英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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外伝~英雄達の大粛清~中篇
~オルキスタワー~
「ギュランドロス司令!?それにカーリアン様も……!」
「な、な、な………」
(嘘だろ、オイ……!あの”赤の戦鬼”が………!つーか、二人も担いで余裕の表情をしているとか、マジで化物じゃねえか……)
ギュランドロス達を見たマクダエル議長は驚き、オズボーン宰相はギュランドロスが担いでいるシグムントとテロリストを見て口をパクパクさせ、レクター書記官は信じられない表情をしていた。
「―――昨夜、赤い星座がテロリスト達と共謀して余達を暗殺するという情報を手に入れ、クロスベルに滞在している我が国の皇族であり、祖母であるカーリアンに協力を要請し、さらに手が足りない為現地の軍組織であるクロスベル警察、警備隊にも協力を要請した。」
「だ~れが祖母ですって!?まったく………ま、そういう事♪この私がクロスベルにいた事が運のつきね♪」
「―――それと待ち伏せしていた時に現れたテロリスト達も俺達クロスベル警備隊、警察が協力して拘束したぜぇ?んで、その後に襲い掛かって来た赤い星座を制圧させてもらった。これがその証拠だ!」
リフィア皇女の説明を聞いたーリアンはリフィア皇女を睨んだ後溜息を吐き、そして口元に笑みを浮かべて答え、さらにギュランドロスは言った後シグムントとテロリストを投げ捨て、投げ捨てられたシグムントとテロリストは全員に見えるような位置で気絶していた。
「おお……!という事はテロリスト達は君達が拘束したのかね!?」
倒れているテロリストを見たディーター市長は驚いた後明るい表情でギュランドロス達を見つめて尋ね
「―――はい。ちなみに、カルバード側のテロリスト達も拘束し、さらにその後襲い掛かって来た黒月の構成員達も拘束しました。」
尋ねられたルファディエルは微笑みながら答えた。
「なっ!?」
ルファディエルの答えを聞いたキリカ補佐官は驚き
「!?どういう事だ!先程報告した貴女達の報告と全く違う上、私の親しい友人達にそのような無礼な事をするとは!事と次第によってはただではすまさんぞ!?」
ロックスミス大統領は驚いた後怒りの表情で叫んだ。
「……その事については返す言葉もありません。――――ですがこれも全て宗主国たる二大国を信じて、あえて虚偽の報告をさせてもらいました。―――リフィア殿下達の暗殺をテロリスト達と共に計画した赤い星座と黒月の行動が、貴方達二大国の意向ではないと信じていましたので。」
するとルファディエルは申し訳なさそうな表情になった後不敵な笑みを浮かべ
「!!」
「なあっ……!?まさか!」
ルファディエルの話を聞いたオズボーン宰相は目を見開き、ロックスミス大統領は驚いた後声を上げてリフィア皇女達を見つめ
「―――ルファディエル警部のおっしゃる通り、黒月もカルバード政府に依頼され、テロリスト達や赤い星座と共謀して私とリフィア殿下の暗殺を計画したという情報を手に入れたのです。―――そしてそれを防ぐため、個人的に親交がある”嵐の剣神”セリカ殿達に黒月達を制圧する事を依頼しました。」
見つめられたレン皇女は不敵な笑みを浮かべて答えた。すると
「―――これがその書状だ。そして黒月や赤い星座を相手にするには手が足りなかった為クロスベル警察や警備隊にも依頼した。」
セリカが懐から書状を出して答え
「―――これがその委任状になります。」
「イアン弁護士。これなら自治州法で適用されるでしょう?」
さらにルファディエルも懐から書状を出して言い、続くようにヴァイスも懐から書状を出して言った後イアンに尋ね
「た、確かに適用されますな………」
尋ねられたイアンは戸惑いの表情で答えた。
「ふざけるなっ!これは冤罪だ!そのような事実、全てメンフィルと遊撃士協会が作った絵空事だろうが!」
するとその時ロックスミス大統領は怒りの表情で怒鳴った。
「あら………ならば、どうするおつもりなのですか?まさか”不戦条約”を提言したリベールと同盟を組んでいる我々メンフィルを疑い、剣を交わすおつもりなのですか?」
「それと勘違いしているようだが、俺は遊撃士ではない。―――俺はレウィニア神権国の客将だ。今回”休暇中”の所、急遽メンフィルと”傭兵”としての契約を結んだだけだ。俺がレウィニアの客将である事はメンフィル帝国や”ブレイサーロード”が証明してくれる。」
するとレン皇女は上品な微笑みを浮かべた後凶悪な笑みを浮かべて尋ね、さらに続くようにセリカは静かな表情で説明を続け
「大統領閣下!まさかメンフィル帝国に宣戦布告するおつもりなのですか!?」
「宰相閣下!まさかエレボニア政府も同じ考えなのですか!?」
レン皇女の話を聞いたカルバードとエレボニアから派遣されているマスコミは真剣な表情でそれぞれ叫び
「なっ……!?リ、リフィア殿下……レン姫……メンフィルはまさか………!(も、もしかしてこれも全てルファディエルさんが!?)」
「……何という事を………下手をすれば世界中が混乱してしまいますぞ……!?」
「………………………(ま、まさかこれら全て仕組んだのもあの天使なのか!?)」
「!!!」
「クッ……………!(想定外だわ………まさかメンフィルがクロスベルとオリヴァルト皇子と協力して大統領や鉄血宰相の失脚どころか、エレボニアとカルバードの混乱を狙って、ここまでしてくるなんて……!一体誰がこれ程の大それた事を考えたの……!?)」
一方クローディア姫は驚いた後表情を青褪めさせて身体を震わせながらリフィア皇女達を見つめ、ユリア准佐は信じられない表情で不敵な笑みを浮かべているルファディエルを見つめ、アルバート大公は信じられない表情をし、ロックスミス大統領は目を見開き、キリカ補佐官は内心混乱しながら唇を噛みしめた。
「―――そしてオズボーン宰相閣下、ロックスミス大統領閣下。テロリスト達を拘束したどころか、リフィア殿下達から二つの犯罪組織による魔の手を守ったことによるクロスベル警察、警備隊の防衛の優秀さが証明されたかと思われます。」
「グッ…………………!」
「おのれ……!全てはこの為だったというのか……!」
そして不敵な笑みを浮かべて言ったヴァイスの言葉を聞いたオズボーン宰相は悔しそうな表情で唸り、ロックスミス大統領は怒りの表情でヴァイス達を睨んだ。
「オズボーン宰相、ロックスミス大統領。今回のリフィア殿下達を暗殺しようとした容疑、そして国際犯罪組織である赤い星座並びに黒月を検挙してもよろしいですね?」
するとその時不敵な笑みを浮かべたルファディエルはオズボーン宰相とロックスミス大統領を見つめて尋ね
「………………………………好きにするがいい。」
「……遺憾ながら仕方ないな…………彼らを捕えて構わん………」
尋ねられたオズボーン宰相とロックスミス大統領は怒りの表情でヴァイス達を睨んだ後気を取り直して静かな表情で言い
「―――ダドリー!これより”赤い星座”並びに”黒月”の制圧及び強制捜査を開始しろっ!動かせる局員なら全員使っても構わん!指揮はお前が取れ!」
「………………」
2人の答えを聞いたヴァイスはダドリーに視線を向けて命令したが、一連の流れを見ていたダドリーは驚きのあまり、絶句した状態で固まっていた。
「どうした!事は一刻を争う!グズグズしていたら連中に逃亡されるぞ!?―――ルファディエル!お前も手伝ってやれ!」
「―――了解しました。行くわよ、ダドリー。念願の”黒月”と”赤い星座”の検挙でしょう!?」
「手が足りなければ警備隊も使って構わん!司令である俺が許可する!後、こいつらや地下で拘束している奴等も残らず拘置所にぶち込んでおけ!」
「――――!!了解しました!これより、”赤い星座”並びに”黒月”の強制捜査及び制圧を開始します!おい、あそこに倒れているシグムント・オルランドとテロリストを拘置所まで連れて行け!ただし、両方とも拘束し、気絶しているとはいえ、絶対に油断するな!―――エマ君、私だ!大至急一課と二課……いや、タワーの警備についていない全局員、さらに警備隊にも連絡して全員で手分けして……………」
「―――こちら、ルファディエル。セルゲイ、今から”黒月”と”赤い星座”の制圧を開始するから人を集めて頂戴!……え?本当に大丈夫かって?……―――大丈夫よ!既に両政府から許可は貰っているわ!……ええ……………」
しかしヴァイスとヴァイスに指示されたルファディエル、ギュランドロスの喝に我に返った後真剣な表情で答え、そして会議室を出て、会議室前にいる警官達に指示をした後エニグマで通信をしながら同じように通信をしながら飛行するルファディエルと共に走り去り、さらにダドリーに指示をされた警官達は拘束されたシグムント達と共に会議室から出て行き
「う、嘘……!こんな大捕り物、もう2度ととれないわ!?で、でもこっちのスクープも気になるし……!ああもう、仕方ない!レインズ君!大至急課長に今の出来事を報告しなさい!」
「わ、わかりました!」
「私達も行動しないと!」
「カルバードにとっても見逃せない記事だ!クッ……だが、こちらはこちらでかつてないほどのスクープが取れそうだから今この場を離れられないのが口惜しい……!仕方ない!黒月の検挙の取材は君に任せる!」
「はい!それでは行ってきます!」
その様子を見たグレイスは驚いた後考え込み、そして悔しそうな表情をした後カメラマンに指示をし、指示をされたカメラマンはエニグマで通信を始め、さらに周囲のマスコミ達も騒ぎ始めて部下に行動を命じたりし、命じられたマスコミ達はそれぞれ急いで会議室を出て行った。
「………………………」
一方ロイドは口をパクパクして固まり
(し、信じられない……!まさかエレボニアとカルバードに冤罪を押し付けて強引に赤い星座と黒月の検挙の許可を取った挙句、ロックスミス大統領と鉄血宰相の失脚を狙うなんて……!)
(ほ、本当にいいんでしょうか……?こんな大それたことをしてしまって………)
エリィは信じられない表情をし、ノエルは不安そうな表情をし
(アハハ!本当にあのロックスミス大統領と鉄血宰相を嵌めたじゃないか!凄すぎるよ!)
(あ、ああ………まさかメンフィルが手を組んでまで、そこまでするなんて………思ってもいなかったな……)
(さすがルファディエル姐さん!まさに敵無しッスね!)
(マジで凄すぎです、ルファディエルさん………!というか今ここで歴史的に残る場面が起こった瞬間に立ち会った気がするのですが。)
ワジは笑顔で言い、リィンは驚きの表情で言い、ランディは嬉しそうな表情で、ティオは静かな笑みを浮かべてそれぞれ小声で言った。
「―――ロイド!お前達も行け!お前達は応援の警官や警備隊員が来るまで先行して地下で拘束され、ルイーネやリタ達に見張られている赤い星座、黒月、テロリスト達を全員地上まで連れて行った後、ダドリーかルファディエル、あるいはセルゲイの誰かから指示を仰げ!」
するとその時ヴァイスはロイド達に振り向いて指示をし
「!!了解しました!」
「はいっ!」
「合点承知です……!」
「アイサー!」
「イエス・サー!」
「フフ、”教団”の事件をも越えるクロスベルの大捕り物の開幕だね。」
「失礼します!」
指示をされたロイド達はそれぞれ答えた後会議室を出て、走り去って行った……………
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