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ソードアート・オンライン 結城家の次男は両手剣使いで恋人は黒の剣士

作者:改造人間
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最初のクエスト

 
前書き
感想お願いしまーーーーーーーーーす!!!!!!!!! 

 
2022年、ユーザーによるベータテストを経て、世界初のVRMMORPGソードアート・オンライン(SAO)の正式サービスが開始され、約1万人のユーザーは完全なる仮想空間を謳歌していた。
だが、ゲームマスターにしてSAOの開発者である天才プログラマー、茅場晶彦が俺達プレイヤー達の前に現れ、非情な宣言をする。SAOからの自発的ログアウトは不可能であること、SAOの舞台【浮遊城アインクラッド】の最上部第100層のボスを倒してゲームをクリアすることだけがこの世界から脱出する唯一の方法であること、そしてこの世界で死亡した場合は、現実世界のプレイヤー自身が本当に死亡するということを・・・・。

そして今この俺、結城一真ことSAOプレイヤーラグナは、デスゲームと化したSAOを元ベータテスターのアバターが元勇者顔のキリトと共に草原を2人で走っている。
この世界で初めてできた友人クラインをも見捨て、生きるために走っている。

因みにキリトは女であった。今でも少し驚いている。





今俺達は、はじまりの町を出て広大な草原の真ん中で、次の村に向かって走り続けている。
この世界で死なないため生きるため。


走り続けていると、先の草むらから青イノシシ《フレンジー・ボア》がPOPした。俺は片手用直剣を抜こうとするが、俺より早くキリトが片手剣を抜いて、そのまま片手剣用のソードスキル《スラント》を発動させた。

ターゲットにされたフレンジー・ボアは俺達を睨むと、突進攻撃のモーションに入った。キリトに出会ったとき聞いたが、ここで怯みソードスキルを止めるとと大ダメージを受けてしまう。

なので、キリトは止まらずフレンジー・ボアの弱点である首の後ろ狙い放った。刀身が仄かな水色に発行し、鋭い効果音とともに仮想体(アバター)が勝手に動く。
ソードスキルのシステムアシストが斬撃のモーションを協力に補正してくれる。

「えいっ!」

まあ、この動作にもかなりの鍛練が必要だ。この世界で生き残るには、どんなことでも鍛練あるのみだと俺は思う。

「ギイィィィィィィィィッ!」

思考に老けているとフレンジー・ボアの悲鳴が聞こえ、見るとフレンジー・ボアは後方に大きく弾き飛ばされて、地面にバウンドすると空中で不自然に停止し、激しいサウンドを出しライト・エフェクトを放ち、青い光の中細かいポリゴン片となって散った。


フレンジー・ボアを倒すが、加算する経験値ドロップした素材アイテムには目を向けずに、再び俺達は走り出す。前を向いてみると、そこには暗い森が存在し俺達はその森へと入った。

森に入った俺達は慎重にモンスターを避けつつ、敏捷力ステータスのAGIが許す可能な限りの速度で小道を駆け抜けた。すると、夕日が消え去る直前にキリトから聞いた次の目的地《ホルンカの村》に辿り着いた。


ホルンカの村へと入り、辺りを見回してみると周辺には家屋と商店を合わせても、十数棟しかない小さな村だった。ついでに視界に浮かんでいるカラー・カーソルの全てはNPCのタグだった。
どうやらこの村に辿り着いたのは俺とキリトが一番乗りのようだ。考えてみればそうかもしれないな。茅場晶彦のチュートリアルが終わった瞬間、キリトの言葉に頷き一目散に《はじまりの街》を出たんだからな。

まずはベータテスターのキリトの指示に従い、狭い広場に面した武器屋へと向かう。デスゲーム開始前の時クラインと一緒に数匹のモンスターを狩っていたから、ストレージの中には素材アイテムが幾らか貯まっている。


すると、隣にいたキリトが何か言いたそうな感じで、俺に話し掛けてきた。


「ねぇラグナ」

「ん?どうかしたのかキリト?」

キリトはちょっとオドオドしているため、俺はなるべく温厚な感じで聞き返す。

「ラグナは今所持してる素材アイテムで生産スキルを上げる?」

キリトの言葉に、つい俺は「・・・・うぇい?」と言ってしまった。確か生産スキルって、いわゆる趣味スキルみたいなものだったよな?
上げてれば、意外なところで役に立ちそうだが。

(だが、今の状況はとにかく、生き残れる術を少しでも身に付けるべきだ。なので生産スキルを上げる気はない、暇が出来たら上げてみようと思うが)


俺は頭の中で答えを出しきり、キリトの顔を見ながら返答する。

「いや、今はこのデスゲームで少しでも生き残れる力をつけたい、生産スキルを上げるくらいなら今はソードスキルを上げたい」

そう言うと、キリトは少しだけ微笑んだかに見えた。武器屋に到着し素材アイテムを(まと)めて売却させ、わずかだが増えた金貨(コル)全額使い、そこそこ防御力の高い茶革のハーフコートをキリトと一緒に買った。

ついでに武器屋で、スモールソードより威力の高い武器《ブロンズソード》を買おうとしたが、キリトに思いっきり止められた。

「あっ!待ってラグナ!?」

「おわっ!?な、何だよキリト!?」

「ここでブロンズソードを買っちゃうのは駄目だよ。この剣強いように見えて耐久度の消耗が早いから、この後のことを考えるのなら、スモールソードのままが良いよ」

「・・・・・・・・何でだ?」


キリトの言葉に、俺は疑問を浮かべ首を傾げた。キリトはその疑問を簡単に解消してくれた。ものすんごい良い笑顔で。


「うん!それはね。実はこのホルンカの村には最強の片手剣が貰えるクエストがあるんだ」

「最強の片手剣!?」

キリトの言葉に、俺は驚きながら大きな声を出した。でも確かにそうだ。今の状況でこんな剣を買うより、最強の片手剣を貰えるクエストを受けた方が、何倍も良いからな。

「最強って言っても、第三層までしか使えないんだけどね」

キリトは「えへへ」と言って、軽く後頭部を撫でながら苦笑した。
そんなキリトに俺は優しく言う。

「いや、それでも自分自身が生き残れる術を持てるんだ。ありがたいさ」

言って話を終わらせたのまでは良かったのだが、キリトはそれだけでは留まらずじっと武器屋に並べられていたもう一つの防具、 女性用コートとセットになっている少し長いフリルのスカートを食い入るように見ていた。

色は黒と地味ではあるが女の子特有の可愛らしさはよく作られている。あか抜けない女子なんかが着るにはちょうどいいスカートだろう。

とはいえ、何故こんなものがゲームの序盤で売られているんだ。

防具の説明欄を見てみたが、特にこれといったステータスアップは見受けられない。
寧ろ防御力が下がっている気がするんだが。
完全に趣味目的の服に、しかもデスゲームとなったこの世界で金を出す奴はいないだろう。
それはゲーム経験歴の長いであろうキリトが一番よく分かっているはずなのだが彼女は相変わらずじっと見ている。
俺の声掛けも聞こえないのか無我夢中で何度も残りのコルを確認している様子がなんとも言えない。

「なあ、キリト」

「うー、やっぱり今後のことを考えると・・・・・コルが足りない」

「・・・・キリトさーん」

「だいたい私なんかが女の子らしい格好すること事態が間違っているのは分かってるけど、普段も男装が基本だし」

「!? ちょっ!」

「でも今は側にラグナがいるし、男の子の前で女である私が杜撰な格好でいればどんな風に思われるか。下手したら、うわー、コイツ女子力ゼロだわ、ないわーとか言われるかも・・・・・・・」

「おいキリト!」

「うひゃぁ!? あ、はい」

後少しでキリトから何やら黒い物が出てくるような気がしたが、俺の声にようやく反応してキリトは奇声を上げると俺に顔を向けた。

「あのよ。無理に女子らしくする必要性はどこにもないぞ?」

「え!? き、聞こえてたの?」

「そりゃ聞こえるだろ。それとも女子力云々関係なしにそんなに欲しいのなら俺のコルを使っても良いぜ」

俺とキリトはアイテムを共有していない。
本来ならばパーティーを組みアイテムは一時的(テンポラリ)ストレージに保管されるのだが、俺たちはパーティー申請をしていない。
キリトも勿論、パーティーについては知っているだろう。だが彼女は未だにパーティーについての事を話さない。

恐らくキリトは、街においてきたクラインのことを思いパーティーを作ることに無意識に抵抗を覚えているんだろう。
それは俺も同じくでお互いに何となく言えないでいる。
その為、アイテム売却によって増えたコルの金額はモンスターを相手に特訓をしていた俺の方が多いので余裕はある。

「いや、いいよ! こんなスカート買ったってコルの無駄使いだしラグナに申し訳ないよ! 確かにちょっとばかし可愛いーなー!とは思っているけども!・・・・・大丈夫だから!」

キリトは身振り手振りで購入に対し拒否した。
しかし言葉の裏からは欲しいのがひしひしと伝わってくるぞ。

「・・・・・本当に良いんだな?」

「え? ほ、本当に!い、いいよ! それに次の目的じゃアイテムもなるべく多い方が良いし!」

「じゃあ先に隣の道具屋に行って待ってるから!」とキリトは武器屋から逃げるように出ていった。
恐らくこれ以上は墓穴を掘るとでも思っているのだろう。

「さて・・・・どうするか、な?」

並べられた防具。
俺の視線は女もののフリルのスカートに注がれた。







先に道具屋にて回復ポーションや解毒ポーションを買えるだけ買っただろうキリトは、俺の存在にも気づかずゼロになった所持金蘭を虚の眼差しで見つめていた。
やっぱりあのスカート欲しかったんじゃねえかよ。

「おい、キリト。大丈夫か?」

「あ、ラグナ・・・・・・」

背後から声を掛けた俺に気付いて振り替えるも、キリトの顔は笑顔だったが目は全くもって笑っていなかった。

「お前、そんなに思い詰めてんのかよ!」

「あはは。別に、そんなことは・・・・・・・ないよー」


思わずツッコム俺に、キリトは乾いた笑いで答えた。
本気で恐いし心配に思えてくる。
このまま、SAO攻略不能にでもなると思ったが、キリトの瞳が何かを覚悟したかのように、虚からゲーマーのそれへと変わる。


(“あれを”渡すのは、まだ後でいいか)


例の物をキリトに渡そうと思ったが、キリトの瞳が変わっているため渡すのは後にしようと決めた。
俺は道具屋でキリトと同じく、回復ポーションと解毒ポーションを買えるだけ買い、所持していたコルは最早ゼロに近い。

そんなこんなで俺達は道具屋を出て、キリトに付いていく最強の片手剣を貰えるクエストを受けるため、村の奥にある一軒の民家にノックをして入った。

家に入ってみれば台所で鍋を掻き回していた、いかにも【村のおかみさん】といった感じのNPCが振り向き、俺に労いの言葉と謝罪の言葉を口にして、水を出すと言ったので俺達はYESと答えた。


水が目の前に置かれ俺とキリトは一気に飲み干す。おかみさんはほんの少し笑い再び鍋に向き直った。少し待つと、隣の部屋から『こほこほ』と子供が咳き込む声がした。
おかみさんが悲しそうに肩を落とし、更に数秒待つと、おかみさんの頭上にある金色のクエスチョンマークが点灯した。

キリトに聞いたところ、あれはクエスト発生の証だそうだ。すると、すかさずキリトが声を出した。

「何かお困りなんですか?」

キリトの言葉に、おかみさんの頭上の《?》マークがチカチカと点滅した。

「旅の剣士さん、実は私の娘が・・・・・」


話を聞いてみると、娘が重病に架かり鍋の中身の市販の薬草を煎じて与えても一向に治らず、治すにはもう西の森に棲息する補食植物の胚珠から取れる薬を飲ませるしかないそうだ。
だが、その補食植物がとても危険な上に花が咲いている個体が滅多に出ないので、自分にはとても手に入れられない代わりに、俺達剣士が取ってきてくれればお礼に先祖伝来の片手長剣差し上げてくれるそうだ。


何ともまあ、オンラインゲームらしいクエストだな。


沢山の台詞を村のおかみさんが話しているのを、俺達は辛抱強く聞いた。最後まで聞かないとクエストが進行しない、それに話の間にその娘の咳き込みが聞こえるため、いくらNPCとはいえ流石の俺でも邪険には出来ない。



やっとのことで村のおかみさんが口を閉じ、視界左に表示されているクエストログが更新された。

「任せてくれ!必ず胚珠を手に入れ娘さんを病から助ける」と俺が言い。

キリトも俺と同時に言った。

「任せてください!」

何となく気分の問題で言ってみた。




俺達は家から飛び出し、西の森の前に素早く到着した。

途中で村の広場中央でメロディが鳴り、なんとなくきになった俺はウィンドウを開いてみると、時刻は午後七時となっていた。

今頃現実世界じゃ、ナーヴギアの事件が騒ぎになってるだろうな。自室のベッドで横たわっている俺は、病院にいて親父に御袋、それに浩一郎兄さんと姉貴が心配しているか。


もしも、奇跡的に現実世界に戻ったら、御袋と姉貴が説教を咬ますだろうな。いや、その前に御袋は俺のちゃんと心配してるんだろうか?


そろそろ森に入ろうと思ったが、隣でキリトがウィンドウに睨めっ子をしてうんうんと唸っていた。
それが気になり、俺は声を掛けた。

「どうしたんだキリト?」

「あ、ラグナ。うんスキルスロットが後一つ空きがあるから、何を入れようか悩んでて」

「ふーん」

確かスキルスロットは戦闘で稼いだポイントでスキルを修得して、そのスキルをスロットに入れたら効果が発動できるんだったよな。


「それで、元ベータテスターのキリト様からしたら、スキルスロットには何のスキルを入れたらいいんだ?」

「何その言い方?」

俺の言い方に、キリトは少し顔を不機嫌に見せた。そんなキリトに俺は謝った。

「悪い悪い、そんな不機嫌にならないでくれ。んで何のスロットを入れたらいい?」

「う~ん。|《索敵(サーチング)》か|《隠蔽(ハイデイング)》のどれかが良いんだよね」

索敵か隠蔽ねぇ~。
索敵スキルの説明にはプレイヤーやモンスターの発見を報告してくれたり、俺達の視界に何かを発見させることが可能。因みに索敵スキルを上げ上手くやれば隠蔽スキル持ちも見つけられるようだ。
隠蔽スキルは自分の身を隠し動けることができる。尾行とか調査に役立ちそうだが、その反面このスキル下手すりゃ犯罪とかに使われそうだ暗闇のところ後ろでグサッと、因みにこれも同じく上げてれば索敵スキルから逃げられるらしい。

この2つのスキルで変に悩む必要はないと思う。


「キリト、索敵スキルで良いだろ」

「うん、私もそう思う」

俺の言葉にキリトが頷き、一緒に索敵スキルを押しスキルスロットに入れる。
はっきり言って、この索敵スキルを持っておけば自分の生存率は上がるし何より狩りの効率も上がって一石二鳥だと思う。


「よし!スキルスロットも入れ終わったことだし!」

俺は両腕と背筋を伸ばし、言い放ち続ける。

「んじゃあ!いっちょ行くかっ!!!」

「うん!行こうラグナ!!!」

俺とキリトは同時にスモールソードを背中に掛けている鞘から引き抜き、俺は左手に持ってスモールソードを肩に掛け、キリトはスモールソードを抜くとそのまま右腕を下げてスモールソード斜め下に向けた。

そして俺達は背中合わせをした。



さあぁぁて・・・・・・クエスト開始だ。 
 

 
後書き
ようやく書けた。お久し振りです!待たせてしまい申し訳ありませんでした!

楽しんでいただければ幸いです!
どうぞ!

感想も待っています!どうかお願いします! 
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