オズのボタン=ブライト
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第十幕その八
「御飯やパンと一緒よ」
「えっ、そうなんですか」
「成分が同じなのよ」
「じゃあお菓子と御飯は」
「実は同じなのよ、栄養的には」
「そうだったんですか」
「そうなの」
こうお話するのでした。
「実はね」
「それは意外ですね」
「そうでしょ、だから御飯やパンだけを食べるとね」
「栄養的にはですか」
「そう、あまりよくないよ」
「じゃあおかずもですか」
「食べないといけないの」
御飯やパン以外にもというのです。
「お魚やお肉、お野菜もね」
「バランスよくですね」
「そうよ」
「だからお菓子だけ食べたらよくないんだね」
ボタンも言います、今はチョコレートを食べています。
「何でも食べないと駄目なんだね」
「そう、ボタンにしてもね」
「そういうことなんだね」
「オズの国では太ることもないし虫歯もないし」
こうしたこととは無縁でも、というのです。
「やっぱり栄養のバランスがいい方がいいの」
「それはどうしてなの?」
「身体がよく動けるからよ」
「それでなんだ」
「そう、出来るだけね」
「バランスよくだね」
「食べるべきなのよ」
ジュリアは苺ジュースを飲んでいます、そうしつつボタンにお話します。
「皆ね」
「わかったよ、それじゃあね」
ボタンはジュリアの言葉に頷きました、そして。
ボタンも苺のジュースを飲みました、そのジュースはです。
「美味しいよ」
「そうよね」
「美味しくバランスよく栄養を摂る」
「それがいいのよ」
「わかったよ、そういえば僕って」
ここでボタンが気付いたことは。
「最近よくわかってって言ってるね」
「そういえばそうね」
「僕はいつもわかんなーーいなのに」
「わかったって言ってるわね」
「確かにね」
「僕もそうしたことを言うんだね」
目を瞬かせて言ったボタンでした。
「そうなんだね」
「自分でもそう思っていなかったの?」
「うん」
その通りという返事でした。
「だって僕何もかもわからないから」
「わからなくてもね」
オズマが微笑んでボタンに言います。
「わかることは出来るのよ」
「そうなんだ」
「最初は誰もわからないの」
こうもです、オズマはボタンに言うのでした。
「けれど知ってわかる様になるの」
「僕も?」
「誰でも何でもよ」
オズマはボタンに答えました。
「そうなっていくの」
「そうだったんだね」
「だからボタンもね」
「わかる様になっているんだね」
「そうなのよ」
「それでわかんなーーいって言っても」
「わかったとも言える様になっているのよ」
何でもわからないと言っているボタンでもです、それこそ。
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