Blue Rose
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第十六話 神戸を後にしてその十五
「長崎に行ったら」
「これからは違うな」
「完全に女の子になるまではね」
「よし、じゃあな」
「今日はたっぷり飲むよ」
「そして明日の朝早くにか」
「出発するから」
神戸を出るというのだ。
「長崎に行くよ」
「もう新幹線ですぐだよな」
「そうだよね、長崎までもね」
「そうだよな」
「移動楽になったよね」
そうなったというのだ。
「僕も嬉しいよ」
「ああ、俺達も行きやすいしな」
「だからね、僕もすぐに長崎に行けるし」
「俺達もだな」
「よかったらね」
優花は龍馬に言った。
「来てね、気が向いた時に」
「絶対に行くからな」
「それじゃあね」
笑顔で話す二人だった、そして。
優子も入れて三人でそのご馳走にワインを楽しんだ、優子は日本酒を飲んでいたが龍馬はその優子にも尋ねた。
「その日本酒は」
「ええ、この日の為に注文したね」
「一級酒ですよね」
「京都のね」
「京都の一級酒ですか」
「そうよ」
まさにというのだ。
「味が別格よ」
「そうなんですね」
「優花の門出だから」
新しいそれだからというのだ。
「お祝いによ」
「だからですね」
「そう、それでね」
「そのお酒なんですね」
「これを飲んでるの」
「そうですか、それじゃあ」
「龍馬君も飲む?」
まだ赤らんでいないが酒が入った状況でだ、優子は龍馬に尋ねた。
「このお酒は」
「そうですね、じゃあ後で一杯」
「一杯ね」
「頂きます」
「それじゃあね、優花は」
「僕は日本酒駄目だからね」
姉の申し出にだ、優花は少し苦笑いになって返した。
「最近ね」
「すっかりワイン派になったってことね」
「だからね」
それでというのだ。
「僕はいいよ」
「そうなのね」
「うん、ワインでいいよ」
「そのワインも美味しいでしょ」
「甘くて飲みやすいね」
「ええ、優花の好みを考えてね」
それを第一に置いてというのだ。
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