転生とらぶる
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機動戦艦ナデシコ
1385話
「何だこれは」
目の前に広がる光景に驚き、呟く。
いや、勿論ナデシコが転移した先で襲撃されているかもしれないというのは考えていた。考えてはいたのだが……さすがにこれは完全に予想外の光景だった。
まさか、こんなに大軍がナデシコを包囲しているとはな。
まぁ、取りあえず……今やるべきことは決まっている。
ニーズヘッグのオープンチャンネルを開いて、周辺にいる機体全てに……それこそナデシコも含めた機体へと通信を繋げる。
「こちらシャドウミラー代表のアクセル・アルマーだ。これは何がどうなっているのか説明して貰いたい」
その通信に最初に応じたのは、当然のようにナデシコ。
俺が来るというのが既に分かっていたというのは大きいだろう。
『こちらナデシコです。お久しぶりですアクセルさん。現在ナデシコは所属不明勢力により包囲されており、攻撃を開始されそうになっています』
映像モニタに映し出されたのはナデシコの通信士のメグミ。
俺の方を見て真面目な表情でそう告げてくる。
同時に……
『こちら連合軍のマナガミ中佐。今回起きている件はこの世界の内政問題であり、シャドウミラーは関与しないように忠告済みの筈である。よって、速やかにこの場から立ち去って貰いたい』
30代程の男が映像モニタに映し出される。
向こうとしては俺達シャドウミラーに手を出されると洒落にならないという思いがあるのだろう。
だからこそ、こうして前もって話をして俺達を撤退させようとしているのだろうが……
「残念だったな。俺は以前の古巣にちょっと戻ってきただけだ。内乱が起きているってのも初めて知ったし。……そもそも内乱が起きていると言うが、何故ナデシコに攻撃を仕掛けようとしている?」
『それは……軍機につき喋る事は許されていない。だがこちらとしてもここで退く訳にはいかない。シャドウミラーが内乱に介入してくるのであれば、こちらとしても相応の態度を取らざるを得ないが?』
「……へぇ。俺と、そしてシャドウミラーと敵対するってのか? 本当にいいのか? お前の独断でシャドウミラーをこの内乱に巻き込んで。それで何かが起きた場合はお前が責任を取るんだな?」
その言葉に、マナガミは苦々しい表情を浮かべる。
向こうにとって俺達シャドウミラーをこの内乱に介入させるというのは、絶対に避けたい筈だ。
それでいてアカツキが逃げ込んだナデシコを逃がす訳にもいかない。
まさに板挟みといった状態のマナガミは、少し考え……やがて苦々しげな表情を浮かべて口を開く。
『ナデシコに逃げ込んでいる戦犯アカツキ・ナガレをそのままにしておくという事は、即ちこの戦いを更に長引かせる事になる。シャドウミラーとの間に戦端を開くのは望ましくはないが、この戦いを早期に終わらせる為にはここでナデシコを沈める必要がある! 各員、この戦いに関しての責任は全て私が取る! 攻撃を開始せよ! ただし、シャドウミラーにはなるべく構うな。今はとにかくナデシコを沈める事だけを考えろ!』
その命令と同時に、ナデシコを包囲していた戦闘機や戦艦から一斉にミサイルやビーム、砲弾といったものが発射される。
その攻撃に反応するように、俺もまたそれを防ぐべく行動を開始する。
「ファントムッ!」
T-LINKシステムを通じて放たれた48基のファントムが、一斉に散開する。
ファントムから放たれるビーム弾は、真っ直ぐにナデシコへと向かっていた砲弾を迎撃する。
勿論ファントムだけではない。ニーズヘッグのヒュドラ先端のビーム砲が放たれ、腹部拡散ビーム砲が放たれ、エナジーウィングの刃状のエネルギーが放たれて撃墜していく。
ちなみにビームに関しては全く手を出していない。
ファントムはビームやレーザーを反射可能な設計になってはいるが、それでもファントム1基で戦艦のビームを反射出来る訳がない為だ。
恐らく反射しきれずにファントムそのものが消滅してしまうだろう。
それに何より……
一瞬だけ視線をナデシコの方へと向ける。
そこでは、ディストーションフィールドがビームをねじ曲げてあらぬ方へと逸らしていた。
そう、実弾兵器には弱いナデシコのディストーションフィールドだが、ビームと重力波砲に関しては滅法強い。
勿論それにしたって無敵という訳じゃなく、威力が強力なビームやら重力波砲であればディストーションフィールドを貫く事は可能ある。
それこそ、俺達シャドウミラーが木連のヤンマやカトンボと戦った時のように。
だが幸いな事に、連合軍にはそれ程の威力の武器は存在していないらしい。
つまりナデシコに攻撃されるので気をつける武器と言えば、さっきから俺がファントムで撃ち落としている実弾兵器になる訳だ。
ビームとかにしても、地球上だと宇宙程にディストーションフィールドの出力を得られる訳じゃないのを考えると、間断なく撃ち続けられれば話は別かもしれないが……
「俺が、そんな真似をさせる訳ないだろ!」
その言葉と共に放たれたT.T.キャノンのビームは真っ直ぐに飛んでいき、近くを通りかかった戦闘機を貫き、爆散させる。……それでもパイロットがしっかりと脱出している辺り、ナデシコ世界の脱出機能ってレベル高いよな。
結局パイロットが生きているので、俺の撃墜数も増えてないし。
まぁ、撃墜数……より正確にはPPは別に稼げれば稼いでおきたいというだけでしかない。
この世界の住人を殺すというのは多少罪悪感があるが、それにしたって自分から戦場に出て来ている以上、覚悟の上だろう。
そもそも、何だってこいつらは反乱軍の方についたんだろうな。
つい数日前までは木連に対して敵対心しか持っていなかった筈だ。
それがこの短期間でいきなり木連の味方になるというのは、正直理解出来ない。
それこそ余程自分達に利益のある美味しい話だったか……
ともあれ、敵対して戦場に出て来た以上は向こうだって相手を殺す覚悟も……そして自分が死ぬ覚悟も出来ていると見てもいいだろう。
そうである以上、こっちも以前のキラのような不殺なんて真似をしようとは思わない。
好き好んで殺そうとは思わないが、それでも死んだのであれば、それはそれで自分の行いの結果でしかないだろう。
そんな思いと共に放たれた腹部拡散ビーム砲は、こちらに向かってミサイルを放とうとしていた戦闘機を正面から貫き、爆散させる。
今のはパイロットが脱出するよりも前に撃破したから、間違いなく死んだだろう。
多少は哀れに思うが、恨むならシャドウミラーと敵対するように命じた上官を……そして何よりそれを許容した自分を恨め。
視線を周囲へと向けると、そこでも大きな戦いが起こっていた。……いや、それはもはや戦いと呼ぶより蹂躙と表現した方がいい。
元々木連を相手にして一方的に負けていた連合軍が、その木連を相手にして無双していたシャドウミラーに勝てる訳ないのは当然だろう。
サークル・レーザーにより戦闘機は纏めて撃破されていき、ビームガトリング砲により戦艦はあっさりと沈んでいく。
まさに一方的な戦いでしかなかった。
それでも向こうが撤退しないのは、まだ何とか勝ち目があると判断しているからか? それとも他に何かまだ……
そんな風に思っている間に、ナデシコからも6機のエステバリスが出撃してくる。
……うん? 6機?
ナデシコのエステバリス隊にいたのは、テンカワ、ヤマダ、リョーコ、ヒカル、イズミの5人だった筈だ。なのに6機?
いや、単純に俺が別行動を取ってる間にパイロットが増えたのか?
まぁ、手数が増えたのであれば、こちらとしても楽だしいいんだが。
何だかんだとこっちの機体の性能は圧倒的だが、やはり数が違う。
そうである以上、こちらの戦力が増えるのは大歓迎だった。
ただ……こうして見る限りでは、エステバリス隊は攻撃してはいるが、相手になるべく致命傷を与えないようにしている奴が殆どだ。
それこそキラのように不殺行為をしていると言うべきか。
一瞬眉を顰めるが、すぐにこれは仕方がないと納得する。
ナデシコの戦力として集められたエステバリスのパイロットは、元々木星蜥蜴と戦う為に集められたメンバーだ。
当然自分と同じ人間と戦う……なんて真似は一切考えていなかったのだろう。
なのにいきなり連合軍の軍人と戦う事になってしまっては、どうしたって殺す覚悟が出来ている筈もない。
純粋に連合軍の軍人と戦うという意味では、ナデシコが以前地球から脱出する時にデルフィニウムと戦った事があったが……あれだって戦いに参加したのはテンカワだけだし、そのテンカワにしても敵を殺すといた真似はしていなかった。
ナデシコの連中が木星蜥蜴=木連だというのを知ったのかどうかは分からないが、それでも今まで戦ってきたのは木星蜥蜴と言っても結局は無人機だ。
ここで純粋に戦闘機や戦艦といった有人機と戦うというのは、エステバリス隊に取ってもかなりのストレスだろう。
……いや、それでも戦えているというのは感心すべき事なのか?
「っと!」
どこからともなく飛んできたミサイルに頭部ビームバルカンを発射して迎撃し、周囲を見回す。
そんな俺の視線の中で、ふと一機だけエステバリスが容赦なく連合軍の戦闘機を撃破している光景が見えた。
あの機体は……新型だな。
動き回っているので細かいところまでは断言出来ないが、スラスターの位置や装甲の形、頭部の細かい意匠等俺が今まで見てきたエステバリスと比べると細々としたところが違う。
つまり、あの新型機が俺の知らないエステバリス隊の新人なんだろうが……誰だ?
純粋な技量という意味でも、テンカワやヤマダより上なのは間違いない。
それでもリョーコ達には一歩劣るが、それはリョーコ達がこの世界で考えてみれば突出したパイロットだからというのもある。
「戦艦は出来るだけ撃ちたくないんだけどな。……こっちに攻撃してくる以上、当然自分達もやられる覚悟はあるんだろうな!」
俺の方へと向かって主砲を向けようとしていた戦艦へと向け、ヒュドラに内蔵されているランツェ・カノーネの砲口を向け……トリガーを引く。
真っ直ぐに巨大なビームが伸びていき、主砲をこちらに向けつつあった戦艦を正面から背後まで一直線に貫く。
そうして数秒黙り込んだ後……やがて爆発を起こしながら沈んでいく。
幸いこの戦場は海であり、地上に人が暮らしているという事はない。
おかげで、戦闘の巻き添えにより戦死する民間人がいないというのは、褒められるべき事だろう。
アカツキを確保したナデシコのブリッジクルー……ユリカか? それともプロスペクターやフクベか分からないが、ともあれアカツキを庇った事により戦闘になると理解して周辺に人のいない海上へと避難していたといったところか。
もしこれを考えたのがユリカだとすれば、火星のユートピアコロニーの件でナタルに叱られた成果が出たのかもしれない。
ともあれ、周辺に被害を与える心配はいらない為、こうして自由に戦闘をする事が出来ていた。
……まぁ、周辺の被害という意味だと、海に戦艦とか戦闘機の残骸が大量に沈んでいるんだから、環境汚染という意味だと十分過ぎる程に被害が出ているのかもしれないが。
ともあれ、戦闘自体は特に意外性もなにもなくこちらが優勢なままで進んでいく。
勿論こっちも無傷という訳ではない。
数では向こうが圧倒的に有利な以上、メギロートがバッタと戦う時に陥るようなダメージ……装甲の隙間から内部に攻撃が入り、ダメージを与えるといった風になって煙を上げているメギロートの姿もある。
性能は圧倒的でも、やっぱりバリアの類がないとチクチクとしたダメージが積み重なって最終的に大きなダメージは受けるんだな。
いやまぁ、それは織り込み済みでメギロートを運用している以上、こちらとしては何も言えないんだが。
ただ……こっちとしては反乱軍にメギロートを鹵獲させる訳にいかないのも事実な訳で。
「ナデシコ、聞こえているな? こちらアクセルだ。こっちのメギロートが何機か損傷を受けている。このままだと向こうに鹵獲される可能性もあるから、ナデシコの格納庫に一時退避させたい。許可を貰えるか?」
『え? えっと、あの……艦長!?』
『許可します』
ユリカの即断即決ぶりはさすがだな。
けど、釘を刺しておく事もある。
「ウリバタケを始めとした技術班の連中に、メギロートに手を出さないように伝えておいてくれ。下手に手を出そうとすれば、ナデシコの中で暴れるような事になるかもしれないからな。それはそっちでも困るだろう?」
『ちょっ、ウリバタケさんを呼んで下さーい!』
そんな通信を聞きながら、損傷を受けたメギロートにナデシコの格納庫へと向かうように指示をする。
……うん? 最初に俺がここに来た時もそうだけど、アカツキが通信に出てこなかったな。
アカツキの性格を考えれば、顔を出してもおかしくない筈なんだが……
『アクセル、気をつけてね』
最後にミナトが映像モニタに映し出されると、心配そうに呟いてから通信が切れる。
ミナトに心配を掛けさせない以上、こっちとしても苦戦せずに戦う必要があるだろうな。
そんな風に考え、戦闘へと参加していき……やがて反乱軍が撤退を選択するのは、それから20分程経ってからだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:465
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1200
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