とある異世界の交差物語(クロスオーバー)
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第40話 海竜の王と海の戦姫、夜叉の姫達と対峙する
前書き
やっと出来ました。しかし今回は短いです。それでも良かったら見ていってください
それではどうぞ!
なのは達が戦っている街周辺に張られていた結界を破壊した2人の兄妹……堂本海斗とその妹、茜雫は今、街の結界を破壊後、即刻起きているだろう戦場へ駆けていた
「アニキ!誰がいるか分からないけど、この先には間違いなく“アイツ等”がいる!それでも行く!?」
「聞くまでもないだろ?行くぞ茜雫!!」
「OK!」
一方その戦場になっている現場では、決着が着こうとしていた。クロノを中心にユーノ、フェイト、アルフはたった1人の男相手に押されていた。
「ハァ、ハァ、ハァ……」
「はっ…はっ…はっ…う、ウソだろ……」
「で……でたらめ過ぎる………」
「バケモノ染みてるってレベルじゃないぞ……」
フェイト、アルフ、ユーノ、クロノの4人は片膝を着きながら肩を大きく息をし、目の前で腕を組み、仁王立ちをしている大男を見上げていた。
黒木闘兵衛……2mを超え、引き締まった筋肉という名の鎧を持ち、戦いによる日焼けなのか褐色の肌を持つ巨漢。戦いで受けたのか切り傷や銃創の跡がいくつも刻まれており、猛獣の如き鋭い眼光はまさに『歴戦の勇士』と呼ぶに相応しい風格を纏つ男だった。
だがそれより驚くべきは彼は魔法の類どころか銃やナイフ等の武器を一切使わず、拳一つでクロノ達を圧倒したのだ
「どうした、主らの実力はその程度か?」
「く、くそ……」
悔しげにアルフはフラフラになりながらも立ち上り、戦う姿勢を崩さなかったが、それも予想済みだったのか闘兵衛はそうかと小さく呟き、ゴキッゴキッと指の骨を鳴らしながら拳を強く握りながらアルフに狙いをつけた
「子供を相手に拳を振るう趣味は無いのじゃが、これも運命じゃ……許せ」
そう言いこぼした闘兵衛はアルフに向かって強く握った拳を振りおろそうとしたその時
---ジャラララララララララ……!!!---
「……っ!!!?」
闘兵衛の動きが突然止まった。だがそれは闘兵衛本人の意志ではなかった。何故なら今彼の腕を始め、胴体、両足、首に翡翠色の鎖が巻かれて身動きが取れなくなっているのだ。それを成し遂げたのはユーノだった。彼は闘兵衛がアルフに集中している隙に闘兵衛の死角に回り、タイミングを狙ってチェーンバインドを作動させたのだ
しかしチェーンバインドで拘束された闘兵衛は焦る様子もなく、納得した表情でユーノを見ていた
「成程…この犬耳娘が囮になっている隙にワシを拘束して無力化する算段だったか。子供の割には悪くない作戦じゃ。じゃが……」
小さく呟いた闘兵衛は体全体に力を込め、体に巻き付いていたバインドを全て粉砕した
「なっ!?」
「惜しいの…力不足じゃい!!」
「ぐ…っ!」
バインドから開放された闘兵衛はユーノに狙いを定め、拳という名の大砲を発射した。ユーノは即座にシールドを張って防御するが、闘兵衛の豪腕に耐えられず、薄いガラスの様にアッサリと破壊され、アルフと一緒に数メートル先に吹き飛ばされた
「「うわぁぁぁっ!!!」」
「アルフ!!ユーノ!!」
「なんて奴だ…!」
「ふむ…少し強過ぎたか……」
闘兵衛は殴り飛ばした拳を確認するように何度も開いては閉じてを繰り返し、改めてユーノとアルフに狙いを定め、歩み寄った。そうはさせないとクロノとフェイトが駆け抜けようとするが、受けたダメージが大きく、立ち上がる事すら出来なかった
「アルフ……ユーノ……!!」
「く…そぉ……っ!」
ユーノとアルフの元まで来た闘兵衛はトドメを刺すために拳を構え、力強く振り下ろした
「これで終わりにさせてもらおうか……!!」
「やめろおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」
フェイトの叫びが夜の街に轟き、ユーノたちの命がによって奪われようとしたその瞬間……
「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
「「っ!!」」
「何っ!?」
「うおおおおおおおおりゃああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」
「ちぃっ!!」
突然の咆哮に管理局側だけではなく、ラスト・トレイター側も乱入者の介入に一瞬体が硬直する中、乱入者はその隙を逃がさず片刃の巨大な剣を闘兵衛目掛けて振り下ろすが、彼は直前に危機を察知しながら横に跳ぶが右肩に僅かな赤い線を走らせた
「「闘兵衛っ!!」」
リオンと狂四朗は傷付いた闘兵衛を見ながら悲鳴に近い声を上げ、仲間を傷つけた剣の主を改めて睨むと狂四朗は怒りと疑問の視線を、リオンは有り得ないものを見ている様な視線を注いでいた
「誰だテメェっ!!」
「アイツ…まさか……!?」
その男は明るいオレンジ色の髪、右頬に薄い一本線の傷跡。普通の少年には不相応の……王者の如き貫禄が滲み出ている鋭い視線の持ち主の少年をリオンは知っていた。
その少年はかつて自分が所属する組織と敵対しているある部隊の幹部であると同時にあの“決戦”で戦った敵だとすぐに思い出した。
当時の敵のボスは戦死したため、部隊として維持出来ず、幹部と兵士は徐々に離れていき、事実上の解散になったと誰もが思っていた。
だが彼女は知っていた。それはただの偽情報で、実際は彼女のボスが再び自分たちに牙を剥くように生き残った敵の幹部達に手を出すなと命令し、そのまま放置していたのだ。
何故そんな面倒なことをと聞いてもボスが返した答えは…
『その方が面白いからよ……』
そう、ボスは敵の幹部を自分の組織に引き入れるために生かしたのではなく、再び敵として挑んで来る事を期待して生かしたのだ。
ボス曰く、“戦争など俺にとっては娯楽の一つ。刺激のない人生ほど耐え難い生き地獄は無い”らしい……
今まで敵対した多くの敵を惨殺して“夜叉姫”なんて嬉しくない称号を持つリオンから見てもボスのその悪趣味には若干引いたものだった。
そしてそんなボスに対して苦痛の辛酸を舐めさせられ、生かされた敵の幹部達は皆ボスを呪い殺すような鋭い眼光を放ってきたことはリオンも覚えていた。
だがそんな敵の幹部たちの中でも1人だけ、一倍強烈な眼を光らせていた男がいた。
彼女自身もその“決戦”当時、まだ幹部だったあの少年と刃を交えた事があったが、アッサリと敗れた苦い記憶が蘇ってきた。
“決戦”当時と比べるとまだ幼さを残していた青臭い少年だったが、彼らにとっては忌々しいだろうあの敗戦から、かなりの修羅場を駆け抜けてきたのだろう。
今目の前にいる落ち着きがあり、隙も無いが、それ以上に彼から王者の如き圧倒的なオーラがあの少年から出ていた。
多くの敵を屠り、最高幹部に位置するこの私を瞬殺した男に苦汁を舐めさせられ、再戦の時に備える為に彼女は自分を鍛え上げた。
そしてリオンはそんな少年に対して怒りと畏敬の念を込めて小さく呟いた
「海竜王………!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!!」
リオンの呟きに呼応するように海竜王ことオレンジ色の髪の少年…堂本海斗は竜のごとき咆哮を上げながら目の前の闘兵衛に挑みかかった
後書き
今回は短い代わりに、初めての連続投稿します!次は0時ちょうどに投稿します
よかったら見ていってください
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