ソードアートオンライン VIRUS
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キリトのデュエルと違和感
前書き
ようやく名前のない怪物がきたー!!めッちゃいい曲!
ヒースクリフと話した後日、先日開通になった七十五層の《コリニア》と言う街に来ていた。理由は、二つ。下見が目的だったが、昨日キリトがメールでヒースクリフと勝負すると送ってきたのでどのようになるかを見るのと、ユキと一緒に街巡りだ。
「うわー!すごい人だね」
「二日前に開放されたんだ。それに今日はイベントがあるから仕方ないだろ」
「確かにね。もしかしたら、明日も同じかもよ?今度はゲツガ君なんだから」
「そうだな」
そう言って、コロッセウムの前で火噴きコーンと黒エールを買う。入り口に入ろうとするとキリトとアスナがいた。
「よう、キリト。今日は頑張れよ」
「ファイトだよキリト君!」
「お前等なあ、人事だと思って……」
「人事だし……と言いたいトコだが、俺も明日、ヒースクリフと勝負することになってるからな」
「そうなの!?」
アスナはそれを聞いて驚く。
「ゲツガ君が昨日、団長が言ったの受けちゃったの。でも、勝っても負けても一緒にいられる約束してくれたからいいの」
「そうなんだ……私も積極的なほうがいいかな……」
最後のほうは小さく言っていたがちゃんと聞き取った。
「まあ、頑張れ。じゃあ、俺らは席から観戦しとくから」
そして、コロッセウムの中に入っていった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
入って前のほうの席を取る。すぐ横には見知った顔の面子がいた。
「よう、ゲツガ。お前も来たのか。ユキさんと一緒に……っていうことは結婚したか?」
「はい!」
クラインの質問にユキがそう答えると奥の席に座っていたエギルが驚きの声を上げて言う。
「結婚!?お前……結婚したのか!?」
「ああ、二日前にな」
そう言って、指輪の付いている左手を見せる。エギルはそれを見ると口元を綻ばせておめでとうと言った。そして、エギルとクラインと他愛もない会話しているとようやく今回の主役が登場する。
「ようやくご登場か」
「そうだね」
二刀流のキリトと神聖剣のヒースクリフが出ている。しばらくすると、キリトとヒースクリフのデュエルが始まった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
最初のほうはキリトとヒースクリフはいい勝負をしていたが、一分を過ぎた後からはキリトが二刀流の攻撃が加速していった。そして、スキルで攻撃するキリトの攻撃ヒースクリフはを弾くが重い連続攻撃により、盾が跳ね上げられる。そこにキリトの決定的な一撃が振り下ろされる。これは決まったな、そう思ったがヒースクリフの弾かれた盾が一瞬でキリトの剣を受け止める位置に移動していた。そしてキリトの剣を弾いて逆にキリトに攻撃を与え、ヒースクリフの勝利に終わった。
「……なんだ……今の?」
「どうしたの?ゲツガ君」
どうやらユキには何にも起こってないように見えたようだ。なんでもないと答え、エギルやクラインの会話を聞く。
「惜しかったな。後もう少しだったのによお」
「確かにな。あの攻撃さえ弾かれなければなあ……」
エギルもクラインもさっきのには気付いていないらしい。俺は勝ったはずのヒースクリフを見る。闘技場の出入り口から出て行くヒースクリフの表情はどこか、焦っているような感じの表情を浮かべていた。しかし、俺にはネットの出来事はまったくわからない。なので、こういうことはキリトの任せることにする。
「ねえ、ゲツガ君……この後、いろいろなところによってもいいかな?」
「ああ、いいぞ。どうせこの後はやることないし」
今は考えるのをやめて、ユキのお願いを聞く。席を立ち上がって、街にデートをすることにした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
露天やNPCショップなどを回って買い物をしていると、ユキにナンパが来た。
「ユキさんじゃないですか!?今日も可愛いですね。どうです?こんな男とじゃなくて俺と一緒にデートしませんか?」
「いや、こんな奴らより僕と一緒に!」
「いや、俺と!!」
「ええっと……ごめんなさい。私、この人と一緒にいたいので……」
ユキがそう言うと自分に対して、ガンを飛ばしてくる。そして一番最初にナンパしてきた男が言う。
「おい、ユキさんと一緒にいるお前は何モンだよ。こちとら前から誘ってんだ。後から来て何取ってんだよ。……もしかして、お前!!ユキさんを無理やり!?」
「いや、違うから。お前どういう思考回路してるんだよ」
「テメェー!俺の女神に何してんだ、あぁ!」
「って、人の話聞いてねえし、何だよこいつ。ユキを俺の女神って……ファンクラブの野郎か?何がお前の女神だよ……ユキは物凄く迷惑そうにしてんじゃねえか。それにユキはお前のモンじゃねえだろ」
「ウルセー、テメェの物でもないだろ!テメェー、さっきからユキさんを無理やり連れ回してるくせに、嫌がってんのがわかんねえのか!ユキさん、今助けますからね!」
そう言ってデュエル申請をしてきた。仕方ない、こういう奴にはきつい仕置きが必要だろう。申請を受託して、武器を出す。するとユキが言ってくる。
「ゲツガ君、頑張ってね」
「ああ、こんな奴に負けるほど俺は弱くないからな」
そう言って相手のほうを向き武器を構える。相手もそれを見ると、武器の両手斧を構える。
「ユキさん!見といてください!俺がこいつをボコボコにするところを!!」
勇ましい声を上げる。その声で外野も乗って罵倒が飛び交う。
「やれー!我ら、ユキ様ファンクラブは貴様を応援してるぞ!斧使い!」
「ホワイトバレット!!あんな奴、瞬殺してやれ!」
六十秒間でコロッセウムから出てきた観客も新しいデュエルを見つけて見物に来る。そして、ようやくタイマーがゼロになって試合が始まった。
「セイヤァァァァァァァ!!」
飛び出したのは斧使い。俺に向けて、両手斧を振り下ろしてくる。それを軽くかわして、距離を取る。
「避けてんじゃねえ!腰抜け!!」
「いや、受けたらお前がぶっ飛ばされるし」
「いちいちウルセーんだよ!!」
もう一度突っ込んでくる。今度は避けずに、両手剣で受け止める。ガキーンと火花を散らすが両手剣は構えた場所からピクリとも動かなかった。
「うおおおおお!!」
両手斧使いはさらに力を加えてくるようだが、筋力値は自分のほうがまだ高いため動かない。
「どうした?それが全力か?」
「ウルセー!調子こいてんじゃねえ!」
そう叫びさらに力を入れたように見えるが、まったく両手剣は動かない。
「じゃあ、そろそろ吹っ飛ばすか」
そう言って、両手剣を傾けて、両手斧を流す。斧使いはいきなりのことで体制を崩す。素早く相手の腕を掴み、空に向かって投げ飛ばす。
「うらぁぁぁ!!」
「ぎゃああああ!!」
叫びながら飛んでいく両手斧使いを見送る。そして両手剣を斧使いに向けて構える。ようやく落下し始めた斧使いは、食らわないように両手斧のソードスキルを使用する。赤く光った刀身をゲツガに向けて振り下ろす。
「死ねぇええええええええ!!」
そこに両手剣の渾身の一撃で両手斧を破壊してその斧使いごとぶった斬る。それを食らった。斧使いはHPが半分になり、デュエルが終了する。さっきの武器殺しを見た観客はすごい等の言葉を言っていた。
「何で……この俺が……」
「イヤー、なかなか頑張ったほうだな、お前。最後のソードスキルは良かったぞ。ああしたらほとんどのプレイヤーはビビってそのまま落ちてくるからな」
そう言ったあと、斧使いの耳元で言う。
「ついでにユキと俺は結婚してるから、もうユキに言い寄るなよ。ついでに結婚してることは秘密な。黙っててくれたらさっきの武器の代わりに、いい斧やるぜ」
「本当かよ!!ユキさんとお前がけっこグフゥ!!」
喋りそうになったので腹を殴って黙らせる。
「言ったよな?黙ってろって……今度喋ろうとしたら両手剣で斬るからな」
「は、はい……」
「よし。じゃあどうする?」
「わかった。もうユキさんに言い寄らねえ」
「よし、交渉成立だ。それじゃ、七十四層のレア武器の斧をやる」
そう言って斧使いだった奴に斧を渡してから、ユキを連れてその場を離れた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ユキと買い物を済ませた後、六十四層の《エグゼブル》の家でゆっくりとしていた。俺はいつもどうりの座布団に座り、その横でユキは俺の肩に頭を預けている。
「ゲツガ君、カッコ良かったよ」
「いきなりなんだよ」
「今日、斧使いとの戦いのとき、とってもかっこよかった」
「そうか?」
「うん」
「じゃあ、明日はもっとがんばらないとな」
「頑張ってね、ゲツガ君」
「ああ」
そう言ってからちゃぶ台の上にある湯のみを取りお茶を飲む。
「ゲツガ君、もしも負けたら私の部下になるっていうことなのかな?」
「そうなんじゃないか?俺より入るのも早かったし、幹部なんだろ?」
「うん、じゃあゲツガ君にいろいろな命令が出来るわけかー」
「なんか身の危険を感じるんだが……」
「気のせいだよ」
そしてユキは立って後ろから抱き付いてくる。
「私はゲツガ君がこの世界の最強と思ってるよ」
「何でそんなこといえるんだ?ヒースクリフのほうが最強って言われてるだろう」
「そんなの関係ないよ。ゲツガ君は私の勇者だもん。勇者は最強なんだよ」
「そんなもんなのか?」
「そうなの」
「そうか……じゃあ、明日のためにもう寝るか」
「えぇー!早いよー!」
駄々をこねるユキの口を自分の口でふさぐ。そして、離してから言う。
「明日はベストコンディションで行きたいんだ」
「……わかった」
「ありがとう」
そう言ってから、ユキとともに寝室に入る。明日は確実に勝つ。そう自分に言い聞かせてから眠りに付いた。
後書き
誤字指摘お願いします。
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