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Blue Rose

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第二十一話 海と坂道の中でその三

「認めてね」
「そのうえで、でしたね」
「彼は誇りある死を自ら決めたんだ」
「だからオセローはいいですね」
「蝶々さんもね、けれどね」
 岡島はここでまた優花に言った。
「オセローも蝶々さんもその時まで生きていたね」
「死ぬその時まで」
「必死にね、だからね」
「僕もですね」
「その最期の時までね」
「生きるべきですね」
「必死にね」
 こう優花に言うのだった。
「そうするんだよ」
「わかりました」
 優花も岡島に答えた。
「絶対に」
「そうしてね、大変だけれど」
 女になる、そして元男として生きることはというのだ。
「最後の最後までね」
「そうします」
 絶対にとだ、優花はまた答えた。
「本当に」
「そうしてね、それにしてもね」
「それにしても?」
「いや、今日は気持ちいいね」
 こうしたこともだ、岡島は不意に言った。
「天気が」
「そうですね、確かに」
 優花も岡島のその言葉に頷いた。
「お空は晴れてて空気がすっきりしてて」
「とてもいいね」
「過ごしやすいですね」
「うん、ここまで気持ちいい日も珍しいね」
 それこそというのだ。
「長崎って結構雨が多いんだよね」
「そうなんですか」
「うん、歌にもなってるよね」
「長崎は今日も雨だったですね」
「そう、それで実際にね」
「雨が多いんですね」
「君が来てからはあまり降ってないけれど」
 それでもとだ、岡島は優花に話した。
「ここは結構雨が多いんだ」
「そうだったんですか」
「だからこうまで晴れる日は珍しいよ」
「そうですか」
「だからいいね」
 笑顔での言葉だった。
「今日の天気は」
「過ごしやすくてこうしていてもですね」
「いいよ、じゃあ今度はね」
「中華街ですね」
「そこに行こうね」
「わかりました」
 優花は岡島に微笑んで応えた、そしてだった。
 その中華街にも行った、中華街は独特の横須賀や神戸のそれとはまた違った入り組んだ状況であり様々な店が並んでいる。そこに観光客達が集まっている。
 その中華街に入ってだ、岡島は自分の横にいる優花に言った。
「ここの中華街も独特なんだよね」
「そうですよね」
「ちょっと狭いけれどね」
 岡島はこの言葉は少し苦い顔で言った。
「横浜や神戸のと比べると」
「横浜の中華街が一番広いですよね」
「日本にある中華街ではね」
「やっぱりそうですよね」
「うん、そう思うよ」
 中華街の赤や龍の模様を見ながら優花に話す。 
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