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オズのボタン=ブライト

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第七幕その四

「リュックの中に入れたよ」
「食べられる人の分をなのね」
「そう、その皆の分をね」
「そうしたのね」
「そうなんだ」
 リュックを手に持って背負っての言葉です。
「だから皆も食べてね」
「いや、僕達も持って行くから」
 リュックを貸してくれた王子はそのボタンに微笑んで答えました。「だからね」
「君はそのお菓子を好きなだけ食べればいいよ」
「皆持っていってるんだ」
「そうだよ」
「そうなんだ」
「お昼も持って行ってるしね」
 こちらもというのです。
「オズマ姫のテーブル掛けをね」
「ああ、そういえば」
「それがあるね」
「そうだよね」
「だからね」 
 それでというのです。
「君のお菓子は君がたべるといいよ」
「一杯あるけれど」
「一杯あるなら一杯食べればいいよ」
「そうすればいいんだね」
「そう、わかったね」
「うん、わかったよ」
 いつものわからないではなくです、今のボタンは王子にこう答えました。
「それじゃあね」
「そうするんだよ」
「さて、それで迷路の場所だけれど」
 木挽の馬はこのことをです、王様に尋ねました。今皆で宮殿の門を出たところです。
「一体何処なのかな」
「この宮殿の北西じゃよ」
「そこにあるんだ」
「そうじゃ、巨大なピラミッド型でな」
 王様は迷路の形もお話しました。
「地下から入って何層にもなっている迷路をどんどん登っていくのじゃ」
「それはかなり難しそうですね」 
 迷路の状況を聞いてです、神宝はこう察しました。
「一層じゃないなんて」
「そうだね、一層だけでも大変なのに」
 ジョージは神宝のその言葉に頷きました。
「そうした迷路だとね」
「これは迷ったら大変ね」
 ナターシャもその目を考えさせるものにしています。
「用心が必要ね」
「ここははぐれない様にしないと」 
 恵梨香はこう考えました。
「危ないわね」
「そう、集まって行くべきよ」
 オズマもこう言います。
「一人一人で言ったら迷うわ」
「けれど皆で迷路に行くには」
 カルロスはその場にいる全員を見回して言いました。
「僕達五人に姫様、ジュリアさんにつぎはぎ娘」
「木挽の馬車と僕達に」
 王子がカルロスに応えます。
「ボタンだね」
「十二人ですね」
「確かにあの迷路を通るには多いかな」
 王子は首を傾げさせて言いました。 
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