Blue Rose
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第二十一話 海と坂道の中でその八
「餃子と炒飯も」
「そう、炒飯が美味しいとね」
「いいお店っていいますね」
「それはよく言うね」
「そうですよね、中華料理では」
「炒飯が基本でね」
「その基本が出来ていたらですね」
優花もこのことは聞いて知っている。
「美味しいですね」
「実際にそうみたいだね」
「炒飯がまずいと」
「他のお料理がよくてもね」
「駄目とも言われてますね」
「そこまで大事だけれど」
炒飯はというのだ。
「ここのお店はこの通りだよ」
「炒飯も美味しいですね」
「この通りね」
「いいですよね、このことも」
「全くだよ、ただ」
岡島は餃子をおかずに炒飯も食べながら優花に話した。
「まだ食べるからね」
「カステラですね」
「残さず食べることは基本だけれど」
「カステラの分はですね」
「考えておいてね」
「わかりました」
「残さず食べるけれど」
それでもというのだ。
「その分もね」
「頭に入れて」
「食べようね」
「残さず食べることはですよね」
「うん、その時の体調にもよるけれど」
「食べものは残したら駄目ですよね」
優花もちゃんぽんの麺をすすりつつ言う。
「僕そう考えています」
「僕もだよ、やっぱりね」
「食べものは大切ですから」
「残したらいけないよ」
「勿体無いですよね」
「そう、そう思うことがね」
まさにというのだ。
「大事だよ」
「その通りですよね」
「本当にね、じゃあね」
「このお店でもカステラも」
「どれも残さずに食べよね」
「はい」
笑顔で微笑んでだ、そしてだった。
優花も岡島もちゃんぽん等を残さず食べた、味もよかったので量があったがそれでも残さず食べることが出来たのだ。
その食事の後でだ、優花は岡島に言った。
「じゃあ後は」
「このお店を出てね」
「そして、ですよね」
「次のお店に行こうね」
「わかりました」
「ここから少し歩くよ」
距離があるというのだ。
「けれどね」
「それでもですね」
「それがかえっていいかな」
「歩くからですね」
「それもカロリーの消費だからね」
それでというのだ。
「いいんだよ」
「そうですよね」
「じゃあ歩いてね」
「はい、行きましょう」
「今からね」
席を立ち勘定を払ってだった、二人でその店に向かった。中華街は長崎の独特の南蛮の趣もっと言えば西洋の色が入った雰囲気と微妙に混ざり合い日本の他の中華街とはまた違う絶妙の雰囲気になっている。
その中華街からだ、優花は岡島にその喫茶店に案内された。そこはイギリス風の赤煉瓦の外観の店だった。
中はダークブラウンの木造だ、その店の中に入り。
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