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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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115部分:第十四話 死者の顔その二


第十四話 死者の顔その二

「実にな」
「面白いというのか」
「そうだ」
 その笑みでまた答えてみせる。
「戦いがいがある。違うか」
「そうだな。ジークの言う通りだ」
 彼の言葉に賛成してきたのはドーマであった。
「我等狂闘士にとっては強い相手と戦うことこそが本望なのだからな」
「ふん、ドーマよ相変わらずだな貴様は」
「何っ!?」
 ドーマは今の言葉に顔を顰めさせてきた。
「何が言いたい、貴様」
「今言ったまでのことよ」
 彼に言ったのはレダだった。嘲笑うような笑みをドーマに対して向けている。
「貴様の闘い方は狂闘士のそれではない」
「この俺を愚弄するのか」
「愚弄!?残念だがそれは違う」
 せせら笑いつつそれは否定してみせた。
「何故ならな」
「むっ!?」
「私が言っているのは本当のことだからだ」
 堂々とドーマを馬鹿にしてみせたのであった。
「本当のことだからな。貴様のそれは狂闘士のそれではないのだ」
「それは一体どういう意味だ」
 レダのからかいに対して真剣に返すドーマだった。
「レダよ、からかうのも大概にしておけよ」
「からかいか」
「違うのか?」
「では聞こう」
 その笑みのままドーマに対して問う。
「ドーマよ、貴様は戦いを何だと心得ているのか」
「それは決まっている」
 ドーマの言葉は何を言っているのか、と言わんばかりのものだった。
「相手を倒しその勝利をアーレス様に捧げるものだ。違うのか?」
「それが違うというのだ」
 相変わらず相手を馬鹿にしたようなレダの笑みであった。
「それがな」
「ではどう違うのだ」
「確かにアーレス様に捧げはする」
「その通りではないか」
「捧げるものが違うのだ」
 レダが言うのはこうだった。
「捧げるものがな。我等が捧げるべきものは」
「何だ?」
「血だ」
 笑みが不敵なものになっていた。
「血こそだ。血こそアーレス様に捧げるものに相応しいのだ」
「勝利ではないのだな」
「勝利は最早当然のものだ」
 今度は平気な笑みになっている。やはりその目の光はドーマを馬鹿にしたようなものであった。
「それだけではないというのだよ」
「血をか」
「より多くの血を捧げる」
 レダはまた血という言葉を出してきた。
「この我等の戦衣と同じ色の血をな」
「確かにな」
 レダの今の言葉に賛同してきたのは八大公のリーダー格であるリーヴェだった。彼は冷静な様子でレダとドーマを同時に見つつ答えたのである。
「その通りだ。我等の戦いは血塗られたもの」
「流石にわかっているようだな、リーヴェは」
「そのつもりだ。そしてだ」
「そして?」
「ジーク」
 今度はジークに顔を向けるリーヴェだった。
「この度の戦いでは」
「わかっている」
 応えるジークの目が鋭くなる。そのうえで言うのだった。
「必ず。聖闘士達の血をアーレス様に捧げようぞ」
「是非な。もっとも」
 しかしここでリーヴェは少し考える顔を見せた。
「今はそこまでしなくともよいな」
「はい、そうです」
 今述べたのはサリアであった。
「今は。戦えばそれでいいのですから」
「そうだったな、今はな」
 ミシェイルがサリアの言葉に頷く。
「それだけでよかったな。むしろだ」
「アーレス様がお目覚めになられるその時だ」
 今度言ったのはリゲルだった。
 
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