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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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柔らかい

 
前書き
卓球ってすごいね、なんであんなに小さいボール打てんのかな?
シリル「レオン!!俺たちもやってみよ!!」
レオン「別にいいけど・・・」
シリル「じゃあ行くよ!!ほれ!!」←サーブを打つ
レオン「ほい」←思いきり打ち返す
パーンッ←ボールが粉々になる音
「「・・・さ、本編行こっか」」 

 
レオンside

辺りが夕日で赤く染まり始めている。俺たちはその中をラウルとシャルルに持ってもらい上空から森の中を見回している。

「いないなぁ・・・」
「どこにいるのかな~」

シェリアとその隣を飛んでいるセシリーがそう言う。家出っ子の捜索を開始してから早数時間。それなのに、俺たちは手がかりすら見つけることができずにいた。

「大丈夫?ラウル、シャルル」

予想外に長時間に及ぶ捜索になっているため、それぞれ自身の何倍もある人間を掴み飛び続けている二匹の猫に声をかける。

「全然余裕だよ!!」
「早くその子を見つけないとね!!」

心配するその声にそんな頼もしい返事が返ってくる。ただ、そのやる気の理由が家出した子供のためならいいんだけど、そうじゃないからなんとも言えない。

「早く帰って二人の様子を見たい・・・!!」
「急がないと間に合わないわよ!!」
「なんでいないのかな~!?」
「お願いだから出てきてぇ!!」

はぁっとため息が漏れた。実は捜索を開始してからずっとこの調子。どんだけあいつらのこと気になってるんだよ!!一日くらい二人だけで静かに過ごさせてやれよ!!とか内心思っているが、それよりも今は依頼が重要だと思い、一人でこの森の中にいる子供のことを見落とさないように目を凝らす。

「あいつら・・・大丈夫かなぁ」

シェリアたちみたいな感情を持っているわけではないが、あの二人が心配な点は同じだ。シリルはマグノリアに住んでた時は一人暮らしだったらしいし、ウェンディもシャルルとセシリーと三人で寮に住んでいたって聞いてる。そのため、自立はしているから食事とかは大丈夫だろう。ただ、寝るときが一番の問題だ。

「あんなこと言わなきゃよかったな」

一人じゃ寂しいだろうからと思って俺のベッドを使っていいと言ったけど、かえってそれで寝不足になる気もする。二人だけで眠るなんて普段はないだろうから、緊張してダメかもしれない。

「何?何か言ったの?」

俺が一人言を言っているとシェリアが聞き耳を立てていたようで興味津々といった感じに顔を近付けてくる。

「なんでもない」
「えぇ!!教えてよぉ!!」

今のことを話すと後でからかわれそうな気がするので素っ気なく返しておく。シェリアはその回答に納得行かないようでどんどん詰め寄ってくるが、それぞれの背中で(エーラ)を広げているエクシードたちがいるおかげでそれ以上は近づけない。俺は彼女のしつこい問いに気付かないふりをして、家出っ子の捜索に専念していた。






















シリルside

無事に船の救助を終え、依頼料を受け取った俺たちはギルドに一度顔を出して報告を終えた後、自宅へと戻っていた。

「ねぇウェンディ」
「な~に?」

元々はレオンとシェリア、そしてラウルの三人で暮らしていた家は今は俺たち四人も住み着いている。ただし、今日はレオンたちが仕事で帰ってこれないため、二人だけでリビングに集まっている。

「何か手伝おうか?」

リビングのテーブルに腰掛けながらキッチンで一人夕食の用意をしているウェンディに声をかける。普段はシェリアとウェンディ、シャルル、セシリーの女の子四人で食事の準備をしているんだけど、今日はシェリアたちがいないためウェンディが一人で準備している。
掃除も洗濯もパパっと済ませちゃったし、いつもはシェリアが中心になって作ってるからウェンディだけじゃ大変かな?と思いそう声をかけてみたのだ。

「ううん!!大丈夫!!シリルは座ってて」

だが、返ってきたのは頼もしい一言。ウェンディが料理をちゃんと作れるのは知ってるから不安はないけど、この子不器用だから危なっかしい時があるんだよねぇ。

「いっ!!」

そんなことを考えながら彼女の方を見ていると、突然包丁を投げるように置き指を食わえる。

「え?どうしたの?」

チュパチュパと指を吸う彼女に椅子から立ち上がり駆け寄っていく。キッチンに入るとすぐにその原因がわかった。
どうやらニンジンを切っていた際に、固かったからか力を入れたところ、誤って指を切ってしまったらしい。

「見せて」
「うん・・・」

彼女の口から出された指を見ると、そこまで深い傷ではないようだ。なので治癒魔法をかけるとすぐに傷が塞がっていく。

「これで大丈夫?」
「うん!!ありがとね!!」

ケガが回復したことでパッと明るく微笑む天竜。その表情があまりにも輝いていて、ドキッとして顔を反らしてしまう。

「どうしたの?」
「ううん!!何でもないよ!!」

不意に顔を背けたことを不自然に感じた少女は顔を覗き込んでくるが、急いで平静を装いその場を凌ぐ。たぶんあのままだったらウェンディの顔を直視できなかっただろうな。ああいう表情はあまりないことだから、勿体ないことをしたかも・・・

「ケガも治ったから、もう少し待っててね!!」

体の前で両手を握り気合いを入れた後包丁を再び手にするウェンディ。

「あの・・・やっぱり手伝おうか?」

別に手つきが危ないわけでもないし、むしろ手慣れた感じもするんだけど・・・いかんせんウェンディの属性が“ドジッ娘”なため、ちょっと心配になってしまう。

「大丈夫だって!!シリルも私の手料理食べたいでしょ?」
「うん、食べたい」

しかし、彼女のその言葉で素直に従うしか選択肢がなくなってしまう。だってウェンディが一人で作ってくれた料理なんて、すごく久しぶりだもん!!
なので、心配する気持ちを抑えつつリビングのテーブルへとつき、彼女の料理を待つことにした。





















ウェンディside

「うん、食べたい」

コクンッと小さな子供のようにうなずくシリル。言ってから自分で何言ってるのかな?と恥ずかしくなったけど、彼はそれを聞いて嬉しかったようでちょっと口角をあげた後、リビングへのテーブルに腰掛ける。

(男は料理のうまい女に弱い!!)

いつだったでしょうか、カナさんがそんなことを言っていたことを思い出します。ジュビアさんもグレイさんへのプレゼントで料理を作ろうとしてましたし、今日はシェリアもシャルルたちもいないから、シリルに私の実力を見せるいいチャンスですよね!!

「さっそく失敗しちゃいましたけどね・・・」

さっきシリルに治してもらった指を見ながらそう呟きます。ちょっと彼に治してもらえるのは嬉しいと思ったところもありますけど、頼りなく見える原因を作ってしまったので悲しいです・・・

(こうなったら、料理で取り返すしかないですよね!!)

包丁を握る手に力を入れ、野菜を切っていきます。シリルのために、頑張らないとね。





















レオンside

「本当にありがとうございました」

時刻は夜。辺りは暗くなってきており、依頼主のお屋敷はライトアップされており、目映い光を放っていた。

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、ごめんなさい」

そう言って頭を下げたのは俺やシェリア・・・いや、シリルやウェンディよりもさらに小さい女の子。なんと家出した子供というのは、この女の子だったらしい。てっきり男の子かと思っていたので、最初は驚きを隠せないでいた。

「ケガがなくてよかったね」
「そうね」
「無事で何よりだったね」
「でももう家出しちゃダメだよ~!!」
「はい・・・ごめんなさい・・・」

その子の頭を撫でているシェリア。実はこの子、森に住んでいる巨大なモンスターに襲われそうになっているところを偶然見つけて助けたんだけど、おかげで「家に戻ろう」と言ったらすぐに承諾してくれた。恩を仇で返すような子じゃなくて本当によかったよ。

「あの・・・本当に泊まっていかなくていいんですか?」

すると、女の子のお母さんがそう言う。辺りはもう真っ暗で森の中を進んで帰っていくのはとてもキツイ。俺の気持ちとしては今晩はこちらの依頼主のお言葉に甘えて泊まっていきたいところなんだけど・・・

「いえ!!大丈夫です!!」
「今日中に家に帰らなきゃいけないのよ」
「久しぶりの再会なんだから~」
「うん!!お二人でゆっくりしてよ!!」

こいつらがそれを許すわけがない。建前上は数日ぶりに再会した二人に親子水要らずで過ごしてほしいというものだが、本音は一刻も早く帰宅してシリルたちの様子を見たいんだろうな。

「お兄ちゃんたち、帰っちゃうの?」

俺のズボンを引っ張り、少女は寂しげな目をしながら帰らないでほしいと訴えかけてくる。

「ごめんね、お姉ちゃんたちが帰るなら、俺もついて行かないといけないんだ」

少女に目線を合わせて、囁くようにそう言う。俺だけ残るなんてできるわけがないし、今ならラウルたちが運んでくれそうなので楽にマーガレットまで帰れそうだし、それに乗らない手はない。

「そうなんだ・・・」

俺の言葉を聞いて顔を俯ける女の子。なんか後ろから四人の冷ややかな視線を感じるので、なんとかしなければならない。さてさてどうするべきか・・・

ポンッ

考えるに考えた末、俺は女の子にある言葉をかけることにし、頭の上に手を乗せる。

「大丈夫、いい子にしてればまたきっと会えるよ」
「ホント!?」
「うん」
「じゃあ私、いい子にしてるから、また絶対会おうね!!」
「あぁ、わかった」

頭をポンポンと叩きながら彼女の頭を撫でると、少女は嬉しそうに笑顔を見せる。それを見て安心した俺たちは、依頼主に挨拶をしその場を後にした。

「・・・」

俺はラウルに、シェリアはセシリーに持ってもらい帰っているのだが、なぜか少女の顔から不機嫌さが滲み出ている。

「どうしたの?シェリア」
「別に・・・」

なんでもないよみたいな受け答えをしているが、とてもそうは見えない。なんで不機嫌なのかわからない俺は、一人で飛んでいるシャルルに助けを求めるが、彼女は救いの手を出してはくれない。

「なんであの子には優しいのにあたしには・・・」

ブツブツと何かを呟いているシェリア。彼女は明らかに怒っているようで、頬を膨らませている。

ムニュッ

「!!」

そんな彼女の頬を突っついてみると、少女は驚いて触られた頬を抑えながら離れていこうとする。ただ、現在進路を決めているのはセシリーなため、思ったほど距離は取れていなかったが。

「な・・・何!?」
「いや、柔らかそうだったからつい・・・」

実際プニプニだったけどね、シェリアのほっぺ。ただ、和ませようと思ってとった行動だったのだけど、逆にシェリアの怒りを増幅させたみたいで、目も合わせてくれなくなる。

「ごめんってシェリアぁ」
「もうレオンなんか知らない!!」

完全に顔を反らしているので彼女の後頭部しか見えない。ここは釣れるかわからないけど、食事で釣ってみるしかないかな?

「何か奢るから許してよぉ」

シェリアは俺と違って食欲旺盛ではない。だからうまく行くか不安だったけど、意外にも彼女は顔をこちら側へと向き返してくれた。

「じゃあ、今度二人だけでお出かけしよ?」
「シェリアがそれでいいなら・・・」

食事じゃなくてお出かけというのが引っ掛かったが、ここはうなずくしかない。小さく二回うなずくと、少女は機嫌が直ったらしく笑顔になっていた。

「よし!!じゃあウェンディたちがどこまで行ったか見ないとね!!」
「あぁ・・・そうだね・・・」

正直そこまで誰かに監視されそうになってる二人が可哀想になってきた。しかし、止める術があるわけでもないので、大人しく従うしかないのであった。





















シリルside

その後、ウェンディが作ってくれたカレーを食べ終え、それぞれお風呂を済ませると、時刻は十一時を回っていた。

「それで・・・どうする?ウェンディ」

眠たくてショボショボしている目を擦りながら、目の前に腰掛け髪を解かしている少女に問いかける。

「シリルはどうしたい?」
「え!?」

少女は長くて艶々した髪をブラッシングしながら、小悪魔のような笑みを見せ質問返しをしてくる。

「そうだなぁ・・・」

この場合、なんて答えるのが正解なのだろうか?別々の方を選択して、ウェンディに一緒に寝たいと言わせた方がいいのか、はたまた俺の方からお願いした方がいいのか・・・

(なんで頭脳戦みたいになってるんだ?)

たかだか一緒に寝るか寝ないかの話し合いなのに、なんで深く考えて恋人相手に駆け引きをしようとしているのか、はっきりいって意味がわからない。

「一緒に寝よっか」
「うん!!そうする!!」

ここは自分の思ったままに発言をしようと思いそう言うと、彼女もそれを待っていたようで大きくうなずく。その後、髪を解かし終えたウェンディと共に、俺とレオンの寝室へと向かう。

「ちょっと待ってて!!枕持ってくるから!!」
「うん、わかった」

部屋に向かう途中、ウェンディがシェリアと眠っている部屋の前まで来ると、枕を取るためにその中へと入っていく。しばらく部屋の前で待っていると、少女は真っ白な枕を持ってくる・・・自分と同じくらいの大きさの。

「何その枕!?」
「えへへ♪すごいでしょ?」

ぎゅっとそれを抱き締めながら隣に並ぶ天竜。彼女は俺よりもさらに小さい。しかし、小さいから枕が大きく見えるのではなく、明らかに枕のサイズがおかしいのである。俺やウェンディなら、頑張ればそれをベッド代わりに眠ることもできるんじゃないだろうか?

「その枕・・・意味ある?」
「あるよぉ、特に今日は、ね」

よほど愛おしいのか、枕を頬擦りしている天竜を見て、彼女が何をしようとにているのかさっぱりわからなかった。彼女の不思議な寝具に気を取られていると、俺たちの部屋へと到着する。といっても、ウェンディたちの部屋のすぐ隣なんだけどね。

「ねぇ、シリル」
「ん?」

扉を開けて中に入ると、ウェンディが部屋を見回しながら名前を呼ぶ。

「その・・・確認なんだけどさぁ・・・」

モジモジしながら少しずつ顔を赤く染めていく少女。俺は彼女が何を考えているのかわからず、次に待つ言葉を待っている。

「一緒のベッドで寝てもいい?/////」
「!!/////」

すると、飛んできたのは予想外の問いだった。一緒の部屋で寝るとなった時から期待してはいたが、まさか彼女から言ってくるとは・・・

「う・・・うん!!もちろん!!/////」
「ホント!?やった!!」

ありがたい提案なのでここは即答で了承しておく。俺の回答を聞いたウェンディは、嬉しくて小さく跳び跳ねると、すぐに俺のベッドに飛び乗り、乗っていた枕をランプが置かれているテーブルの上に置く。
何してるのかな?とその後の行動を観察していると、彼女は持ってきた枕を空いたスペースに置く。

「はい!!シリル!!」
「はい・・・って?」

ビック枕の片側をポンポンと叩く少女の行動の意図を読み取れずにいると、彼女はベッドから起き上がり、俺の手をつかむ。

「一緒の枕で寝よ!!」

その時、彼女がこんなに大きな枕を持ってきた意味がようやく理解できた。どうやらウェンディは一緒のベッド、一緒の枕で寝てみたかったらしく、こんな枕を用意してたんだ。

「い・・・いいよ/////」

この時のためにわざわざ準備したのかと考えると、それだけでドキドキしてくるから不思議だ。俺は彼女に誘われるがままに、少女と共に布団の中に潜り込む。

(あ!!これやばい)

だが、入ってからあることに気が付いた。大きいと思っていた枕も見た目ほどではなかったようで、二人で頭を置くには見つめ合ってないとダメなのだ。

「/////」

すると、目の前の少女も今気付いたのか、はたまた狙い通りだったが心の準備が足りなかったのか、耳まで赤くして視線を反らしていた。

ムニュッ

そんな彼女が可愛らしくて、ちょっかいを出したくなった俺は、優しく頬を摘まんでみる。

(うわっ・・・超柔らかい・・・)

考えてみれば、彼女の頬を触るなんてことしたことがなかった気がする。摘まんでみた彼女のそれは、スベスベの肌と相まって、餅のように柔らかだった。

ツンツン

弾力のある天竜のほっぺを弄くっていると、それに対抗しようと少女も俺に視線を向け、頬を突っついてくる。

「シリルのほっぺ、柔らかいね」
「ウェンディのも柔らかいよ」

相手を弄っているのが楽しくなってきて、互いに相手のそれを手を休ませることなく触っている。
相手の頬を触るために顔を見つめ合っていると、不意に視界に、綺麗にリップクリームを塗られた唇が飛び込んでくる。

「ウェンディ」

彼女の顔を触っていた腕を伸ばし頭の後ろに回し、少女の顔をぐっと引き寄せる。そのまま、彼女は何をされるのかわかったのか、静かに大きな瞳を閉じると、唇を尖らせる。

それを見て、同様に目を閉じ、彼女の柔らかな唇に自分のそれを重ね合わせる。

「んん・・・」

久しぶりに互いの唇を重ね合わせていると、少女が思い切った行動に出てきた。
わずかに開かれた隙間から舌を出すと、こちらのそれに絡み合わせてくる。予想外の行動だったゆえに一瞬体が小さく震えたが、彼女がそこまでの俺のことを好きなんだと思うと嬉しくなってきて、ウェンディのそれに応えるように舌を絡ませる。

どのくらい大人なキスを楽しんでいただろうか、息が辛くなってきて絡み合わせていた舌を離し距離を置く。彼女もそろそろ限界だったようで、息遣いが荒くなっていた。

「ねぇ、ウェンディ」
「何?」
「今のキス、どこで覚えたの?」

普段の彼女からは絶対に想像できないような激しいキス。一体どこでそんな知識を得たのか知りもしない俺はそう尋ねてみた。

「シェリーさんがね、愛があるならこれくらい普通だって」
「あの人何教えてるの!?」

こんな小さな女の子にあんなことを教えるなんて、あの人は一体何考えてるのだろうか。

「シリル」
「ん?」

俺がシェリーさんの思考回路について考えていると、ウェンディがモジモジしながら名前を呼ぶ。

「もう一回・・・いい?」

さっきのキスが楽しかったのか、大人になった気分がよかったのか、さっきのキスを懇願するウェンディ。俺はそれにうなずくと、静かに少女の舌にそれを絡ませた。






















レオンside

ガタッ

時計はすでに次の日へと移り変わっており、辺りはすっかり暗くなっている。俺たちは近所迷惑にならないように鍵を開けると、そおっと自宅へと入っていく。

「どうなってるかな?」
「なんだかドキドキするわね」
「楽しみ~」
「起こさないようにね」

俺が鍵を閉め直している間に先にいくシェリアたち。彼女たちは俺とシリルの部屋の前まで行くと、音を立てないようにと静かに扉を開いていく。

「ちょっと、レオンも来なよ」

ギリギリ聞こえるかというくらいの小さな声で手招きする少女。プライバシーというものはないのかとため息をついた後、言われるがままにそちらへ向かい、部屋の中を覗き見る。

「いい感じじゃない?」
「あぁ、そうだね」

ランプが最小の明るさになっているから微かにしか見えないが、二人は一つの枕に頭を預け、互いの手を取りながら見つめ合うように眠っている。

「あ~あ、途中経過を見たかったなぁ」
「そうですか」

二人がこんなに楽しそうに笑みを見せながら眠っているのを見て、ニヤニヤが止まらないシェリアとエクシードたち。俺はそれに対し、冷静に答えることしかできないでいる。

「ねぇ、せっかくだからあたしたちも一緒に寝ない?」
「えぇ?狭いでしょ?」

二人の様子を見て満足したので、部屋から離れていく俺たち。その際、扉を閉める直前で、水髪の竜が無意識に藍髪の少女の額に自分のそれを合わせているのが見えて、まだまだ幼いなと思いながら、扉を閉めたのだった。





 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
今回は二人がイチャイチャできたと思うぞ!!←満足(^q^)
次はリオンを主役にしてのストーリーをしようかな。これは必ずやりたいと考えていたお話なので。 
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