転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1400話
こっちに向かって放たれたビームライフルの一撃を、対ビームシールドで防ぐ。
ビームの一撃は容易に防ぐ事が出来たのだが、向こうもそれは承知の上だったのだろう。
真っ直ぐにこっちへ一直線に向かってくる機体は、ガンダム。インパルスガンダムだ。
本来はシンが乗るべき機体なのだが、現在のパイロットはルナマリア。
ビームライフルを撃ちながら、真っ直ぐこっちとの距離を縮めてくる。
……いや、原作でも最終的にはルナマリアがインパルスのパイロットだったんだから、この流れは特におかしな話じゃないのか。
ともあれ、ビームライフルをシールドで防ぎつつ、俺はひたすらに待ちの一択。
俺が乗ってる機体は、ザフトの新型のニューミレニアムシリーズの1つ、グフイグナイテッドだが、パクリ……もとい、モチーフになったUC系のグフと同じく遠距離専用の武器が殆どない。
主力武器はグフと言えばこれの、スレイヤーウィップ。それと実体剣としても使えるビームソード。そしてさっきからインパルスのビームライフルを防ぎ続けている、対ビームコーティングが施されたシールド。
唯一の射撃武装が両腕の前腕に装備された4連装ビームガンなのだが……その名の通り、ビームガンであってビームライフルではない。つまり射程が短い。
その分速射性能に秀でており、近距離での射撃能力はかなり強力なのだが……それだって、そもそも接近しなければ意味はないんだよな。
一応500mm無反動砲があるが、これは巨大過ぎてグフの持ち味である機動力を殺す事になるので今回は装備として選択していない。
……モチーフにしたくらいなら、グフカスタムのようにガトリングシールドくらいは持たせてくれてもいいと思うんだけどな。
そこまでいかなくても、ザクが使っているビームライフルとか。
「ま、ないものねだりをしてもしょうがないってな!」
このまま一方的に敵の攻撃をシールドで防ぎ続けるというのも俺らしくないので、グフの機体特性でもある高い機動力を活かして宇宙空間をインパルス目掛けて突っ込んで行く。
俺との距離を縮めようとしていたインパルスは、ここで俺が近づいてくるのは予想の範囲内だったのだろう。ビームライフルを撃ち続けながらもう片方の手にビームサーベルを装備する。
「さて……近距離戦闘になれば、こっちが有利だぞ?」
呟くと同時に機体を斜めに傾けさせ、一瞬後にはグフイグナイテッドのあった場所をビームが貫く。
……へぇ、狙いが結構正確だな。
誤射マリアと呼ばれた原作とは違って、ルナマリアは射撃も得意らしい。
ただ……それでも俺にビームを命中させる事が出来る程のものではない。
その後もスラスターを細かく噴射させ、ジグザクに動きながらインパルスとの距離を縮めて行く。
……機体の追従性については、もう何を言っても無駄だから文句を言うつもりはないが、それでもやっぱりストレスがない訳ではない。
一応グフイグナイテッドは原作同様に数はあまり多くなく、実質的にエースパイロットの専用機という扱いになっている筈なんだけどな。
距離を縮められ、これ以上はビームライフルを撃っても隙が大きくなると思ったのか、インパルスはビームサーベルを振り上げ、こちらとの距離を縮めてきた。
へぇ、普通ならここで一旦距離を取ってビームライフルでの攻撃に専念する奴が多いんだが……思い切りがいいな。
こちらもビームソードを展開し、インパルスのビームサーベルを受け止める。
同じビームによる近距離用の兵器だが、純粋な威力はこっちの方が大きい。
向こうもそれを理解していたのか、力に力で対抗するのではなくこちらの攻撃を受け流そうとし……
「甘い」
だが、次の瞬間にはビームソードを持っている右手とは逆の左手前腕に装備されている4連装ビームガンから何条ものビームが放たれる。
射程距離が短い代わりに速射性を重視したビームが、次々にインパルスへと叩き込まれる。
既にシャドウミラーのお家芸と化しているPS装甲の発展版でもあるVPS装甲を装備しているインパルスだが、発展版ではあっても防御力自体はPS装甲とそれ程の差は存在しない。
いや、電力配分とかで普通のPS装甲使用機よりも長時間稼働が可能になっている点は評価するが、そもそもシャドウミラーの機体は動力炉が永久機関のブラックホールエンジンだ。
PS装甲で全く問題がなく、それどころかPS装甲を開発したマリューがいる事もあり、シャドウミラーのPS装甲技術はSEED世界でストライクに使われた物に比べると格段に進歩している。
つまり、VPS装甲であってもPS装甲特有の弱点はそのままな訳であり……インパルスの右腕に連続してビームが命中し、右肩から先端が破壊されて宇宙へと漂っていく。
『なっ!?』
機体が接触した影響だろう。インパルスのパイロットでもあるルナマリアの驚愕の声が聞こえてくる。
「ほら、この程度で動揺してどうする!」
そう言った瞬間、左手のビームサーベルが慌てて振るわれる。
真っ先に俺へと振り下ろされるビームサーベルだったが、慌てて反射的に振るったのが丸分かりだ。
スラスターを使って機体を斜めにし、ビームサーベルを躱す。
まさか今のタイミングで攻撃を回避されるとはルナマリアも思っていなかったのか、一瞬戸惑ったようにインパルスの動きが止まり……
「そこで動きを止めるな。戦いの中で動きを止めるのは、自分の命を消す事と同義と知れ」
再度放たれる4連装ビームガン。
ただし、今度は同時に右手に持ったビームソードも宇宙空間を斬り裂くかのように放たれ、インパルスの左肩が切断され、頭部が連射されたビームによって破壊される。
そして俺の動きはここでは止まらない。その動きに続くようにして左手で高周波パルスを発生させたスレイヤーウィップをインパルスの両足に巻き付け、破壊。
胴体のみになったインパルスに仕上げとばかりにビームソードを突き刺し……映像モニタに、俺の勝利だと示す文字が映し出される。
シミュレーションで色々と本物とは違うんだろうが、それでも中々にいい動きだったな。
満足しながらシミュレータを出ると、丁度俺の隣からルナマリアが降りてくるところだった。
そして俺を見ると、少し興奮した様子で俺の方へと近づいてくる。
「アクセルさん! 本当にグフに乗ったのって今日が初めてなんですか!? 凄い普通に乗りこなしてましたけど!」
何だ、ルナマリアの性格から考えると、てっきり自分が圧倒されたのが面白くなくて不機嫌になるのかと思ってたんだけどな。
まさか、こうも上機嫌になるとは思わなかった。
「MSは前の戦争でも乗ってたしな。それに、ザフトから輸入しているザクには俺も乗った事があるし」
「それでも凄いですよ! うーん、私もMSの操縦には自信があったんですけど、まさかああまで手も足も出ず一方的にやられるとは思ってもみませんでした。さすがアクセルさんですね!」
「ちょっとお姉ちゃん。興奮し過ぎだってば! 少し押さえてよ」
「何よ、メイリンだって見てたんでしょ? 初めて乗ったMSであそこまで戦えるのよ!?」
「いや、分かってる。分かってるから……全く、何だってこう……」
溜息を吐くメイリン。
何気に苦労性だよな。
「時間は……どうやらまだ暫くあるな」
部屋の中にある時計を見ると、シェリルとの約束の時間までまだ1時間以上あった。
ちなみに現在俺達がいるのは、ミーア・キャンベルの事務所からそれ程離れていない位置にある基地……と呼ぶよりは駐屯地とでも呼んだ方がいいような、基地より多少格が落ちる施設。
それでもシミュレータの類はしっかりとあったので、シェリルとミーアの事務所の社長……サニーとの打ち合わせが行われている中、暇な俺達はずっと事務所の中にいるのもつまらないので、どこかで時間を潰すという事になった。
その際にルナマリアから提案されたのが、近くにこの施設があるという事だった。
……まぁ、あくまでもザフトの施設なので、当然ながらシャドウミラーの正式採用機であるシャドウを始めとしたPTのデータは存在せず、それどころか同じMSでも連合軍の物もデータはなかった。
いや、幾らオーブがこの世界を実質的に支配していて、前回の戦争も和平を結んでいても、未だに連合軍とプラントが敵対国家だというのは変わっていないんだから、その辺は無理もないのだが。
で、そうなると俺が使えるMSは精霊の卵が導入した際に何度か試してみたザク……正式にはザクウォーリアしかなかった訳だ。
それでもニューミレニアムシリーズという事で、操作感覚はそれ程変わらないというグフ……正式にはグフイグナイテッドがあったので、そちらを使う事にした。
原作だと色々と不遇のMSだったしな。
ハイネなんかキラのせいで後ろからステラに真っ二つにされるという結末になってしまったし。
それでも個人的には結構好きなMSだったので、今回のシミュレーションもお遊びに近いし使ってみたんだが……
うん、ザクウォーリアと比べてもかなりいい機体だった。
確かコンペでザク、グフ、ドムの3つが争って、最終的にはザクが量産機として普及し、グフがエース機という扱いになったんだったか。
ドム……ドムトルーパーは、ラクスを支援していた……いや、ラクスの率いている組織だったか? ともかくターミナルとかいう組織がデータを抜き出して量産したが、この世界だと普通にザフトの正式MSとして採用されている。
ただ、設計の方で微妙に問題があったらしく、未だに試作機が主であって正式量産機とはいえない状況らしいけど。
個人的にはドムも結構好きだったんだよな。ホバー移動とかロマンだし。
「ね、アクセルさん。今度は一緒にチームを組んで戦ってみませんか? 相手は連合軍で。最近思ったよりも成績が伸びなくて……」
ルナマリアの言葉に、改めて時計へと視線を向ける。
まだ1時間あるが、出来ればシミュレーションだけじゃなくてザフトの街中をもう少し見て回りたい。どうせならお土産として何か買っていきたい気もするしな。
「今回は遠慮しておく。もう少し街中を見て回りたいからな。ただ、アドバイスをするなら……攻撃する時にマニュアル通りの行動が目に付く。もう少し相手の意表を突くかのような、奇をてらった動きというのもやってみた方がいい」
この辺は実戦経験の少なさが影響してるんだろ。
前の戦争が終わってから、小競り合いの類はあってもそこまで大きな戦いはこの世界では起きていない。……正確にはロゴスのメンバーに量産型Wがくっついており、プラントにも量産型Wがいて、オーブからも人が派遣されているので大きな戦いを起こす事は出来ないというのが正しい。
宇宙海賊の類は少なからず存在しているので、そういう相手との小競り合い程度は起きるのだが……それだって、結局小競り合いである以上、すぐに戦いは終わってしまう。
つまり、ルナマリアはその操縦技術の高さとは裏腹に、実戦経験が驚く程少ないのだ。
この辺、ルナマリアと同年代のシャドウミラー実働班……アウル、スティング、レイと比べると大きく劣っているところだろう。
いや、あの3人はその辺のベテランパイロットよりも余程に実戦経験豊富だが。
シャドウミラーの実働班にいるという事は、こと実戦に関しては幾らでも経験出来る。
特にマブラヴ世界に行けば、BETAが幾らでもいるし。
……まぁ、BETAのような弱い敵を倒してどれだけ経験を得られるのかは……
そこまで考え、ふと思う。
BETAか。オーブではアークエンジェルを始めとして何度もBETAと戦っていたが、ザフトや連合軍から戦力を募ったことはなかった。
地球ではもうシャドウミラーが活躍する場所は少ないが、火星であれば話は別だ。
それにルナマリアは原作でもお気に入りだったし、こうして直接会って、会話をしても色々と面白い相手だ。
それにザフトのMSを使っているという事は、精霊の卵にとってもいい刺激になるのも事実。
そうだな、結構いけるか? ザフト上層部と連合軍上層部に話を通すのは色々面倒かもしれないが、それだけの価値はあると思うし。
「……アクセルさん、どうしました?」
黙り込んだ俺に対し、ルナマリアが尋ねてくる。
「いや、それよりルナマリア。お前……別の世界に行ってみたくないか? 別の世界で実戦経験を積めば、お前の腕はもっと上がると思うが……どうだ?」
そんな俺の問い掛けに、ルナマリアは何を言ってるんだろうといった意表を突かれた表情を浮かべ……やがて俺の言っている意味を理解したのだろう。驚きの声が周囲に響き渡るのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1200
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