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Blue Rose

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第十七話 旅立ちその五

「だからね」
「そうだったんですね」
「龍馬君もって思っていたの」
「最初から」
「三人で行くわよ」
 決定事項としてだ、優子は言った。
「そうするわよ」
「うん、じゃあね」
「今から行きましょう」
「歯を磨いて」
 それからというのだ。
「行くわよ」
「俺もですね」
「勿論よ、歯を磨くこととお風呂に入ることはね」
 まさにとだ、優子は龍馬にも言った。
「健康の第一歩よ」
「清潔に、ですね」
「お口の中もね」
「口の中はすぐに雑菌だらけになるからですね」
「余計に奇麗にしておかないといけないの」
「虫歯とか歯槽膿漏にならない為に」
「余計に大事なのよ」 
 こう龍馬に言うのだった。
「そこは注意していてね」
「はい、優子さんにはいつもそのことも言われてますし」
「わかりました」
 こうしてだ、龍馬もだった。
 歯を磨いてだ、そうして。
 三人で新神戸駅まで優子が運転する車で向かった、優子は右座席で運転しつつ助手席に座っている優花に聞いた。
「ねえ、もうすぐだけれど」
「新幹線に乗るのはね」
「それで長崎に行くのはね」
「そうだね、もうすぐ僕一人になるんだな」
「私達とはお別れよ」
「そうだよね」
「ただ、私達と別れても」
 それでもというのだ。
「それでもよ」
「それでもって?」
「また出会いがあるわよ」
「長崎でもなんだ」
「そう、あるから」
 だからだというのだ。
「絶対にね」
「絶対になんだ」
「そう、出会いは何処でもあるのよ」
「これから入る療養所でもだね」
「そうだと思うわ」
 そこにもとだ、優子は話した。
「だから安心してね」
「わかったわ」
 優花は優子のその言葉にだ、自然と女性かしている言葉で応えた。
「それじゃあ僕ね」
「行って来てね」
「長崎での出会いを楽しみにして」
「そうしてね」
「わかったよ、ただ姉さん」
「どうしたの?」
「いや、駅まで何か」
 新神戸駅までとだ、優花は今度はこうしたことを言うのだった。
「長いね」
「空いてるからすいすいいってるわよ」 
 ついでに言えばスピードは結構出している、優子は運転は上手だがスピードは出す方だ。ただスピード違反で捕まったことはない。
「スピードも出してるし」
「けれどね」
「それでもなのね」
「何か妙にね」
 考える顔での言葉だった。 
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