ソードアートオンライン ー青黒剣士ー
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SAO
Episode2 謎の細剣剣士
第5話 細剣の持ち主
第8層 山岳エリア
「やああああ!」
俺は最後の一撃をした瞬間、敵MOB「サージャード」という頭はあるが、足だけあるモンスターは青いガラスのようなかけらをバン!と吹き飛ばし、爆散した。
「「Level up Congratulations」」
これは、レベルがアップしたときに頭上に現れる文字だ。
ファンファレーとともに俺は、レベルが16から17になった。
「レベルアップおめでとうシュン」
「いや~そろそろ経験値がたまりにくなってきたしな。別の場所に行くか」
「うん そうだね。フィールドボス攻略まであと3時間あるし、行こうか」
あのフェルの買い出しから2時間だたち、ようやくレベルが上がった。
現在俺のレベルは17
フェルは1つ下の16だった。
俺たちはいつも、前衛は俺、後衛はフェルだった。
パーティーを組んでいるので経験値は分配されるが、何とフェルは第1層の時は5レベル差だったが、今はもう1違いだ。
フェルは俺との差がどんどん縮まったときは、
「どうよ!たまには役に立つでしょ!」
など、俺を圧倒するような言葉を発する。
このままじゃ、いつかは追い越されてしまうかもしれない…
フェルは槍のほかに、片手剣も熟知してる。
なんか、もし一人になったとき槍じゃ不安だから、だとさ…
フィールドボス出現地点に向かってすすむと、フェルが雑談をし始めた。
「そういやさっき、アルゴちゃんとなんかあったの?」
「!?」
アルゴちゃん⁉
え、ドユコト?
「え、お前。アルゴのこと、知ってるの?」
「そりゃもちろん。第1層からの女子友だよ!」
「おっおう」
フェルはいつの間にはアルゴと友達になってたらしい。
アルゴは基本的に仕事で忙しく、なかなか雑談などできないらしいが
前代未聞だ。
「あ、いや。アルゴがなんか「少年の剣を買いたいって人がいるんだ」って言われたから、おれはNOした」
「へー。そうなんだ」
「情報とかなんかタダでもらってるの?」
絶対無理そうなことを俺は聞いてみた。だが、フェルは
「あ、そういえば。エクストラスキルの獲得場所を教えてくれたよ!」
「何!?」
通常、武器スキルは系統だった修行によって段階的に習得できる。
例えば剣なら、基本の片手直剣スキルがある程度まで成長して条件を満たすと、新たに<細剣><両手剣>などがリストに表示される。
出現条件がはっきりわかってない武器スキル、それがエクストラスキル。
また、エクストラスキルは約10種類あるみたいで、さらにエクストラスキルにはユニークスキルというのがあって、たった一人しか習得できないスキルがある。
「へー どんなエクストラスキルなの?」
エクストラスキルには興味があった。もしあったら獲得したいと思っていたほどだ。
「えーっとね、たしか<体術>スキルだったよ」
<体術スキル>鉄拳や投剣を習得できるスキル。たしかベータの時噂になっていた。
「じゃあど今度、場所教えてよ!」
投剣はやりたい!と思ったがフェルはそう簡単には言わない
「やでーす!そういうのはアルゴちゃんに行ってください!」
「えー。めんどくさいなー」
いつもの雑談のように、笑ってた。
そのとき
「「キャーーーーーーーーーーーーーー誰かーーーーーーーーーーーーー」」
耳をつんざくような悲鳴が聞こえた。
この声は女性プレイヤーの声だった。
モンスターにでも襲われたのか?
「!?」
そのときフェルは、思わぬことを言い出した。
「やばいよシュン 今悲鳴が聞こえた方向は、フィールドボスのとこだよ」
何⁉ それはやばい。
フィールドボスにやられる女性プレイヤーは見たくない。
「よし。助けに行くぞ!」
「うん」
俺とフェルは装備を軽量化し、フィールドボスへ猛ダッシュへ向かった。
第8層 山岳の中腹
2分くらいで猛ダッシュした先にはフィールドボス<メカトロ・ザ・コボルター>が、電気をまき散らしながら、誰かと戦っている。
「あれだよシュン。女の子がモンスターにいじめられてる」
ボスの先には、細剣を持った一人に少女がボロボロになりながら戦っていた。
HPバーは…
「やばいぞフェル!あの子、HPバーがレットゾーンに入り込んでる!」
HPバーは満タンの時はグリーン、半減した時にはイエロー、3分の1になったときはレッドに色が変わる。
彼女はもうレッドゾーンで、あと3激くらい食らったら死んでしまう。
すると女の子は
「あ、そこのプレイヤーさん 助けて!キャーーー!」
俺はもう我慢できず、エレメンタルブレードを抜き、叫びながら突進した。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「シュン!」
フェルの声は俺の耳には聞こえず、ただ突進をつづけた。
「うぉぉぉ!」
俺は全身の力を籠め、短剣ソードスキル「ファッドエッジ」を繰り出した。
HIT数は4、素早く切り付ける攻撃で、横→横→横→縦の4連撃スキル。
「グララァァ!」
どうやら攻撃は効いた・・・
が・・・
「しまった!」
敵はものすごい勢いで俺に振り向き、俺にパンチを食らおうとした。
さらに、今ソードスキルが終わったところ。体は硬直して動けない。
「グリャララア!」
ボスは右手に巨大な威圧感のある光を貯め、俺に殴りつける。
「ぐはっ!」
ズザザザザザザザザーーーー
俺は硬直状態は終わったものの、すでに遅かった。
「シュン‼」
空中で一直線に向かって吹きとばされ、10メートル吹っ飛んだ。
「だ、ダイジョブ?シュン!」
フェルが駆け寄ってきた。
手には回復ポーションを持っている。
「フェル、だめだ。今の状態だとこいつに勝てない。」
俺は左上を見た。
何とかHPバーはイエローゾーンまではいかなかったが、ぎりぎりだった。
「よし、今度は私が」
「だめだ!退却しろ!とにかくあの子を助けるんだ!」
フェルのレベルでも、あのボスには勝てやしない。
「わかった。とりあえず回復ポーションは置いとくね」
「おk。とりあえず、この前やったあれをやるぞ。」
「あれって・・・あ、OK」
フェルはわかっらしく、クランチングスタートのポーズをする。
「行くぞ!3...2...1...」
「行け!」
と同時に俺は腰にあるアイテムバックから、煙幕結晶を取り出し、
「Smokescreen open!]
と叫び、その結晶から煙幕が発生する。
フェルは煙幕が出た瞬間、女の子のもとへダッシュする。
「君、ダイジョブ?」
フェルは心配なため、声を聴いてみた。
「あ、はい。ダイジョブです。助けてくれてありがとうございます。」
彼女は無事だった。
「とりあえず、私についてきて。走って!」
そう言ってフェルは、彼女の手をつなぎ、元来た道を戻っていった。
「シュンー!こっちはおkだよー」
そのとき、彼女は叫んだ
「あぁ、私の、私のレイピアが…」
彼女がさした方向には、光輝くレイピアが、ボスの足元に刺さってた。
だがしかし、あのレイピアは、もうボロボロだ…
「戻るな‼︎このままじゃ君が死ぬ!とりあえずあの洞窟まで向かえ!」
「あぁ、あああ!」
煙幕が消えたときにはもう、あのレイピアの姿とボスの姿はなく、あの場所にはもう跡形もなく、消えていた…
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