英雄伝説~菫の軌跡~(零篇)
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第85話
~太陽の砦・最奥~
「みんな、行くわよっ!!」
戦闘開始時エステルはクラフト―――掛け声で仲間達の闘志を高めて攻撃力を上昇させ
「うおおおおお……………はああああああっ!!」
「「「「オオオオオオォォォ――――ッ!!」」」
ロイドはクラフト―――ブレイブハートで、ランディとゼノ、レオニダスはクラフト―――ウォークライで全身に凄まじい闘気を纏ってそれぞれ自身の身体能力を上昇させた。
「絶影!!」
「二の型・改―――疾風追連!!」
ヨシュアとレンは電光石火の速さで攻撃するクラフトでそれぞれ先制攻撃を叩き込み
「行くわよ………!シュート!!」
「行け――――インフィニティスパロー!!」
「行きます……!ハアッ!!」
二人に続くようにエリィは素早い三連射撃―――3点バーストで、ルフィナは法剣の刃を分裂させて飛び回らせて攻撃するクラフト―――インフィニティスパローで、ティオは魔導杖の先端に導力エネルギーの刃を発生させてそのまま薙ぎ払うクラフト―――ビームザンバーで追撃を叩き込んだ。
「ハハハハハハッ!!」
攻撃をされたヨアヒムは反撃に大地の衝撃波を身体から放つクラフト―――地陣弾をロイド達に放ち
「キャッ!?」
「あうっ!?」
それを見たロイドは警告した後、仲間達と共に散開した。ヨアヒムが放った攻撃のスピードは速く、元々の身体能力が高いヨシュアや魔人化で身体能力が飛躍的に上昇しているレン、長年の経験で身体能力が高いルフィナ、そして自身の身体能力の上昇技で強化しているロイドとランディ、ゼノとレオニダス以外の人物達―――エリィとティオはそれぞれダメージを受けた。
「そらっ!」
「そこっ!」
「ガッ!?」
ヨアヒムの攻撃を回避し終えたゼノは跳躍してヨアヒムの頭目がけてクラフト―――マーダーショット、ルフィナはクラフト―――アークフェンサーを放ち、顔に無数の銃弾が命中し、更に法剣の刃を叩きつけられたヨアヒムは怯んだ。
「おぉぉぉぉ………ゼロ・ブレイク!!」
「オォォォォォ………ダイナマイトスパイク!!」
「こいつで沈めっ!!」
「ガアッ!?」
その隙にヨアヒムに詰め寄ったロイドが零距離でトンファーを叩き込んで闘気を炸裂させ、レオニダスはヨアヒムにマシンガントレットを突き刺して爆発を起こし、ランディは零距離でライフルを連射して攻撃するクラフト―――ゼロ・ラピッドでヨアヒムを攻撃し
「ハァァァァァ………金剛撃!」
「朧!!」
ロイド達の攻撃が終わった直前にエステルは力を溜め込んだ強烈な一撃を放ち、エステルの強烈な一撃がヨアヒムに叩き付けられるタイミングを見計らっていたヨシュアはエステルの一撃が叩き付けられるタイミングでエステルの傍に現れて居合の一太刀を叩き込んだ。
「斬魔―――飛影斬!!」
そこにレンが斬撃をヨアヒムに叩き込みながらヨアヒムの頭上へと跳躍し
「リカバーモード起動……これで大丈夫です。ダブルドライブ開始………」
「ありがとう、ティオちゃん!エイミング・デバイス!!」
「ぬうっ!?」
「燃えちゃえ……!龍炎撃!!」
「グアッ!?」
ティオが発動した治癒フィールドでダメージを回復したエリィがヨアヒムの瞳目がけて可視レーザーによるサイティング攻撃を叩き付け、ヨアヒムの頭上から落下していたレンは目が攻撃された事で怯んだヨアヒムの頭に一本の太刀にするかのように二振りの小太刀を揃えて振りかぶり、一本の太刀のように見える二振りの小太刀に纏わせた炎の龍を太刀ごと叩き込んで炎の爆発を起こして追撃し、地面に着地した。
「えいっ!カラミティクロウ!デモンサイズ!!」
レンが着地すると同時にオーブメントの駆動を終えたティオが煉獄の魔爪で敵の足元を刈ってスピードを減少させる時属性アーツと命を刈り取る悪魔の鎌を発生させて攻撃する時属性アーツをヨアヒムに命中させた。
「小賢シイワ!ムン!!」
ティオのアーツを受けたヨアヒムは反撃に腹の部分から電撃のエネルギーを解き放つクラフト―――雷迅鞭を放ったが、ティオのアーツ―――”カラミティクロウ”によって全体的に身体の動きが鈍くなっていた為、ロイド達は全員回避に成功した。
「行くよ――――せぇいっ!!」
「そらっ!も一つオマケや!」
そしてヨアヒムの反撃の回避に成功したヨシュアは仲間達の中から逸早く攻撃を再開し、八葉一刀流の剣技―――”疾風”を参考にして生み出され、その技を生み出した本人であるカシウスから受け継いだクラフト―――雷光撃で攻撃を叩き込み、ヨシュアに続くようにヨアヒムの懐へと斬り込んだゼノはそのままライフルを連射して追撃し
「行くぜ、ロイド!」
「ああ!」
「「バーニング―――レイジ!!」」
「今よ、レン!」
「ええ!行くわよ、エステル!」
「「せーの!!」」
ランディとロイドはヨアヒムを左右から挟み込んで息もつかせぬ連撃を繰り出し、エステルがヨアヒムの正面から棒で連続突きを叩き込んでいる中はレンは残像を残す程の凄まじい速さでヨアヒムの周囲を縦横無尽に駆け回ったり跳躍しながら斬撃を叩き込んだ。
「これで決める!」
「行くわよっ!」
「麟!」
「凰!」
「「天翔駆!!」」
「ガッ!?」
「ハァァァァァ……!フンッ!」
そして怒涛の連続連携攻撃を放ち終えた後それぞれ鳳凰のオーラを纏って突撃したエステルとレンの協力技が命中した事によって一瞬怯んだヨアヒムにレオニダスが追撃にマシンガントレットを地面に叩き付けて凄まじい衝撃波を発生させるクラフト―――グラウンドバスターを叩き込んだ。
「エニグマ駆動―――ダークマター!!」
「エニグマ並びにアークス駆動―――ラストディザスター!エクスクルセイド!!」
「アークス駆動―――アルテアカノン!!」
「ガアアアアアアア――――ッ!?」
そこにエリィとティオ、ルフィナが発動したアーツが一斉にヨアヒムに襲い掛かり、”魔”の存在に効果的な力を秘める空属性アーツを次々とその身に受けたヨアヒムは大ダメージを受けた。
「オノレ……!”グノーシス”ノ力、思イ知ルガイイ……!ハハハハハハハッ!」
3人のアーツが終わるとヨアヒムは反撃をする為に戦場全体に雷を落としてロイド達にダメージを与え
「ム―――ンッ!!」
「――――堅固たる守り手の調べ。クロア リュォ ズェ トゥエ リュォ レィ ネゥ リュォ ズェ…………」
更に片手を変化させて巨大な刃にした。一方ヨアヒムが雷を落とした時にヨアヒムが大技を放つ事を予見したレンは自身に秘められている”グノーシス”の力で自分の記憶の中にある人物――――ティアの絶対障壁の結界を広範囲に展開する”譜歌”―――フォースフィールドを発動する為に必要な譜歌を歌った。
「砕ケ散レッ!!」
そしてヨアヒムがロイド達目がけて刃を地面に振り下ろしたその瞬間、レンの譜歌によってレンを中心にドーム型の絶対障壁の結界が発生し、ヨアヒムが放ったSクラフト―――超攻刃魔道剣を受け止めた!
「馬鹿ナッ!?」
「これは………結界?一体どうやって……」
「小嬢が歌った時に現れたみたいに見えたが……」
自身の攻撃が受け止められた事にヨアヒムが驚いている中ティオは呆けた表情で結界を見つめ、ランディは戸惑っていた。
「なっ!?今の歌とその結界は……!」
「まさか……ティアさんの譜歌か!?」
一方結界の正体に気づいたルフィナとロイドは信じられない表情をした。
「―――早く反撃をして!所詮はコピーした結界だから、お姉様の結界と違って長続きしないわ!」
「僅かな間でも直撃を防いでくれただけで十分や!そらっ!どれにしよ!?決めた!」
「さあ、始めるぞ……!吹き飛べぇッ!」
そして結界を維持しているレンの警告を聞いたゼノは6本のジャベリンを投擲してヨアヒムの周囲に突き刺した後跳躍して結界から離れてヨアヒム目がけてライフルを掃射してヨアヒムの周囲に突き刺さっているジャベリンを誘爆させ、レオニダスはマシンガントレットを振るってヨアヒム目がけて凄まじい衝撃波を叩き込み
「まだまだ行くで……!ジェノサイド―――レイン!!」
「ここからが本番だ……!ディザスター―――アーム!!」
ゼノはヨアヒムの頭にブレードを突き刺して凄まじい衝撃波を発生させ、レオニダスはヨアヒム目がけて突進してヨアヒムの腹にマシンガントレットを突き刺して大爆発を起こした!
「ガアアアアアアア――――――ッ!?オオオオオオオオオオオオオオオオ―――――――――――ッ!!」
二人のSクラフトによって大ダメージを受けると共に自身のSクラフトを中断させられたヨアヒムは両腕を上げて悲鳴を上げた後大声で叫ぶと共に自分の身体の色を灰色から黄金の色に変化させた!
「オォォォォォ…………!」
身体の色を黄金に変えたヨアヒムは唸りながら構えた。すると傷ついたヨアヒムの身体の傷が自動再生し始めた。
「おい、傷が回復し始めたぜ!」
自己再生能力を高めると共に敵の攻撃に備えるクラフト―――逆撃流法を見たランディは叫び
「くっ………一気にたたみかけるぞ!」
ロイドは唇を噛みしめた後号令をかけ
「おおっ!!」
仲間達は号令に頷いた後エリィ、ティオ、ルフィナ、レンはオーブメントの駆動や何かの術を発動する為の詠唱を開始し、ロイド、ランディ、エステル、ヨシュア、ゼノ、レオニダスはヨアヒムに向かった。
「ランディ、行くぞ!」
「合点承知だぁっ!」
「ヨシュア、行くわよ!」
「了解、エステル!」
「「バーニング………レイジ!!」」
「「奥義!太極無双撃―――!!」
ロイドとランディ、エステルとヨシュアはそれぞれコンビクラフトで強力な攻撃を放って大ダメージを与えたが
「オオオオッ!!」
「ぐっ!?」
「がっ!?」
「きゃっ!?」
「くはっ!?」
攻撃に反応したヨアヒムが振るった剛腕によってダメージを受けると共に吹っ飛ばされ
「そらっ!も一つオマケや!」
「オォォォォォ………ダイナマイトスパイク!!」
「オオオオオオオッ!!」
「チィッ!?」
「グッ!?」
ヨアヒムの懐に飛び込んでそれぞれクラフトを叩き込んだゼノとレオニダスはヨアヒムのクラフト―――地陣弾を至近距離で受けてダメージを受けると共に吹っ飛ばされた!
「リカバーモード起動…………これで大丈夫です。やあっ!アラウンドノア!!」
ティオは自分の近くに吹っ飛ばされて来たロイドとランディの傷をクラフトで回復した後アーツを発動して戦場に津波を呼び寄せてヨアヒムを攻撃し
「女神よ、御加護を――――セイクリッドブレス!!そこっ!サンダーシクリオン!!」
「みんな、頑張って!ヤアッ!サンダーシクリオン!!」
ルフィナは法術で自分の周囲にふっ飛ばされてきたエステルとヨシュアの傷を回復し、エリィは回復のエネルギーを降り注がせる弾丸を自分の近くにふっ飛ばされてきたゼノとレオニダスの頭上に放って二人の傷を回復した後それぞれ竜巻と共に雷を発生させるアーツを発動した。
「ガアアアアアアア――――ッ!?」
ティオのアーツによって全身が濡れていたヨアヒムは雷のアーツを受けた事によって全身が感電して悲鳴を上げた。
「具現せよ、精霊の結晶――――フランブレイブ!!」
そこに詠唱を終えたレンが自分の記憶の中にある”影の国”で出会った異世界の人物――――リアラの大技の一つである炎の具現結晶をヨアヒムの頭上に顕現させ
「灼熱と、業火の意思よ!焼き尽くせ!!」
「ギャアアアアアアア――――ッ!?」
顕現した炎の具現結晶―――フランブレイブは灼熱の炎を宿す両腕を薙ぎ払ってヨアヒムの全身を灼熱の炎で包み込んだ後両腕を叩きつけて爆裂させて大ダメージを与えた!
「オノレ――――――――ッ!全テ灰塵ト化スガイイ!」
次々と自分に向かって放たれる魔法攻撃で無視できないダメージを次々と受けたヨアヒムは叫んだ後左右の手からそれぞれ炎と氷の霊力を発生させた。
「エイオンシステム、解放します………位相空間にアクセス、絶対障壁を個別展開―――――ゼロ・フィールド!!」
「我が右手に有りし星の杯よ、天より授かりし輝きをもって我らが盾となれ―――――グラールスフィア!!」
一方ヨアヒムの行動を見て大技が来ると予測したティオとルフィナはそれぞれ自分や仲間達に絶対障壁を付与した。
「光トナレ――――――――――ッ!!」
二人が発動したSクラフトによってロイド達全員に絶対障壁が付与されたその時ヨアヒムはそれぞれに膨大な霊力を溜め込んだ両手を合わせて凄まじいエネルギー波を解き放った!ヨアヒムが放った”グノーシス”の圧倒的な力を解き放つSクラフト―――罵斗流怒愚魔はロイド達を呑みこんだが、ロイド達は絶対障壁に守られた為無傷で済んだ。
「バカナッ!?」
大技を終えて無事な様子のロイド達が現れたのを見て自身の切り札を防がれた事に信じられない思いをしたヨアヒムは叫んだ。
「今よ――――!刃よ、行けッ!まだまだっ!―――奥義!ヘヴンサウザンド!!」
「いい加減とっととくたばれや!そらっ!どれにしよ!?決めた!まだまだ行くで……!ジェノサイド―――レイン!!」
「さあ、始めるぞ……!吹き飛べぇッ!ここからが本番だ……!ディザスター―――アーム!!」
「とっておきを見せてあげる!はあああ!たぁっ!」いくわよ!奥義――――鳳凰烈波!!」
「もう、僕は逃げない…………はぁぁぁぁ!せやっ!秘技――――幻影奇襲(ファントムレイド)!!」
「ガアアアアアアア――――ッ!?」
ルフィナが反撃に放ったSクラフトを幕開けにゼノとレオニダス、エステルとヨシュアはそれぞれSクラフトをヨアヒムに叩き込み
「ティオちゃん、お願い!」
「お任せ下さい!」
「「コールドゲヘナ!!」」
「ガアッ!?」
ルフィナ達の攻撃が終わるとエリィとティオが協力技による絶対零度の攻撃でヨアヒムの全身の様々な場所を氷漬けにしてヨアヒムの身体の動きを鈍くした。
「今だ!ランディ、行くぞ!」
「合点承知だぁっ!」
「その身に刻み込みなさい、滅びの太刀を!」
「「バーニング―――レイジ!!」」
「絶―――――黒皇剣――――ッ!!」
そして動きが鈍くなったヨアヒムの隙を見逃さないロイドとランディは協力技でヨアヒムの腹を、レンは自身が扱える剣技の中でも”切り札”である絶技でヨアヒムの頭を攻撃してヨアヒムから離れた。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……………ッ!」
ロイド達の凄まじい反撃によってダメージが相当蓄積したヨアヒムは咆哮を上げて全身を紅く変えて暴れ出した!
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