オズのボタン=ブライト
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第八幕その五
「最初思っていたよりも」
「早く終わったじゃろ」
「夕方近くまでって思っていました」
「大抵の者がそう言うのじゃ」
「そうなんですか」
「もっと時間がかかると思っていたとな」
実際にというのです。
「言うのじゃ」
「そうなんですね」
「かなり難しいと思ってな」
「確かに地下や一階はかなりでしたね」
「しかしな」
「それでもですか」
「徐々にな」
上に進むにつれてというのです。
「慣れるし狭くなって簡単になってな」
「こうしてですね」
「思ったよりも早くクリアー出来るのじゃ」
「そういうものですか」
「わしも同じじゃった」
他ならぬ王様もそうだったというのです。
「これは夕方までに終わらぬとな」
「思っておられたんですね」
「そうじゃった、しかしな」
「こうしてですね」
「思ったより早く終わって」
そしてというのです。
「こうして頂上でな」
「景色も楽しめたんですね」
「そうじゃ」
満面の笑みでの言葉でした。
「こうしてな」
「そうですか」
「うむ、ではな」
さらに言った王様でした。
「ここから降りようぞ」
「ここにいてね」
ボタンが言ってきました。
「景色も観たいけれど」
「いや、それには」
カルロスがボタンに言います。
「ちょっとバランスが悪いよ」
「ここは?」
「うん、ピラミッドの頂上はね」
「狭いから」
「ブロック幾つか分しかないじゃない」
それだけの広さしかないからというのです。
「しかも風があるし」
「吹き飛ばされたりとか」
「そうしたこともあるから」
「それじゃあだね」
「うん、ここに長くいるのはよくないよ」
「じゃあ降りないと駄目だね」
「それに僕達の他に迷路を進んでいる人もいて」
このことも言ったカルロスでした。
「後から来るだろうから」
「その人の邪魔にならない様に」
「是非ね」
「もう降りるんだね」
「そうしよう」
「うむ、カルロスの言う通りじゃ」
王様もカルロスのその言葉に頷きます。
「ここはな」
「すぐにですね」
「降りるべきじゃ」
まさにというのです。
「そうしようぞ」
「わかったよ」
ボタンもこう返しました。
「それじゃあね」
「降りてな」
「それからは」
「うむ、トイレをしたい人はトイレをしてな」
そしてというのです。
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