オズのボタン=ブライト
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第十幕その三
「こちらの音も」
「はい、もう僕達レコードは持っていませんけれど」
CDばかりです。
「ですが」
「こちらもよいな」
「そうですね」
「最新の文明もよいがな」
「昔のものもですね」
「よいのじゃよ」
「そうなんですね」
カルロスも納得しました。
「古いものも」
「ではこの曲も聴こうぞ」
そのレコードの曲もというのです、その曲はリンキティンク王がいつも歌っているこの国の曲でした。歌っているのは国民の皆さんです。
その曲を聴いてです、王様は手を叩いて明るく笑って言いました。
「ほっほっほ、愉快愉快」
「いい曲ですね」
「そのいい曲を国民が歌ってくれてな」
そしてというのです。
「わしにも聴かせてくれる、これは最高じゃ」
「だからですか」
「わしは今とても満足しておる」
「そういうことですね」
「本当に最高じゃ」
こうカルロスに言うのでした。
「こんないいことはないわ」
「成程、それじゃあ」
「うむ、次の曲も聴こうぞ」
「次の曲もですね」
「この国の曲でじゃ」
そしてというのです。
「歌っておるのは国民の皆じゃ」
「王様のですね」
「最も大切なな」
「王様もそう思われているんですね」
「国民のことをか」
「オズマ姫と同じで」
「当然じゃ、よい王様は国民を最も大切にしてじゃ」
そしてというのです。
「国民と友達であるのじゃ」
「そういうものだからですね」
「わしもじゃ、いい王様のつもりじゃからな」
「国民の皆さんを最も大切に思って」
「友達なのじゃ」
「そういうことですね」
「うむ、では次の曲も聴くぞ」
こう言ってです、王様達は実際にです。
次の曲も聴くのでした、この日も楽しく過ごした皆でした。次の日に牧場に行くことも楽しみにしながらです。
そしてその次の日です、皆は牧場に向かいました。ボタンも一緒です。
その皆が行った牧場はです、何と。
「あれっ、チョコレートにキャンデーに」
「ガムにね」
「キャラメル、アイスクリーム」
「それとクッキー」
「ビスケットもあるわ」
「そう、ここはお菓子の牧場なんだ」
王子は驚く五人に言いました、見れば柵に囲われている広い牧場の中に銀紙やビニールで包まれたお菓子達がのどかに立っていたり寝ていたりしています。
「そうした牧場なんだ」
「お菓子をですか」
「ここで育ててね」
そしてというのです。
「食べているんだよ」
「お菓子の牧場ですか」
「お菓子は木に実るだけじゃなくて」
「牧場にもですね」
「いてそしてですか」
「育てられるんですか」
「オズの国ではそうしたことも出来るんだ」
牧場で育てることもというのです。
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