| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夏の詩

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第三章

3.赤い花
 町に出てうだる様な暑さに参っていた  その暑さの中で

 僕は花屋の前に来た  花屋からの香りに誘われて振り向くと

 花屋の外にも中にも花が咲き誇っていた  その花の中に

 赤い花があった  それは日本の花ではなかった

 南国から来た花  その花が一輪あった

 僕はその花のところに来た  けれど花は何も言わない

 暑い夏の中で咲いている  ただ咲いているだけだ

 その咲いているだけの赤い花を見て  その香りの中にも身を置いて

 僕は自然と微笑みになってその花にさらに近付いてに微笑んだ

 微笑みを向けても花は何も言わない  何も語ってくれない

 けれどその花を見ているだけで僕は笑顔になった  そうして

 赤い花を買って家でその花を飾った

 暑い中でもその花を見ていると笑顔になれた  赤い一輪の花を 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧