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英雄伝説~菫の軌跡~(閃篇)

作者:sorano
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第2話

~グラウンド~



「ヤァァァァァ……ッ!」

レンとの模擬戦を開始したサラ教官は先制攻撃に雷が発生する弾丸を連射するクラフト―――鳴神でレンを攻撃し

「!アークス駆動。怒りを穂先に変え、前途を阻む障害を貫け――――ロックブレイク!!」

襲い掛かる弾丸を側面に跳躍して回避したレンは戦術オーブメントを駆動させた後魔導杖に組み込まれてある敵の足元から鋭利な岩を出現させて貫く特殊魔法―――ロックブレイクを発動した。

「!!」

足元から発生した鋭利な岩に気づいたサラ教官は間一髪のタイミングで後ろに跳躍して回避したが

「えいっ!ダークマター!!」

「!?チッ……!時間差によるアーツの発動とはやってくれるじゃない……!」

続けてレンが発動したアーツによってダメージを受けると共に自分がいた場所まで引き寄せられて身体の動きを封じ込められた。サラ教官が重力によって身体の動きが封じ込められている間にレンはサラ教官に近づき、杖を扱ったクラフト―――杖術を放った。

「円月輪!六行六連!!」

「……っ!」

技を連携してきたレンの杖術をダークマターによる拘束が解けたサラ教官は間一髪のタイミングで強化ブレードで次々と防いだ。

「朧月夜!!」

「ハアッ!」

そしてレンが魔導杖で真円の月を描くかのような打撃を繰り出した時サラ教官は跳躍して空へと退避し、そのまま猛スピードで落下しながら電撃を帯びた強化ブレードをレン目がけて叩き付けた。

「セイッ!」

「!」

「これはオマケよ!」

「っと!」

空からのサラ教官の一撃を後ろに跳躍して回避したレンは強化ブレードを地面に叩き込んで地面に電撃を発生させた後銃で続けて放った雷の弾丸を魔導杖の鞘を抜いて仕込み刀を振るって斬り落とした。



「―――裂甲断。ヤアッ!」

空から奇襲して銃で追撃するサラ教官のクラフト―――電光石火を防いだレンは反撃に魔導杖を地面に叩き付ける事で直線状に広範囲の凄まじい衝撃波を発生させ

「!!」

地面から発生した衝撃波に気づいたサラ教官は間一髪のタイミングで側面に跳躍して回避した。

「二の型―――洸破斬!!」

「ハアッ!ヤァァァァァ……!」

続けて放たれた仕込み刀による神速の抜刀から放たれる鋭い衝撃波を空へと跳躍して回避したサラ教官は空中からクラフト―――鳴神をレン目がけて放った。

「エニグマ駆動。――――粋護陣。」

空から襲い掛かる雷の弾丸に対してレンは素早く戦術オーブメントを駆動させた後闘気を収束した結界で自分自身を覆って防ぎ

「クスクス、逃がさないわよ♪」

「!?チッ………!」

空からの攻撃を防いだレンはサラ教官が地面に着地する瞬間仕込み刀で薙ぎ払いの構えをして足元から光の渦を発生させてサラ教官を自分の元へと引き寄せ、引き寄せられたサラ教官は迎撃の構えをした。

「洸閃牙!!」

「甘いわよ!!」

レンが薙ぎ払い攻撃を放ったその瞬間サラ教官は強化ブレードで渾身の一撃を放った。それぞれの一撃がぶつかり合った瞬間二人を中心に凄まじい衝撃波が発生した後二人はそれぞれの攻撃がぶつかり合った際の衝撃によって後ろへとふっ飛ばされ、それぞれ同時に空中で受け身を取って着地した。

「えいっ!サンダーシクリオン!!」

「うあッ!?………ッ!クッ、よりにもよってこのあたしに雷のアーツで攻撃するなんて、皮肉のつもりかしら……!?」

そして駆動を終えた戦術オーブメントで嵐と共に雷を発生させる広範囲の高火力風属性アーツを受けて悲鳴を上げたサラ教官はすぐに攻撃範囲内へと退避して唇を噛みしめてレンを睨んだ。

「秘技―――裏疾風!」

「ッ!」

続けてレンは電光石火の速さでサラ教官に強襲して仕込み刀で攻撃し、サラ教官はギリギリのタイミングで強化ブレードでレンの攻撃を防ぎ

「斬!!」

「ハアッ!」

自身の背後へと回った後追撃に放った広範囲の斬撃波を空へと跳躍して回避して地面に着地した。



「馬鹿な!?」

「あ、あのサラ教官と互角の戦いをしているじゃないか!?」

「それどころかサラの方が押されているね。サラはアーツによるダメージを2回受けたけど、対するレンはまだダメージを受けていないし。」

「わ、私達、夢でも見ているの……?」

「そう思うのも無理はありませんが現実です……」

「レンは”八葉一刀流”を一体どこまで修めているんだ……!?”裏疾風”の前に仕込み刀で放った斬撃波――――”洸破斬”は”奥伝”を認められた者が扱える剣技だ……!」

一方二人の戦いを見守っていたユーシスとマキアスは信じられない表情をし、フィーは静かな表情で分析し、アリサとエマは呆け、リィンは驚きの表情でレンを見つめていた。

「”本気”を出していない状況であの強さなのだから、下手をすればレンは2年生どころか教官も含めてトールズに所属している人物の中では”最強”といっても過言ではない実力なのかもしれないな。」

「世界は広いな……オレ達よりも年下の女の子が教官と互角の戦いができるなんて………」

ラウラは真剣な表情でレンを見つめ、ガイウスは静かな表情でレンを見つめていた。



「チッ、憎たらしいくらいに実力があるわね……!確か魔導杖(オーバルスタッフ)は最近使い始めたと聞いていたけど、あれは嘘の情報だったのかしら……!?」

「うふふ、レンは”真の天才”で既に他の武術で下地はできていたのだから1ヵ月もあれば十分よ♪それよりもまだSクラフトは放ってきていないけど、まさかレンに”本気”で挑まずに二刀流剣術を使わせることができると思っていたのかしら?」

舌打ちをして自分を睨むサラ教官に対してレンは笑顔を浮かべて答えた後意味ありげな笑みを浮かべてサラ教官を見つめた。

「言ったわね……だったらそっちのお望み通り、”本気”を出してあげるわ!後悔しない事ね!雷よ、あたしに力を―――はぁぁぁっ!!」

レンの挑発に乗ったサラ教官は雷を自身に宿して身体能力を上昇させるクラフト―――雷神巧で自身の身体能力を上昇させ

「さあ、行くわよ!せいっ、はぁぁ、やあっ!」

「っ!きゃっ!?」」

更に跳躍してレンの目の前に強化ブレードを叩き付けて電撃のフィールドを発生させた後凄まじい速さでレンの全方向に移動しながら雷の衝撃波を放ち、電撃のフィールドでダメージを受けたレンは襲い掛かる雷の衝撃波を回避していたが衝撃波の後に放った雷を発生させる弾丸によって発生した周囲に降り注いだ雷を受けるとダメージを受けた。

「受けきれるかしら?――――オメガエクレール!!」

そしてサラ教官がレンの正面から一回り大きい雷の衝撃波を放ったその時!

「ハアッ!」

レンは魔導杖を素早くしまってパトリック達との模擬戦から今まで頑なに抜かなかった二振りの小太刀が収めてある鞘から二振りの小太刀を抜くと同時に目の前まで襲い掛かって来た雷の衝撃波を斬り裂いた!



「あ…………」

「先程まで頑なに抜かなかった二振りの剣をついに抜いたな……しかもあの二振りの剣は………」

「リィンの”太刀”に似ているよね……?」

「ああ……ただリィンのよりは一回り小さいようだが……」

レンが二振りの小太刀を抜く様子を見たアリサは呆け、ラウラは真剣な表情でレンが持つ二振りの小太刀を見つめ、ある事に気づいたエリオットの疑問に頷いたガイウスは不思議そうな表情をし

「あれは東方から伝わっている”太刀”を一回り小さくした剣――――”小太刀”だ……!”小太刀”は”太刀”を失くした時の非常用の得物として携帯する剣でもあり、護身用として子供や女性も扱えるように軽量に作られているけど、刀身が太刀より短い事もあって実際に使いこなすには敵の懐に飛び込まなければならないから、扱いは太刀よりも難しい武器だ……!(小太刀二刀流の幼い女性剣士……しかも”八葉一刀流”も扱える………―――!?まさか彼女は老師の話にあった………!)」

エリオットとガイウスの疑問に答えたリィンはある事に気づき、驚きの表情でレンを見つめた。



「フフン、案の定抜いた上ダメージも喰らったわね。これであんたも”井の中の蛙”だって事を思い知ったでしょう?」

「うふふ、別にレンは幾ら自分が”天才”だからってレンが負ける人なんて存在しないみたいなおバカな事は一度も思った事はないわよ?現にレンよりも実力が上の人達なんてパパやお兄様とかレンの周りにもたくさんいるもの。それに諺にもあるでしょ?”油断は禁物”って♪」

一方サラ教官は得意げな笑みを浮かべてレンに問いかけたが、対するレンは笑顔を浮かべて答えた。

「そう……だったら、今日からその周りの人達の中にあたしも入れる事ね……!」

そしてサラ教官は戦闘を再開する為に武器を構えなおし

「クスクス、レンについてこられたら、考えなくもないわよ?スゥゥゥゥ……ハッ!二の型・改―――裏疾風!」

レンは小悪魔な笑みを浮かべて答えた後クラフト―――軽巧で自身の身体能力を上昇させて電光石火の速さでサラ教官に詰め寄って二振りの小太刀を繰り出した。

「!!」

「双牙!!」

「ハアッ!」

自分の背後に回った後二振りの小太刀による二つの斬撃波を空へと跳躍して回避したサラ教官は反撃にクラフト―――電光石火をレンに叩き込む為にそのまま強化ブレードに雷を宿して空からレンに強襲しようとしたが

「二の型・改―――双波洸破斬!!」

「なっ!?グッ!?」

レンが空にいる自分に対して迎撃代わりに放った二振りの小太刀の抜刀によって放たれた神速の鋭い衝撃波を受けてしまい、ダメージを受け、レンはたたみかけるようにダメージを受けて地面へと落下するサラ教官に追撃した。

「空破―――――」

「チッ……!」

レンが一歩前に踏み込んだ瞬間レンはサラ教官の前に現れて突きを繰り出し、繰り出された突きをサラ教官は間一髪強化ブレードで防いだが

「絶掌撃!!」

「しまっ―――あうっ!?」

突きを繰り出した後一瞬で自分の背後に回って放った強烈な突きは受けてしまい、ダメージを受けると共に怯んだ。



「斬魔飛影斬!!」

「ぐっ!?」

怯んだ事によって僅かにできたサラ教官の隙を逃さないレンは電光石火の速さで跳躍しながら5連続の斬撃を叩き込んでサラ教官の頭上へと跳躍して空中で素早く武器を銃へと変え

「アクロバレット!!」

「!!」

空中で回りながら怒涛の銃撃を放って広範囲を銃撃し、サラ教官は空から放たれた銃弾の嵐をかいくぐって攻撃範囲外へと退避した。

「鳳凰天駆!!」

「!!」

そして銃をホルダーに収めて無手になって鳳凰のオーラを纏って突撃して来たレンの空からの強襲攻撃をサラ教官は側面に跳躍して回避し

「もらいっ!」

続けて反撃にレンに詰め寄って強化ブレードを振るった。

「剛烈破掌!!」

「チッ………!」

しかしレンはサラ教官の強化ブレードが自分に襲う瞬間闘気を纏わせた両手の拳を爆発させて攻撃を相殺すると共に爆発の衝撃によってサラ教官をふっ飛ばし

「二の型・改―――疾風追連!!」

「!!」

サラ教官をふっ飛ばした後再び鞘から二振りの小太刀を抜いて電光石火の速さでサラ教官に詰め寄って斬撃を叩き込み、サラ教官は襲い掛かる二振りの小太刀を間一髪のタイミングで強化ブレードで受け流した。

「四の型・改―――紅葉散華!!」

「っ!?」

攻撃を受け流されたレンはたたみかけるように双剣を鞘に収めてサラ教官の背後へと疾走すると同時に抜刀して広範囲の鎌鼬を発生させてサラ教官にダメージを与え

「魔神剣・双牙!!

続けて双剣を振るって連続する二つの衝撃波をサラ教官に放った。

「好きにはさせないわよ!セイッ!これはオマケよ!」

「キャッ!?」

襲い掛かる衝撃波をクラフト―――電光石火で回避すると同時にレンの背後に回ったサラ教官は銃撃でレンにダメージを与えた。

「うふふ、まさか反撃をもらうとは思わなかったわ。さすがサラお姉さんね。―――それじゃあ、サラお姉さんもSクラフトを見せてくれたことだし、そろそろレンも双剣でのSクラフトを見せてあげるわ♪風巻く光よ、レンが綺麗に咲かせてあげる!ヤァァァァァァァ………!」

「く……っ!?」

勝負を一気に決める為にレンは二振りの小太刀を一旦収めて抜刀して、全身に風を纏ってパテル=マテルに飛び込んで一瞬で無数の斬撃をサラ教官に叩き込んだ後、二振りの小太刀に凄まじい闘気と風を纏わせながら一瞬でサラ教官の背後へと駆け抜けると同時に斬撃を叩き込むと、風の刃による一輪の華がサラ教官を中心に咲いた!

「咲き誇れ―――風神烈華!!」

「キャアッ!?くっ、あ、あたしとした事が………!」

レンのSクラフト―――風神烈華をまともに受けてしまった事によって戦闘不能に陥ったサラ教官は地面に膝をついた!



「……………」

「う、嘘…………」

「サ、サラ教官に勝った………!?」

「凄まじい剣技の嵐であったな……」

「ああ……それに最後に放った剣技……あれには”風”自体がレンに集まったように感じたが………」

「……………………」

サラ教官の戦闘不能を見てレンがサラ教官に勝利した事にマキアスは口をパクパクさせ、アリサは呆け、エリオットは信じられない表情をし、ラウラの感想に頷いたガイウスは考え込み、マキアスは口をパクパクさせ

「ありえん!?戦闘技術だけが唯一の取り柄のサラ教官を破るとはあのガキ、一体何者だ……!?」

「というかサラ、生徒のわたし達の目の前で生徒のレンに負けるなんて、カッコ悪すぎだね。ユーシス達の時と違って、レンが相手だとこんなことになる可能性も十分に考えられたんだから、やめときゃよかったのに。」

「フィ、フィーちゃん、言い過ぎですよ。」

ユーシスは驚きの表情で叫び、フィーは呆れた表情でサラ教官に指摘し、エマは冷や汗をかいてフィーに指摘した。

「そこ、うっさいわね!あ~、もう!これだからレンがウチのクラスに来るのは正直勘弁して欲しかったのよ~!実力が拮抗している生徒なんてやりにくいったらありゃしない!」

「クスクス、実力が拮抗しているって言っているけどサラお姉さんはレンに負けちゃったわよ♪」

ユーシスとフィーを睨んで声を上げたサラ教官は地面に寝転がって空を睨んで疲れた表情で声を上げ、その様子をレンは面白そうに見守りながら指摘した。



「ぐっ……!今日のあたしは本調子じゃなかったから、負けただけよ!」

そしてレンの指摘に唸り声をあげた後すぐに反論したサラ教官の言葉を聞いたリィン達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

(どう考えても本調子で本気で戦ったようにしか見えなかったよね……?)

(フン、負け犬の遠吠えとは見苦しい。)

(しっ!聞こえたら不味いぞ……!)

エリオットとユーシスの小声を聞いたマキアスは小声で指摘したが

「聞こえているわよ!エリオット、ユーシス、マキアスの3人は次の授業の時に次の”特別実習”でのおさらいの意味も込めてあたし自らが特別に相手をする模擬戦をするから、ありがたく思いなさい!」

「ええっ!?」

「か、勘弁してくださいよ!」

「おい……!貴様のせいで俺達まで教官と模擬戦をする羽目になっただろうが!?」

「ま、まあまあ……」

サラ教官に睨まれて次の授業でサラ教官と自分達が模擬戦をする羽目になった事を伝えられると表情を青褪めさせ、ユーシスはレンを睨み、その様子を見たエマは冷や汗をかいて諫めようとした。



「ハハ……まさかあの”小剣聖”とこんな形で会う事になるなんて、思わなかったよ。」

するとその時リィンは苦笑しながらレンを見つめて声をかけた。

「リィン?もしかしてレンの事を知っているの?」

「ああ………老師から聞いた事がある。―――若干9歳で僅か1ヵ月で八葉一刀流”二の型”の奥義皆伝を極め、更に自分自身で一刀流である八葉の剣技を二刀流用の剣技へと編み出し、老師が彼女の才能を”鬼才”と称した史上初の女性の剣聖にして最年少剣聖――――”小剣聖”。それが彼女だ。」

「ええっ!?きゅ、9歳で、しかもたった1ヵ月でリィンが使っている剣技を極めたの!?」

「しかも自分で二刀流用の剣技へと編み出したって、普通に考えたらありえなくないか!?」

アリサの質問に答えたリィンの説明を聞いたエリオットとマキアスは信じられない表情で声を上げた。



「うふふ、レンは”真の天才”だもの♪ちなみに最近になるけど”アルゼイド流”の剣技も習って、子爵さんから”免許皆伝”って言われたわよ♪」

「ええっ!?と言う事は………」

「!?父上がそなたに”アルゼイド流”の”免許皆伝”を認めたというのは本当なのか……!?それに一体いつ父上にアルゼイドの剣を指導してもらったのだ……!?私が知る限り、私がトールズに入学するまでそなたをレグラムで見た事はないぞ……!?」

レンの答えを聞いてある事を察して驚いたエマはラウラを見つめ、ラウラは信じられない表情で声をあげてレンに問いかけた。

「クスクス、それについてはレンに聞くよりラウラお姉さんのパパである子爵さんに直接聞いた方が早くて信憑性があると思うわよ♪」

「……肝心な所をはぐらかせるのが得意なのも相変わらずだね。というかパトリック達との模擬戦の時に何で得物を使わなかったの?得物を使った方がもっと早くパトリック達を制圧して、”力の違い”を思い知らせたと思うのだけど。」

ラウラの問いかけを笑顔で誤魔化すレンの様子に呆れた表情をしたフィーはある事をレンに訊ねた。

「や~ね♪そんなの勿論パトリックお兄さん達がレンに勝つ為にたくさん努力して無手のレンとまともに戦えるようになった時に得物を使ったレンが再び圧倒的な強さでパトリックお兄さん達を制圧したら、絶望するかもしくは心が完全に折れてレンに逆らう気概を失くすだろうから、そっちの方が面白いでしょう?」

笑顔を浮かべて答えたレンのとんでもない答えを聞いたリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「あ、悪趣味………」

「幾ら何でもそれはさすがにパトリック達が可哀想だろ………」

「フン……貴族嫌いのこいつにまで同情されるとはあの小者達が相当憐れな証拠だな。」

「………………」

我に返ったアリサはジト目でレンを見つめ、疲れた表情で呟いたマキアスの指摘を聞いたユーシスは鼻を鳴らしてこの場にはいないパトリック達を憐れみ、ラウラは厳しい表情でレンを睨んでいた。するとその時立ち上がったサラ教官が手を叩いて自分に注目させた。

「今回の実技テストは以上。それじゃ、さっそく今月の”実習地”を発表するわよ。」

「そ、そうでしたね……」

「今月はどこかな。」

「さ、受け取ってちょうだい。」

そしてサラ教官はリィン達に”特別実習”のメンバー表を配った。





6月特別実習





A班:リィン、アリサ、ユーシス、ガイウス、レン



  (実習地:ノルド高原)



B班:マキアス、エリオット、ラウラ、エマ、フィー



  (実習地:ブリオニア島)





「これって……」

「”ブリオニア島”は確か……帝国南部の外れにある島だったな。」

「ラマール州の沖合いにある遺跡で有名な島だったはずだ。しかし――――」

メンバー表と実習地を確認したエリオットは目を丸くし、マキアスの話にラウラは頷いた後考え込み

「……………………」

(ま、まさかとは思うけど……ううっ、ようやくユーシスさんとマキアスさんが和解した矢先に……というかどうして私の班ばかり……)

フィーはラウラから視線を外して黙り込み、その様子に気付いたエマは表情を引き攣らせた後疲れた表情で溜息を吐いた。

「―――”ノルド高原”。確か帝国北東の先の方だったわよね?」

「ええ、ルーレ市の先……国境地帯の向こうになるわね。」

「古くより遊牧民が住む高地として知られる場所だな。」

一方レンの疑問にアリサとユーシスはそれぞれ答え

「あ、それって確か……」

「ガイウスの故郷だったよな?」

実習地がガイウスの故郷である事に気付いたエリオットは目を丸くし、リィンはガイウスに視線を向け

「ああ、そうだ。A班には高原の集落にあるオレの実家に泊まってもらう。よろしくな―――リィン、アリサ、ユーシス、レン。」

視線を向けられたガイウスは頷いて説明した。



そしてレンにとって初めての”特別実習日”が来た―――――!
 
 

 
後書き
という訳でレン、編入早々サラに勝っちゃいましたwwまあ、原作のレンでもサラ相手だったら、互角かそれ以上と思われますから、原作キャラの強さがブーストされている光と闇の軌跡シリーズよりもさらに強さがブーストされているこの作品のレンだと、魔人化とか全ての能力を使えばサラすらも圧倒的に勝てるでしょうから、何の違和感もありませんねwwなお、サラ戦の戦闘BGMは”Belief”のスーパーアレンジverで、レンが双剣を抜いたところからのBGMは空EVOの”銀の意志”に変わると思ってください♪ 
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