転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1402話
ファブニールによる賊軍の基地の壊滅の報は、ナデシコ世界を駆け抜けた。
それも当然だろう。まさか1機の機体相手に基地1つが全滅に近い被害を受けたのだから。
その上、賊軍の士気を低める為に戦闘の映像をこちらから提供すらしたのだから、話題にならない訳がなかった。
「なるほど。各機関の稼働率も中々ね。コーネリア、他に何か気になったことは?」
「ふむ、そうだな。動力炉の連動が上手くいっていないように思える時があった。グラビティブレスを使用した直後に数秒だが機体の出力が下がっていたな。本来ならそういう時に時流エンジンの方から出力が提供される筈なのだろう?」
「そうね。その辺のシステムに関してはニーズヘッグで技術的な蓄積は十分な筈だったんだけど……後で少し確認してみるわ」
コーネリアの言葉に頷きながら、レモンは書類に何かを書き記していく。
いや、何かって訳じゃなくてファブニールを使っている時の改良点とかの洗い出しだろう。
当然あの基地での戦いが初めてファブニールを動かしたという訳ではないし、武装テストに関しても今まで何度も行ってきた筈だ。
それでもやはり実戦となれば色々と違う事も多いんだろう。
それを確認する意味で、こうしてホワイトスターにある家で聞き取り調査をしている訳だが……いや、別にここでやらなくてもいいと思うんだけどな。
「はいはい、2人共そのくらいにしておきなさい。そろそろ夕食よ」
そう言いながら、マリューが料理を運んでくる。
料理を作るのはマリューと千鶴の事が多く、自然とこの家で出る料理は和洋折衷となっている。……いや、超包子の分もあるから、そこに中華も入るのか。
ともあれ、今日は豚肉の生姜焼きが大量に作られていた。
「わぁっ! やっぱり千鶴の生姜焼きだ! これ、美味しいんだよね。その辺のお店で食べるよりも、こっちの方が美味しいと思うくらい」
美砂が生姜焼きを前に、嬉しそうに叫ぶ。
実際には漂ってきた匂いで大体何の料理かは分かっていたんだろうが、こうして改めて目の前に料理が出てくると喜びも大きいといったところか。
「ふふっ、特製のタレに漬け込んでから焼くのよ。ただ、よくあるように焼く時にタレも一緒に焼くんじゃなくて、お肉だけを焼くのがポイントね」
「へぇ。そうなの? この前TVで見たのだと、漬け込んだタレと一緒に焼いてたけど」
「それはそれで美味しいんでしょうけど、私の場合は違うわね」
たっぷりの千切りキャベツの上に乗っかった豚の生姜焼き。
普通にキャベツの千切りを出されたりしたら、サラダとかもであまり食う気はしないんだけど、豚肉の生姜焼きと一緒に出てくると何故か妙に美味く感じるんだよな。
生姜焼きのタレと肉汁で味付けされるからか?
でもトンカツとかでもキャベツの千切りは美味く食べられるし、お好み焼きは……いや、お好み焼きの場合は千切りじゃなくてみじん切りか。
ともあれ、豚の生姜焼きと一緒に食べるキャベツも千切りはこの上なく美味いというのは間違いのない事実だった。
そんな風に考えている間にも、生姜焼き以外の料理が次々に並べられていく。
さっぱりとした漬け物、煮魚、ポテトサラダ、アサリの味噌汁等々。
今日の夕食は典型的な家庭の夕食といった感じのメニューだな。
「さて、じゃあ食べましょうか」
この家の中では母親代わりと言ってもいいマリューのその言葉と共に食事が始まる。
まず最初に箸を伸ばすのは、当然豚肉の生姜焼き。
見て分かる程に照りを感じさせるその豚肉を口の中に放り込み、炊きたての飯を口の中へ。
瞬間、生姜焼きと飯が口の中で混ざり、えもいわれぬ美味さを作り出す。
「美味い、な」
ポツリと呟いたその声に、千鶴は嬉しそうな笑みを浮かべる。
「そう? アクセル君に喜んで貰えて良かったわ。お代わりはまだまだあるから、一杯食べてね?」
千鶴の言葉に頷き、再び肉と飯を……そしてキャベツの千切りを口へと運ぶ。
先程とは違い、口の中一杯に広がる美味さの中にシャキシャキとしたキャベツの食感が混ざる。キャベツにかけられた自家製マヨネーズの濃厚な味も一緒になり、先程とは同じようでいていて違う美味さが口の中へと広がる。
「ふふっ、アクセルったらまるで子供みたい」
「そう言われてもな。美味いんだから、素直に味わってもいいだろ」
笑みを浮かべて告げてくるレモンにそう言葉を返し……暫くの間、賑やかな食事の時間が続くのだった。
「じゃあ、ビームサーベルの方は問題なかったのね?」
「ああ。1本ずつ使うのも、1つに纏めて使うのも、どちらも問題はなかった」
「そう、ありがと。これで取りあえずの報告はいいわ。もっと詳しいのは、後日報告書として提出してちょうだい」
どうやらレモンとコーネリアの話が終わったらしい。
食事が終わった後に再開されたその話し合いには、当然のようにマリューも参加していた。
食事の後片付けは今日は円と美砂の番なので、特に問題はなかったのだろう。
「それで、ファブニールの方はどんな感じだ? もう量産体制に入ってるんだし、大規模な改修って訳にはいかないだろ?」
「ええ。ただ、そこまで重要な問題は起きてないからアクセルが心配しているような事にはならないわ。どれも少し調整すれば解決する筈よ」
「動力炉の連携についてもか?」
「そうね。そっちは少し面倒だけど、それでも量産体制から見直す必要がある程ではないわ」
どうやら本当に多少の調整で済むらしい。
この辺は技術班の凄さに驚くべきか、それとも呆れるべきか……普通なら動力炉関係に問題が出れば大騒ぎになってもおかしくはないんだが。
「そっちの話は終わった? なら、ライブについて話したいんだけど」
そう言ってきたのは、食後の運動として柔軟体操をしていたシェリルだ。
……足を大きく開いて、その上で上半身を床に付けるという身体の柔らかさをこれでもかと見せていた。
いや、皆このくらいは出来るんだけどな。
ただこうして少し離れた場所で見ていると、部屋着というか薄着という事もあってシェリルの豊かな双丘が床に押し潰されている光景が目に入る。
シェリルのこんな姿、男にとっては目に毒以外のなにものでもない。
まぁ、シェリルがこんな姿を人に見せるなんて事はまずないんだが。
見せるのはシェリルが心から信頼している、ここにいる面子くらいの前だけだろう。
「……シェリル、アクセルが獣の目になってきてるから、その辺にしておいて」
レモンの言葉に、シェリルは小さく肩を竦めてから起き上がる。
「何よ、毎晩見て、触って、味わってるんだから別に今更いいじゃない。……まぁ、それはともかく、ライブの件よ。SEED世界のミーアはライブに参加することを承諾したし、話は続けてもいいのよね?」
「そうね。エザリアの方にはもう話を通してるんでしょ?」
「ええ、勿論」
レモンの言葉にシェリルは頷き、なら問題はないだろうとレモンが頷く。
そんなやり取りを見ていた円が、念を押すかのようにシェリルへと声を掛ける。
「シェリル、言っておくけど私達は……」
「分かってるわよ。私だって別に無理に円や美砂をライブに参加させようとは思わないわ。まぁ、一緒にライブをやれば面白いんだし、出来れば一緒にやりたいとは思うんだけど」
小さく肩を竦めるシェリルに、円は安堵の息を吐く。
「何でそこまで嫌がるんだ? 別に歌が嫌いって訳じゃないだろ?」
「……そうね。別に歌が嫌いって訳じゃないわよ? でも、私や美砂がやったのはあくまでも趣味の領域なのよ。本気でやっているシェリルと一緒のライブに出るのはちょっとね」
「あー、うん。私もそんな感じ。これが知り合いだけを集めたようなライブなら、まだ出ようと思ったかもしれないけど、今回やるライブってのはナデシコ世界で初めてやる大きなライブでしょ? それも、人を大勢集めてやるような。その……ミーア・キャンベルだっけ? その人はよく出る気になったわね。ラクスの物真似で有名になった人なんでしょ?」
「違うわ」
美砂の言葉を遮るように告げたシェリルは、真剣な表情で言葉を続ける。
「確かに最初はラクスの物真似で有名になったのかもしれない。けど、あの子の歌を愛する気持ちは間違いなく本物よ。そのうち、しっかりと芽を出してくるでしょうね。あたしがやるのは、その芽が伸びるのを少しだけ早める手伝いだけよ」
「……そんなに才能があるの?」
「そうね。ただ、この世界は才能があるだけで上に来る事は出来ないのよ。才能があって、その上で努力をして、そんな人達の中から選ばれたほんの一握りの人だけがトップシンガーになれるの。……まぁ、時々実力もないのに時流に乗る形で上に来る人もいるけど、大抵そういう人はすぐに潰れていくわね」
そう告げるシェリルの瞳の中には、マクロス世界の芸能界でこれまで生き残ってきたが故の……それでいながら、銀河の妖精と呼ばれるだけ頂点に君臨し続けた者ならではの強い意思の光がある。
「随分とあのミーアって奴を気に入ったんだな」
俺の言葉に、一瞬前まで浮かべていたシェリルの表情が小さな笑みへと変わる。
「そうね。気に入ったかどうかで言えば、間違いなく気に入ったんでしょうね。あの子の歌声は、確かに今はラクスにそっくりと言われてるわ。……けど、あのまま才能が伸びていけば、いつかミーアがラクスに似てるんじゃなく、ラクスがミーアに似ていると言われる日が来るかもしれないわね」
……へぇ。予想以上にミーアの事を買ってるらしい。
ここまで買ってるとは思わなかった。
「まぁ、ラクスの場合は人に聞かせる歌じゃなくて、自分が歌いたくて歌ってる歌だし、その歌にしても最近は仕事の方が忙しいし、キラとの生活もあってあまり練習をしてないらしいけど」
「それを言うのなら、シェリルもアクセルとの生活で忙しいのではないか?」
飲んでいた紅茶をテーブルの上に置きながら告げるスレイに、シェリルは一瞬だけ意表を突かれた表情を浮かべるも、すぐに笑みを浮かべて口を開く。
「あら、私の場合は公私をきっちりと使い分けているし、何より時間に関しては魔法球があるもの。……正直、シャドウミラーに所属していなければこうして恋人を作る事は出来なかったでしょうね」
視線を俺の方へと向けて告げながら、小さくウィンクをしてくる。
……いやまぁ、嬉しいかどうかと言われれば嬉しいけどな。
そもそも俺とシェリルでは、元々住む世界が大きく違う。
片や銀河の妖精と呼ばれる程の歌手であり、片や軍事国家の代表……ただし当時はPMCの一パイロット。
普通に考えれば、殆ど接点のない俺とシェリルが付き合えるようになったのは、偶然の力が大きい。
俺とシェリルの初対面は、シェリルが偶然にも正体を隠してフロンティア船団の中を出歩いていた時に遭遇したというものだ。
それからも何だかんだと縁があり、最終的には付き合うようになった。
……普通に考えれば、まず有り得ないような奇跡が何度も起こった結果だと言ってもいい。
奇跡は起きないから奇跡なんだ……ってのが何かの台詞であったと思うが、俺の場合は元々色々特殊な性格の為かトラブルに巻き込まれやすく、その度に奇跡とも呼べるような事を繰り返してきたという経験を持つ。
そう考えれば、俺とシェリルが付き合うようになったのも決しておかしな出来事ではないんだろう。
もっともそれを言うのなら、俺とシェリルだけじゃなくてレモンを含めた恋人達全員に言える事だが。
「魔法球があるというのは、シャドウミラー最大の特徴ですものね。正直、シャドウミラーで魔法球がなければ、恐らく途中で瓦解していたと言ってもおかしくないと思いますわ」
そう告げたのは、あやかだ。
政治班として働いており、その分エザリア程ではなくても魔法球を使って休憩をしているからこその感想だろう。
あやかと千鶴が増えたとしても、政治班の人数が少ないのは間違いない。
エザリア1人だった時と比べればレオンもいる分楽になっているとは思うのだが、それでもまだ人数が十分という訳ではない。
……エルフ達からこっちにも人を回して貰うようにするべきか?
いや、でも精霊の卵と技術班で十分忙しいしな。
それに政治班に所属するとなれば、当然他の世界の人間と関わり合う事は避けられない。
今のところはその辺が問題ないが、中には人間至上主義的な世界と関わる可能性も決して否定は出来なかった。
だとすれば、人間以外の種族がそういう相手を交渉するとなれば、間違いなく敵対的な事になる……のは向こうの自業自得にしても、エルフ達に被害が出てしまう可能性は否定出来ない。
書類整理専用の担当という事であれば、まだ何とかいけるかもしれないが……
詳しい判断をするには高度な知識といったものが必要になる。
いや、エルフの寿命を考えれば、知識を身につけるのはそこまで負担にならない……か。
そうだな、今度エザリアにその辺を相談してみるか。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1200
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