英雄伝説～光と闇の軌跡～（碧篇）

～バリアハート・中央広場～



「――――フレインバル！！」

「ギャアアアアッ！？」

「熱い、熱い……！」

リウイの炎を纏った魔法剣を受けた兵士達は次々と焼け死に

「う、撃て―――――ッ！」

それを見た兵士達は一斉にリウイに向かって銃撃したが

「嵐よ！全てを吹き飛ばせ！ウィンディング！！」

リウイは暴風を纏った魔法剣で銃弾を吹き飛ばし

「なあっ！？」

「じゅ、銃弾を吹き飛ばす……だと！？」

「ク、クソ……！せめて戦車や機甲兵が使えれば……！」

「ルーファス様の命令には従うしかないだろう！？」

リウイによって防がれた銃弾を見た兵士達が混乱したその時リウイが兵士達に強襲し

「雑魚は散れっ！メーテアルザ！！」

「ギャアアアアアアアアアア――――――ッ！？」

大地の力が宿った魔法剣を振るって、兵士達の身体に大きな風穴を開けて絶命させ

「――――都市内に戦車や機甲兵を配置しなかったのはまさか民に被害を出さない為か……？内戦に加担せねば、貴族として民達に慕われていただろうに…………馬鹿な男だ。」

兵士達を絶命させはリウイは兵士達が死に際に呟いた言葉を考え込んだ後静かな口調で呟き

「ご主人様…………どうかされましたか……？」

「――――いや、何でもない。行くぞ、マーリオン。」

「はい…………！」

マーリオンに話しかけられて気を取り直した後戦闘を再開した。

「ハアッ！！」

「グアッ！？」

空から強襲して来たファーミシルスの連接剣によって兵士の一人は斬り捨てられ

「そ、”空の覇者”…………！」

「撃ち落せ――――ッ！」

それを見た兵士達は恐怖の表情をした後次々と銃弾を放ったが

「甘いっ！！」

「なあっ！？」

ファーミシルスはクラフト――――剣舞で自分に襲い掛かって来た銃弾を全て斬り落とし

「連接剣のお味はいかがっ！？」

「ガアッ！？」

「グアッ！？」

さらに連接剣の刃を伸ばして薙ぎ払って多くの兵士達の命を奪った！

「我が名はファーミシルス！誇り高き”飛天魔族(ラウマカール)”なり！私の首が欲しければかかってきなさい！」

「お、おのれ―――――ッ！」

「殺せ――――ッ！」

そしてその場で高々と名乗り上げて周囲の兵士達の注意を自分に惹きつけ

「その程度で我を討ち取れると思っていたのか、雑魚共が！」

「ギャアッ！？」

「ががっ！？」

自分に攻撃する兵士達を次々と斬り殺して行った！

「フフ……それっ！！」

「グアッ！？」

「ギャッ！？」

レンのクラフト――――カラミティスロウを受けた兵士達は次々と真っ二つになって絶命した！

「こ、子供だと！？」

「構うものか！敵は全て殺せっ！」

「突撃――――ッ！」

レンを見た兵士達は混乱した後銃剣でレンに向かって突撃したが

「クスクス♪見た目に惑わされるなんておバカさん…………ねえっ！！」

「グアアアアアアアッ！？」

「ガアアアアアアアッ！？」

突撃した瞬間、レンのクラフト――――旋風大魔刃を受けて全身が斬り裂かれて大量の血を噴出させて絶命した！

「ヒッ！？」

「な、何なんだ、あの子供は……！」

レンによって次々と殺されて行く仲間を見た兵士達は悲鳴を上げたり混乱し

「大鎌を操る子供………………まさか！”殲滅天使”かっ！？」

「なあっ！？」

「よ、よりにもよってメンフィル帝国の将の中でも一番残虐な性格をしている将か……！」

ある事に気付いて声を上げた兵士の隊長の言葉を聞いた兵士達は驚いたり表情を青褪めさせ

「怯むなっ！ここで何としてでも仕留めろっ！でなければバリアハートは滅茶苦茶になるぞっ！！」

「ハッ！！」

隊長の言葉に奮起した。しかし

「クスクス♪もう、遅いわよ♪」

なんとレンがいつの間にか背後に無数のさまざまな属性の武器を召喚し

「え―――――」

「た、退避―――――ッ！！」

それを見た兵士達は呆けたり慌てて逃げようとしたが

「さあ、お茶会の始まりよっ！虹の門(ゲートオブレインボー)！！」

「グワアアアアアアアアアアアアアア――――――――――――ッ！？」

「ギャアアアアアアアアアア――――――ッ！？」

レンが放った無数の魔力でできた属性武器に貫かれて次々と絶命させ

「ウフフ……これでフィナーレよっ！！」

レンが指を鳴らすと兵士達の死体を中心に純粋属性の爆発が起きて、兵士達の死体を木端微塵にした！

「クスクス、今で”殲滅天使”なのだから成長したら”殲滅女神”って呼ばれるようになるのかしら♪」

そしてレンは残虐な笑みを浮かべて呟いた後周囲で戦っているクロスベル、メンフィルの連合の兵士達と共に戦闘を再開した。



～駅前通り～



「敵、制圧しますっ！！」

「ガガッ！？」

「うあっ！？」

周囲の連合の兵士達が領邦軍の兵士達と戦っている中、アルはクラフト――――フェア・バティスによるサブマシンガンによる怒涛の銃撃で兵士達を怯ませ

「雷よ！我が刃となれっ！ハァァァァァァ…………！！」

「ギャアアアアアアアアアア――――――ッ！？」

「グアアアアアアアッ！？」

そこに剣に雷を宿したラクリールが次々と強襲して、怯んだ兵士達を斬り捨てた！

「何をしてる！波状攻撃で一気に仕留めろ――――ッ！」

「イエス。サー！」

それを見た隊長は指揮をとって、怒涛の銃撃を2人に放ったが、”アシュラクナーナ”の軍団が二人の前に出て盾となって、銃撃を防いだ！

「なっ！？」

「に、人形兵器だとっ！？」

自分達の前に立ちはだかったアシュラクナーナを見た兵士達が混乱したその時、アシュラクナーナの軍団は一斉射撃を放った！

「グアアアアアアアアアッ！？」

「ウアアアアアアアッ！？」

一斉射撃により、全身蜂の巣にされた兵士達は絶命して次々と地面に倒れた！しかしその時、別の方向から銃撃が次々と放たれ、アシュラクナーナの一体が破壊された！そして銃撃が放たれた方向にアルとラクリールが視線を向けるとそこには鉄道の駅の入口付近に可憐な容姿を持ちながら、軍服と言う不釣り合いな服装を身につけている女性とその後ろには領邦軍とはまた別の軍服を着た軍人たちがいた。

「鉄道憲兵隊突撃開始ッ！まずは周辺の敵を掃討後、この混乱に乗じて屋敷で軟禁されているアルフィン皇女とセドリック殿下を助けます！」

「イエス、マムッ！」

女性の指示に軍人――――”革命派”に従う”鉄道憲兵隊”の兵士達は答えた後戦闘を開始し

「……あの女性は確か…………”鉄血の子供達(アイアンブリード)”の一人―――――”氷の乙女(アイスメイデン)”クレア・リーヴェルト！」

女性――――クレアを見たアルは驚き

「あの女………………」

ラクリールは厳しい表情で戦闘をしているクレアを睨み

「アル。奴を捕縛するぞ。援護を頼む。」

アルに視線を向けて言った。

「え？？討伐じゃなくて捕縛ですか？？一体何故……」

ラクリールの言葉を聞いたアルは不思議そうな表情で尋ねた。

「…………あの女を見た瞬間、わかった…………あの女は私と”同類”だ。仕える者に依存しないと生きていけないという最低の屑だ。かつてあの女と同じ立場だった身として救ってやりたい。」

「なるほど、なるほど…………同類への”憐れみ”ですか。」

ラクリールの話を聞いたアルは納得した様子で頷いた。

「それにヴァイス様ならそちらの方が喜ばれるだろう？」

「確かにそうですね……ヴァイスなら有能な者なら出身は問わずに喜々として配下に加えようとしますし、女性なら間違いなく機会あれば抱こうとするでしょうしね。」

そして口元に笑みを浮かべて言ったラクリールの話を聞いたアルは苦笑しながら頷き

「―――あの女に従う雑魚の殲滅は任せたぞ！」

「了解しました！その代わり”氷の乙女”の捕縛は貴女に任せます！」

クレア達に向かって突撃し

「海星斬り！！」

「北斗斬り ！！」

「グアッ！？」

「ガッ！？」

鉄道憲兵隊の兵士達を次々と斬り殺した！

「なっ！？」

「一体何者だ……！？」

その事に気付いた鉄道憲兵隊の兵士達は驚き

「――――！！貴女は！”六銃士”の”蒼銀の魔剣姫”――――アル・ノウゲートッ！！」

クレアは目を見開いた後、アルを睨んで叫んだ！

「随分と恨まれているようだな？」

クレアの様子を見たラクリールはアルに視線を向け

「まあ、恨まれて当然ですね。何せ私は彼女達の主を陥れた仲間の一人なのですから。」

アルは冷静な様子でクレアを見つめながら答えた。

「黙りなさいっ！貴女達の策略で閣下がどれほどの苦境に立たされた事か……！そして何もできない自分にどれだけ腹が立った事か…………！」

「オズボーン宰相閣下を嵌めた下手人め…………！」

「殺してやる……！」

クレアや鉄道憲兵隊の兵士達は殺気を纏わせてアルを睨み

「作戦変更！まずは”蒼銀の魔剣姫”を討伐しますっ！」

「イエス、マム！」

ラクリール達に向かって突撃した！

「フッ、返り討ちにしてやろう！行くぞ、アル！」

突撃して来る鉄道憲兵隊を見たラクリールは不敵な笑みを浮かべた後アルに呼びかけ

「ええ！アシュラクナーナ！援護をお願いします！」

「――――――！！」

呼びかけられたアルは頷いた後、ラクリールやアシュラクナーナの軍団と共に戦闘を再開した！



～貴族街～



「グアッ！？き、貴様……ら…………この私を誰だ……と…………」

貴族街では指揮を取っていた貴族が連合の兵士達や”アシュラクナーナ”の軍団の一斉射撃によって周りの兵士達と共に討ち取られて絶命し

「閣下――――ッ！」

「ウワアアアアアアアアアアアアッ！？」

その事に気付いた領邦軍の兵士達は混乱し

「隙だらけですっ！！」

「グアッ！？」

「ガッ！？」

兵士達の様子を見たリセルはクラフト――――連砲撃で兵士達を次々と爆散させて殺害し

「邪魔だっ！雑魚はそこを退けっ！」

「ガッ！？」

「グ……ア…………！？」

ヴァイスは兵士達を次々と斬り殺し、また周囲の連合の兵士達やアシュラクナーナも領邦軍の兵士達を次々と殺害した！

「ヴァイス様！貴族街の防衛部隊の殲滅、完了しました！」

リセルは周囲の様子を見回した後、ヴァイスに視線を向けて言い

「よし！このまま屋敷に突入、敵将ルーファス・アルバレアを討ち取る！全軍、奮起せよっ！ただし、非戦闘員には決して手を出すなっ！！」

リセルの言葉を聞いたヴァイスは頷いた後号令をかけ

「オォォォオオオオオオオオオオオオォォォオ―――――――――ッ！！」

ヴァイスの号令に連合の兵士達は雄たけびを上げた後、ヴァイスやリセルと共にアルバレア公爵家の屋敷に突入した………………！