこまで言うんだから、よほどの想いがないと出来ないと思うよ。
だから、これは君にとっても大事なものだった筈だよ! 」
「うるせえ!そんなもん単なる遊びでやってんだよ!特に大事なものと思ってねーよ! 」
「ふっ……確かにそうかもしれぬな」
後ろから声が聞こえ、振り返ると中年おじさんが腕を組んで立っていた。
「ま、まさか…………青い巨星の、ランバ・ラル大尉!? 」
「話は聞かせてもらった。少年よ。君は先ほど、ガンプラは遊びと言ったな? 」
「だ、だからなんだよ!? 」
「ガンプラは所詮遊び……そうかも知れぬ。しかし。いやだからこそ、人はガンプラにもバトルにも夢中になれる。好きだからこそ本気になれる!
店でのバトルを拝見したが、私は君の中での本気を感じた…………君の中にもまだ残っているのだろう?胸の内に秘めた本気が………」
「───っ!くそがっ! 」
僕の手から青いガンプラを取っていき、そのままもう一人の人と去っていった。
「ふぅ……ちゃんと届けられてよかった~!ありがとうございますおじさん! 」
「構わんよ。ところで、君はガンプラバトルをどれぐらいやっていたのだ?いい腕をしていた」
「いえ、僕はさっき初めてバトルをしました! 」
「!?ほう…………?成る程。天才というやつか。よければ名を教えてくれぬか? 」
「?ミヤモト ユウです!おじさんは? 」
「私はラルだ。では、機会があればまた会おう、ミヤモト君」
「はい! 」
そう言って、軽く手を振りながらラルさんは去っていった。僕も手を振って見送っていると、肩を誰かに叩かれた。
「あれ?どうしたのミサキちゃん?あの子やガンプラとかは? 」
「きちんと返した………それで、今誰と話してたの……? 」
「ラルさんっていう人と話してたよ?変わった人だったけど、あの人達にガンプラを返すのを手伝ってくれたよ」
「…………その人、多分私の知ってる人……」
「ミサキちゃんも知ってる人なんだ…………あの人ってそんなに有名なの? 」
「多分、ガンプラバトルをしていて、知らない人はほとんどいない……」
「そうなの?僕全然知らなかったよ~」
「ガンプラ事態も知らないから、仕方ないと思う……」
「そっかー。とりあえずお店に戻ろっか!これをお店に返すのも忘れてたしね! 」
ガンプラを届けるのに夢中で、お店から借りた赤いガンプラとGPベースを持ってきてしまっていた。
「分かった……」
ーーー--
「まさか貰えるとは思わなかったよ」
お店に戻り返却しようとしたが、店長さんが記念にくれると言い、そのまま受け取ることになった。
「どうしようかなこれ…………家に持ち帰っても怒られないかな……? 」
お店をあとにし、途中までミサキちゃんと一緒に帰路につく。
「別にいいと思うけど……」
「う~ん…………お父さんがちょっと厳しいけど、まあバレなければ問題ないよね! 」
「それでいいんだ……」
「その時はその時!事情を話せば分かってもらえるよ! 」
「…………そんなに厳しいの……? 」
「僕の家は道場だから、こういう物はほとんど無いんだよね。将棋とか花札とか、そういう物は多いけど」
「アニメや漫画は……? 」
「あまり見たことないよ!放送時間が稽古の時間とよく被るし、漫画は学校の友達から借りて読むしかないからね」
「……話を聞いただけでも厳しそう……」
ちょっと苦い顔をしながら言われた。
「大丈夫!ちゃんと優しいお父さんだから!……………多分」
「今多分って言わなかった……?大丈夫……? 」
「だ、大丈夫!事情を話せば分かって貰えるよ! 」
「それさっきも聞いた……」
そのまま歩いていると、分かれ道に出ると、帰り道が別という事で別れることになった。
「じゃあねミサキちゃん!また会えたらよろしくね! 」
「………………ミヤモトさん……」
手を振りながら行こうとしたが、ミサキちゃんに呼び止められた。
「ん?なに? 」
「ガンプラバトルをしてみてどう……? 」
その問いに、少し間を開けてから答えた。
「楽しかったよ! 」
「そう…………ミヤモトさん……さっきの話を聞いたあとだけど、一ついい……? 」
「?いいよ? 」
返事をしてから数秒の間を開けてから、ミサキちゃんは口を開いた。
「……あなた、ガンプラバトルを始めてみない……? 」
「へっ? 」
それは、僕にとって、これからの人生を大きく変えるキッカケとなる瞬間だった。
後書き
今回はミヤモト ユウの初のガンプラバトルでした。この頃から叫びながら攻撃する女の子なんです!そして既にかなりの腕前だったのです!
次回は、ガンプラバトルに誘われた主人公の答えは!?わざわざ書くという事は、ぶっちゃけ作者もどうするか考えていません!という訳です。orbitを書いてる合間に考えますが、更新速度は完全に不定期ですけどね…………。
10月にはorbitも再スタートするので、今後もよろしくお願いします!
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