サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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ガタガタッ(トラック走行)
ヒカリ:「っていうか、セキチクにまだ
着かないのかしらっ」
サトシ:「こんな空間じゃ、
時間も距離感もわかんなくなるよなっ。
無事に着けばいいけど、、、」
ヒカリ:「カツラさんの運転を信じましょ!
それに、ヒロシ君だっているし、
大丈夫だいじょうぶ♪」
サトシ:「、、、ヒカリもさっ、、」
ヒカリ:「んっ?」
サトシ:「ヒカリも、変わんないよなっ」
ヒカリ:「えっ?、、、そうかな?」
サトシ:「再会してヒカリの顔を見た時は
懐かしいって思ったけど、、、」
ヒカリ:「、、、うんっ」
サトシ:「、、でも、不思議なんだよなっ!
カラオケルームでヒカリが俺に
”大丈夫”って言ってくれた時、その言葉だけは
あまり懐かしく感じなかったんだっ」
ヒカリ:「そうなの?、、まぁ、
あたしの口癖みたいなものだったからねっ♪
今もだけどっ♪」
サトシ:「今思えば、、なんかこの15年、
いつもその言葉を聞いてたような気がしたっ」
ヒカリ:「えっ、、、」
ヒカリは、急にサトシが
普段言わないような事を
言い出したので少し戸惑った。
サトシ:「多分、、いや、きっとこの15年間、
心のどこかで感じていたんだっ、、ヒカリの事」
ヒカリ:「!」(ドキッ)
サトシ:「だから俺は、、」
ヒカリ:「ちょっ、ちょっとサトシっ!
、、、急にとうしたのよっっ!」
サトシ:「え?」
ヒカリ:「”え?”じゃなくてっ!
、、急にどうしたの?」
サトシ:「いや、、だってほらっ。
ヒカリに写真を見せれなかったからさー、、
せめて俺が思ってた事を伝えようかなーって」
ヒカリ:「いっ、いいわよ別に!
サトシの過去の話ならともかく、
あたしの話しなんてっっ、、、」
サトシ:「だって、俺の過去は
この前公園で話したし、、、。
伝えなくて良かったか?」
ヒカリ:「そうじゃなくて、、、もう!
、、サトシは急すぎるのよっ!」///
サトシ:「な、なんだよっ、
そんな怒らなくてもいいだろっ?」
ヒカリ:「怒ってまーせーんー!!」
サトシ:「だって、、、顔が
オクタンみたいになってるじゃないか!」
ヒカリ:「オクタン言うな!!」
ビシビシビシッ!!
サトシ:「いてっいてっっ!」
サトシとヒカリが攻防していると、、、
ガタッ!!(トラック)
ヒカリ:「きゃっ!!」
サトシ:「うわっ!!」
急に、トラックが衝撃を受けた。
そして、、、
ドサッ
ヒカリ:「!」
サトシ:「!」
2人はバランスを崩し、
サトシがヒカリを受け止める体勢になった。
サトシ:「、、、」
ヒカリ:「、、、」
急な出来事に驚いた2人は、体勢を戻さず
互いに顔を合わせたまま固まってしまった。
サトシ(、、あれっ、、、
俺、なんでこのままなんだろうっ、、)
ヒカリ(どうしよっ、、
動けなくなっちゃった、、、)
すると、、、
ガチャッ(コンテナのドア)
サトシ:「!」
ヒカリ:「!」
ヒロシ:「2人とも!だいじょう、、!?」
カツラ:「すまんっ、
縁石に乗り上げてしまったわい、、、む!」
サトシとヒカリは、倒れた体勢のまま
ヒロシ達に見つかった。
サトシ:「あっ、、」
ヒロシ:「ごめん!」
パタンッ(片方のドア)
ヒカリ:「ち、違うの!これは、、」
カツラ:「次からはもっと
内輪差に注意するわいっ」
パタンッ(もう片方のドア)
ヒロシとカツラはコンテナのドアを閉めた。
サトシ:「、、、ご、ごめんっ」
ヒカリ:「う、ううんっ、、
あたしの方こそ、、、」
2人はしばらく気まずい雰囲気が続き、
やがてトラックは
セキチクシティの目的地に着いた。
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