英雄伝説~光と闇の軌跡~(碧篇)
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第4話
2人が岩扉の先に進むと、そこは広間となっており、さらに祭壇らしき設備があった。
~アルタイルロッジ・祭壇~
(あ……!)
(いた……!)
広間に出た2人は祭壇の近くにいるアーネストとハルトマンを見つけ、厳しい表情をした。
「クク……ヨアヒム師から聞いた通りだ。この場所なら私の目的も万事滞りなく達せられるだろう。」
祭壇の近くにいるアーネストは階段の先にある祭壇を見上げて妖しげな笑みを浮かべて呟き
「クッ……いい加減にしないか!ヨアヒムといい貴様といい、気が触れたようなことを…………!き、貴様らの妄想に私を巻き込むんじゃない!」
アーネストの様子を見たハルトマンは唸った後アーネストを睨み
「ハハ、あなたこそ人の事をとやかく言えるような立場かな?”楽園”でしたか………あんな場所を利用していた割にはずいぶんと偉そうな物言いですな?」
睨まれたアーネストは振り向いてハルトマンを見つめて言い
「あ、あれは教団の手先に騙されて連れて行かれただけで…………あんな悪趣味な場所と知っていれば断じて首を突っ込んだりしたものか!おまけに妙な薬まで盛られて…………わ、私の方こそ完全な被害者だ!」
アーネストの言葉を聞いたハルトマンは慌てた様子で答えた後アーネストを睨んだ。
「やれやれ、そのような釈明が世間に通用するとお思いですか?クロスベルタイムズが独占取材したらさぞ盛り上がってくれるでしょうな。」
「ぐっ…………」
そして妖しげな笑みを浮かべたアーネストに見つめられたハルトマンが唸ったその時
「そこまでだ……!」
ロイドとノエルが2人の所に武器を構えて走って近づいた。
「おお、お前達は……!」
2人を見たハルトマンは明るい表情をし
「おやおや、君達か。面倒な連中を撒いたと思ったらとんだザコが紛れ込んで来たものだ。」
アーネストは意外そうな表情をした後静かな笑みを浮かべた。
「その巨大な祭壇……ここがロッジの最奥か。アリオスさん達はどうした!?」
「ああ、”風の剣聖”と”嵐の剣神”、”紅き魔女”や”真銀の霊女”と捜査一課のエースどのか。さすがに厄介だったので足止めさせてもらったよ。今頃、魔導人形20体と悪魔20体相手に翻弄されている頃だろう。」
ロイドに睨まれたアーネストは不敵な笑みを浮かべて答え
「なっ…………」
「あの化物を40体も……」
アーネストの話を聞いたロイドは驚き、ノエルは厳しい表情をした。
「おかげで師から受け継いだコマを使いきってしまったがね。だが、これであの連中も確実に始末できるだろう。私はゆっくりと、この聖なる場所で目的を果たさせてもらうとしよう。」
「させるか!」
アーネストの言葉を聞いたロイドは叫び
「手を上げて投降しなさい!」
ノエルはサブマシンガンをアーネストに向けて警告した。するとその時アーネストの全身から瘴気が出た後アーネストの目が紅色になり
「やれやれ……状況がわかっていないようだな。それにしても、エリィの姿がなぜ見えないのかと思っていたが…………なるほど、一時的に支援課を離れてマクダエル先生の手伝いをしているのか。」
アーネストは不敵な笑みを浮かべて言った。
「くっ…………!」
「ま、まさかロイドさんの記憶を……!?」
アーネストの言葉を聞いたロイドは唇を噛みしめ、ノエルは真剣な表情でアーネストを睨み
「さらに新市長と新議長による新たな体制・法案作りへの協力…………なるほど、そうする事でこれまで以上に支援課が動きやすい政治的な足場を作るつもりか。フン、新市長の提案らしいがなかなか興味深い試みじゃないか。」
「…………………………………」
アーネストの独り言をロイドは黙って睨みながら聞き
「だが、エリィのような人材を警察ごときに埋もれさせておくのは愚かとしか言いようがないな。しかも君ごときがエリィと恋人同士だと……?ふむ、私が市長となった暁には特務支援課は解体させ、君は解雇させてもらおう。そして彼女は私の専属秘書として存分に才能を発揮してもらい………私が彼女の恋人になろう。うんうん、それがいい。そうしよう!」
(くかかかかっ!男の嫉妬はみっともないぜぇ~?)
アーネストはロイドを睨んだ後不敵な笑みを浮かべて頷き、アーネストの言葉を聞いていたギレゼルは笑い
「ふざけるな……!あんたのふざけた妄想にエリィを巻き込ませないし、俺の大切なエリィをあんたごときに渡すものか!」
アーネストの言葉を聞いたロイドは全身に闘気を纏いながらアーネストを睨んで怒鳴った!
(ロイドさん、凄い迫力…………)
(くかかかかっ!いいぞ、ロイド!もっと言ってやれ!あの女は『俺の物』だって事をもっとあの小物に教えてやれ!)
ロイドの様子を見たノエルは驚き、ギレゼルは笑いながら焚き付けていた。
「フン…………そもそも、君のような小僧がエリィと釣り合うものか。彼女の目を覚まさせるためにも悪い芽は摘み取らせてもらおう。オォォォォォ……………ハアッ!!」
一方アーネストは鼻を鳴らしてロイドを睨んだ後魔人化した!
「ひいいいっ…………!?」
魔人化したアーネストを見たハルトマンは悲鳴を上げ
「こ、これが…………!」
「ああ、紅いグノーシスによる魔人化だ!」
アーネストを睨んでいるノエルにロイドは答えた。
「フフ、この聖なる場所ではいつもの覚醒も殊更心地よい………大いなる望みを叶える前のささやかなる供物……せいぜい足掻いて、もがいて、のた打ち回ってもらうぞ!」
「そうはいくか……!来い―――ギレゼル!!」
「くかかかかっ!ここで真打ち登場だぁっ!」
アーネストの言葉を聞いたロイドは叫んだ後ギレゼルを召喚し、召喚されたギレゼルは陽気に笑いながら槍を構え
「対象一名、制圧を開始します!」
ノエルは叫んだ後ロイド達と共に戦闘を開始した!
こうしてロイド達は魔人アーネストとの戦闘を開始した!
「うおおおおお……………はああああああっ!!」
戦闘開始時ロイドはクラフト―――ブレイブハートで身体能力を上昇させ
「受け取りなぁっ!勇士の符術!!」
ギレゼルは魔術でノエルの身体能力を上昇させ
「援護、ありがとうございます!さあ……行きますよ!ハアッ!!」
ギレゼルの援護にノエルはお礼を言った後スタンハルバードに電撃を流して攻撃するクラフト――――スタンスマッシュで攻撃したが。
「フン!!」
アーネストは素早い動きで回避し
「喰ラウガイイッ!!」
「うっ!?」
クラフト―――紫電掌で反撃し
「オォォォォォ……………ハアッ!!」
さらにクラフト―――バーニングフィンガーで追撃した!
「!!」
アーネストの攻撃をノエルは間一髪で回避し
「くかかかっ!我輩を忘れるんじゃないぜぇっ!!」
「グッ!?」
さらにギレゼルがクラフト―――加速襲撃で攻撃してダメージを与え
「そらよっ!!」
続けてクラフト―――薙ぎ払いを放った!
「サセン!!」
アーネストが薙ぎ払った槍の攻撃をアーネストは後ろに跳躍して回避した後反撃に移ろうとしたが
「行きますよ………!ファイアー――――ッ!!」
「グッ!?」
ノエルが放ったクラフト―――アサルトラッシュによる怒涛の連射攻撃を受けて怯み
「これでも…………喰らえっ!!」
「オノレ!?」
ノエルが攻撃をし続けている間に2丁の銃に持ち替えたロイドが2丁の銃にエネルギーを溜め、溜め終わったエネルギーを弾丸として放つクラフト―――チャージショットを受けてさらにダメージを受け
「こいつも喰らいなぁっ!!」
「ガッ!?」
さらにギレゼルが放った魔術―――連続闇弾を受けてダメージを受けた!
「調子ニ……乗ルナ―――――――――ッ!!」
ダメージを受け続けたアーネストは叫んだ後
「ハハハハハッ!闇ノ力ヲ受ケルガイイ!オォォォォ…………!!」
剣を地面に刺し魔法陣を展開した。すると魔法陣はロイド達を暗黒で包み込み始めると共に体力を吸収し
「ほいっと!」
それを見たギレゼルは翼を羽ばたかせて上空へと退避した。
「怨!!」
そして剣を地面に刺したアーネストが叫ぶとロイドとノエルの足元から暗黒の刃が現れた!
「ぐっ!?」
「あうっ!?」
暗黒の力で敵の体力を奪い取るアーネストのSクラフト―――闇神楽を受けたロイドとノエルは大ダメージを受けて怯んだ!そしてロイド達の体力を奪い取って傷を回復したアーネストはロイドに向かい
「死ヌガイイッ!!」
クラフト―――ダブルザンバーで攻撃した!
「おっと!我輩の存在を忘れるんじゃないぜ!くかかかっ!!」
「チィッ!マタシテモ貴様カッ!!」
しかしクラフト―――加速襲撃で強襲して来たギレゼルに気付き、舌打ちをしてロイドに攻撃するのを止めて、一端後ろに跳躍して回避し
「回復弾、発射します!!」
アーネストが後退するとノエルはグレネードから回復弾を空に向かって撃ち、回復弾の中に入っている特製の治療薬を降り注がせて自分達の傷を回復するクラフト―――バイタルグレネードでアーネストの大技で受けた自分とロイドの傷を回復し
「そこだっ!チェインバレット!!」
ロイドはクラフト―――チェインバレットで2丁の銃で怒涛の連射を放った!
「グゥッ!?」
ロイドが放つ銃弾に込められた退魔の効果も秘められた魔力の弾丸を連続で受け続けたアーネストは怯み
「エーテルバスター起動!…………ファイアー!!」
「グアッ!?」
ロイドが銃で連射して攻撃している間にグレネードにエネルギーを溜め終わったノエルはセティ達に依頼し、グレネードに付与してもらった機能―――『エーテルバスター』機能によるすざましいエネルギーで攻撃するクラフト―――エーテルキャノンを解き放って追撃し
「もう一丁、喰らいなっ!!」
「ガッ!?」
さらに再びクラフト―――加速襲撃で強襲して来たギレゼルの攻撃を喰らい
「ヒャッハー―――ッ!!」
「アアアアッ!?」
続けて放ったギレゼルのクラフト―――流黒の闇槍を受けてさらにダメージを受け続けた!
「ギレゼルさん!下がって下さい!!」
「!!」
その時、ノエルは警告し、警告を聞いたギレゼルは空中へと退避した。するとその時
「目標を撃破します!それっ!ハァァァァァァァ!」
ノエルはグレネードで巨大なネットを放ってアーネストを拘束した後サブマシンガンで怒涛の連射を放ち
「これで………終わりです!!」
連射を放ち終えたノエルはミサイルランチャーを構えて、複数のミサイルをアーネストに放った!
「ガアアアアアッ!?」
息もつかせぬ集中砲火を浴びせるSクラフト―――ブラストストームを受けたアーネストは大ダメージを受けたのか悲鳴を上げた。
「ギレゼル、頼む!」
「よっしゃあっ!乗って来たぜぇっ!!」
その時ロイドはギレゼルに呼びかけた後アーネストに怒涛の連射を放ち
「ほら、そら、そら、まだまだあるぜっ!!」
ロイドが連射を行っている間に自分の背後に無数の暗黒属性で出来た槍を召喚したギレゼルは槍を次々と放ち
「最後の一撃、行くぜぇ、ロイド!!」
「ああ!!」
魔槍を放ち終えたギレゼルは自分が持つ魔槍に闘気を溜め込んだ後、ロイドに呼びかけ、そして突撃し、ロイドは2丁の銃を同時に放って人の姿を囲むほどの大きな弾丸を放ち、ギレゼルは放たれた弾丸と共にアーネストに突撃して攻撃した!
「「マターデストラクト!!」」
「グアアアアアアアアアアアア――――ッ!?」
ロイドとギレゼルが放ったコンビクラフト―――マターデストラクトを受けたアーネストは大ダメージを受けて悲鳴を上げたが
「ククク………ハーッハッハッハッハッハッ!!」
全身に再び瘴気を纏わせて笑い始めた!
「くっ…………これは……!」
「ぜんぜん効いてない……!?」
「ほう~。小物の癖にタフじゃねえか。」
膨大な瘴気を纏って笑いだしたアーネストの様子を見たロイドとノエルは唇を噛みしめ、ギレゼルは感心していた。
「ひ、ひいいいっ……!」
一方ハルトマンは悲鳴を上げた後ロイド達やアーネストに背を向け
「わあああああああっ…………!」
叫びながら走って逃げだした!
「おやおや……勝手な退場は困りますねぇ。あなたが好き勝手していた自治州議会ではないのだから。」
それを見たアーネストは不敵な笑みを浮かべた後片手から暗黒の球体を発生させて、ハルトマンに向けて放った!
「ぐぎゃっ……!」
アーネストが放った球体に命中したハルトマンは悲鳴を上げた後地面に倒れて気絶した!
「ああっ……!?」
それを見たノエルは声を上げ
「アーネスト、貴様……!」
ロイドはアーネストを睨んだ。
「フフ、まだ利用価値はあるから軽く気絶させただけさ。それより、他人のことを心配している余裕はあるのかな?」
睨まれたアーネストは全身から膨大な瘴気を発生させ
「くっ…………!」
「こ、これは………」
「お?まさかのお約束の展開って奴か~?」
アーネストが発生させた瘴気にロイドとノエルは厳しい表情をし、ギレゼルは興味深そうな表情になった。
「クク、教団のロッジはすべて七耀脈の真上に作られている………その真上で覚醒することで”D”へと至る扉を開くことが可能になる…………フハハ、師から聞いた通りだな!」
そしてアーネストは叫びながら剣を地面に刺した!するとアーネストは巨大化した魔人の姿に変化した!
「そ、そんな…………」
「くっ……あの時のヨアヒムと同じか!」
変わり果てたアーネストを見たノエルは信じられない表情をし、ロイドは唇を噛みしめた。
クク……コレゾ師ノ至ッタ境地……コレデ総テノ真実ハ我ノモノニ……………………?…………………ナゼダ………………ナゼ何モ視エナイ…………?
「……?」
「な、何だか様子が変です…………」
戸惑っている様子のアーネストを見たロイドは眉を顰め、ノエルは真剣な表情で呟いた。
……ナゼダ……!ナゼ”D”ガ視エナイ…………!真ナル神ノ息吹ガドウシテ感ジラレナイノダ!?コレデハ話ガ違ウデハナイカ!!
「クッ……しっかりしろ!ヨアヒムが真実を語っていたとは限らないだろう!?」
混乱している様子のアーネストを睨んでロイドは叫んだが
ダ、ダマレ!ダマレダマレダマレエエッ!マアイイ………マズハ手始メニ貴様ラヲ贄トシテクレル…………ソノ上デくろすべるへ帰還シ、御子トえりぃヲ奪ッテクレルワ!
アーネストは大声で叫んでロイドの言葉を耳に入れず、気を取り直してロイド達を睨んで叫び
「こ、このっ…………!」
アーネストの言葉を聞いたロイドはアーネストを睨んだ。
「ロイドさん、危ない!」
するとその時ノエルは警告し、ノエルの警告に気付いたロイドが後ろに跳躍するとロイドがいた場所に巨大な剣が落下して地面に刺さり、地面からは衝撃波が発生した!
「クッ…………」
「なんて化物…………」
衝撃波を受けた2人は地面に膝をつき
「ほう~……ちと厳しいかもしれねぇな。」
ギレゼルは感心した後呟いた。そしてアーネストは地面から剣を引き抜き
ククク、ソレデハサラバダ…………矮小ナル己ノ身ヲ嘆イテ塵ト化スガイイ―――!
剣を構えてロイド達に振り下ろした!するとその時!
「はあああああっ!!」
ロイド達の背後からアリオスが飛び込み、アーネストが振り下ろした剣を受け流した!
「ナ…………!」
攻撃を受け流されたアーネストは驚いた。すると何発もの弾丸や高速剣技、さまざまな属性の魔力弾がアーネストに命中し
「グオオオオッ…………!?」
攻撃が命中したアーネストは怯んだ!するとダドリーやセリカ達も駆け付けた!
「あ…………!」
「ダドリーさん、アリオスさん、セリカさん、レシェンテさん、リタちゃん!」
アリオス達を見たノエルとロイドは明るい表情をし
「やれやれ……何とか間に合ったか。」
ダドリーは静かな笑みを浮かべ
「今までよく持ちこたえたな。」
(ほう……見かけによらず、中々耐えたようだの。ククク……将来が楽しみな者達だの。)
「フフ、お待たせしました。」
「わらわ達がいればもう大丈夫じゃ!」
セリカは口元に笑みを浮かべて呟き、ハイシェラは感心した後不敵な笑みを浮かべ、リタは微笑み、レシェンテは胸を張って言った。
「皆さんこそよくご無事で……!」
「フン、さすがに40体は手こずらせてもらったがな。話は後だ!まずはコイツを無力化する!」
ロイドの言葉に鼻を鳴らして答えたダドリーは声を上げ
「尋常な相手ではない!我々の全力をぶつけるぞ!」
アリオスは号令をかけ
「はい!」
「イエス・サー!」
アリオスの号令を聞いたロイドとノエルは立ち上がって大声で返事をし、武器を構え直した!
こうしてロイド達は巨大化した魔人アーネストとの戦闘を開始した…………!
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