魔女に乾杯!
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82部分:第八十一話
第八十一話
第八十一話 タロのダイエット!?
デブといえばライゾウであるが最近このぐうたら猫もあんまり言われるせいかあまり食べなくなった。その結果それなりに痩せてきた。
「どうだい、見事なもんだろ」
「普段からそうしてなさい」
威張るライゾウに対して華奈子は相変わらずきつかった。今までが今までであっただけにこれは仕方のないことではあったがそれでもライゾウには不満であった。
「ちぇっ、痩せたからいいじゃないかよ」
「少しだけじゃないのかい?」
そんな彼にタロが声をかけてきた。
「見たところあまり変わりはないみたいだけれど」
「そうかなあ」
「うん。お饅頭から団子になった位かな」
「団子って」
「色が白くて黒もかかってるからね。そう見えるよ」
「そんなこと言われるとまた何か食べたくなってきたよ」
「だからそれが駄目なんだろ」
「おいらはグルメなんだよ。そういう旦那だって結構味には五月蝿いじゃないか」
「僕はそんなに食べ物には五月蝿くないよ」
だがタロはそれを否定した。
「食べられればいいから」
「そうかね」
「何、何か言いたそうだけれど」
「ちょっとね。最近旦那も」
「僕も?」
「太ってきたんじゃないかな」
「僕が!?まさか」
そう言われたタロはまず驚きの言葉をあげた。
「太ってるかな」
「最近ね。お腹がちょっと」
「ううむ」
気になってチラリと腹を見てみる。言われてみれば確かに少し出ている。
「そうかなあ」
「旦那もダイエットはじめた方がいいんじゃないかい」
そしてライゾウは相方に対してこう囁いてきた。
「さもないと御主人に何かと言われるよ」
「御主人様に」
「そうだ。御主人はとにかく太ってるのがお嫌いみたいだから」
「困ったな、それは」
「そういう時にこそあれをするんだよ」
「ダイエットだね」
「そうさ」
ライゾウはここでニンマリと笑った。
「どうだい?やるかい?」
「どっちにしろやらなくちゃいけないんだろ」
タロは仕方ないといった顔と声でこう言った。
「じゃあお願いするよ。宜しくね」
「よし、任せとけ」
ライゾウは後ろ足で立ち胸をドンと叩いて言った。
「こう見えてもおいらはダイエットのベテランなんだからな」
「つまりそれだけ御主人様に怒られてきたってことだね」
「う・・・・・・」
それには何も言い返せなかった。だが何はともあれタロのダイエットがはじまった。
第八十一話 完
2006・1・14
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