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転生とらぶる

作者:青竹
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機動戦艦ナデシコ
  1380話

「アクセル代表、今日は素晴らしい体験をさせて貰った。感謝しているよ」

 そう言って上機嫌に笑いながら握手を求めて来たのは、グリューノだ。
 量産型Wが操るワイバーンに乗る事が出来たのが、余程嬉しかったのだろう。
 そんなグリューノの近くでは、ミスマルがユリカに対するお土産としてダチョウの肉を買ったとヨシサダに話しているんだが……いいのか?
 いや、実際ダチョウ肉というのは美味いのは事実だし、お土産として喜ばれるかもしれないというのも分かる。
 だが、それと同時に一般的な食材でないのは事実な訳で……
 そもそも、ユリカは料理とか出来たのか? 何だか以前、テンカワに料理を作って悶絶させたとか何とか聞いたような覚えがあったんだが。
 ああ、いや、でもテンカワに料理して貰うのであれば、ダチョウ肉というのはいい選択なのかもしれないな。
 テンカワもコックを目指しているというのは今も変わらない筈だ。
 そうなれば当然未知の食材というのには興味を持つだろうし、料理してみたいとも思えるだろう。
 テンカワの師匠のホウメイとかなら、ダチョウ肉を料理した事があるかもしれないし。
 テンカワの作った料理を食べられるとなれば、ユリカにとっても嬉しい筈だ。
 父親のミスマルにとってはあまり嬉しくない展開かもしれないが。
 どこからどう見ても親馬鹿なミスマルだけに、当然娘の恋人候補のテンカワにいい感情を持つ事は出来ないだろう。
 自分の買ってきた土産が2人の仲を進展させるような事になったとなれば、どう反応するのやら。
 ……少し見てみたいと思うのは、悪趣味か?
 そんな風に考えながら、グリューノへと頷きを返す。

「喜んで貰えたようで何よりだ。地球と木連が停戦して和平を結べば、ナデシコ世界の地球とも異世界間貿易の条約を結ぶ事が出来るようになるだろう。そうなれば、地球や木連からもホワイトスターに来る事が出来る者が増えるだろうな。同時に、以前も言ったようにホワイトスターを経由して他の世界とも交流出来るかもしれない」

 その言葉に、グリューノだけではなく少し離れた場所にいる草壁までもが俺の方へと視線を向けてくる。
 色々と気になっているのは間違いない。
 ただ、向こうにとっても今日行われた会談のように気軽にも停戦して和平を……とはいかないってところか。
 100年に渡って地球へ募らせてきた憎悪の類は、そう簡単にどうにか出来るようなものではない。
 草壁自身はシャドウミラーとの関係に気を使っているように見えるんだけどな。
 ただ、俺を襲ってきた暗殺者をあっさり殺されてしまっていたりと、詰めが甘いところがある。
 ……それでも草壁が現在の木連の実質的な指導者である以上、切り捨てるなんて真似は出来ないが。
 いや、寧ろそういう草壁ながらエザリア辺りは嬉々として交渉するような気もする。
 するんだが……そこまで甘いようには見えないんだよな。

「さて、じゃあそろそろナデシコ世界に戻るぞ。今日は基地で一泊して、そして明日にはそれぞれ地球と木星に戻って貰う。これから何かあった場合はシャドウミラーが中継役という事になると思うから、よろしく頼む。……まぁ、俺個人としてはさっさと停戦して欲しいんだがな」

 繰り返される言葉に少し不愉快そうな表情を浮かべたのを見て、これ以上は何を言っても無意味だと判断する。
 ま、今日ホワイトスターにやって来たのもあって、今までのように戦争を続けるといった真似は出来なくなる……とは言わないけど、しにくくなるのは間違いないだろう。
 戦争を続けている限り、シャドウミラーは正式な異世界間貿易の条約を結ばないと宣言したのだから。
 連合軍とは相転移エンジンの取引を行うつもりだが、それ以上の物を欲するのであれば木連との戦争を止める必要がある訳だ。木連には食料だけ特別に取引をする予定はあるが、こちらも今のままだとそれ程大量にという訳じゃない。
 ……今更だが、相転移エンジンを連合軍に売るってのはしくじったか?
 もし相転移エンジンを連合軍に売ってなければ、連合軍も木連に対する有効な攻撃手段を得る事になる。
 そうなれば、当然戦争は長引く。
 ただ、今更言ってもしょうがないが、あの当時は木連がまさか元地球人だなんて知らなかったしな。
 微妙に後悔しつつも、俺達はホワイトスターを後にしてナデシコ世界の火星へと戻るのだった。





「それで、結局どうだったの?」

 グリューノや草壁達をナデシコ世界へと戻してから数時間後、俺の姿は再びホワイトスターにあった。
 まぁ、木星にいた時ならともかく、グリューノ達は火星で一泊する事になるんだから、今日くらいは俺もホワイトスターで一晩を過ごしても問題ないだろうという判断から。
 グリューノや草壁達は、基本的には基地から出ないように言ってある。
 これはシャドウミラーの基地内部を見られないようにする為というのもあるが、何よりグリューノや草壁達を守るという意味もあった。
 何せ、火星にいるのは木連の攻撃によって家族や恋人、友人を殺された者達であり、同時に連合軍に見捨てられて火星に残るといった経験をした者達だ。
 そんな者達が自分達と同じくシャドウミラーの基地の敷地内にいると知ったら、間違いなく騒ぎが起きる。
 最悪、暴走が起きる可能性すらあった。
 そうである以上、グリューノや草壁がいるというのを公表する訳にもいかず、それぞれの代表が来ている事は秘密となっていた。
 いや、ゲートを使ったりしているので、誰か来ているだろうとは思っているのかもしれないが……それこそゲートを使っている以上、シャドウミラー関係者と思われているのかもしれない。
 元々木連は無人機だけを使って地球に攻め込んでいた以上は顔を知られていないから、火星の生き残りに顔を見られても問題はない。
 そういう意味では連合軍総司令官のグリューノは色々と危険なのだが、それでも火星で生き残ってきた者達にそんな事を考えるような余裕はなく、殆どの者がグリューノを見ても何も反応しない。
 そして、地球と木連はそれぞれ基地の中を自由に歩き回れはしないが、それぞれの部屋と近くにあるブリーフィングルームは自由に使えるようにしてある。
 当然敵対している2つの組織を同じ場所に放り込むような真似をする以上、下手をすれば殺し合いになりかねないので、それぞれに量産型Wを護衛という名目でつけてあった。
 もし何か騒動を起こそうとした場合、量産型Wがそれを鎮圧するだろう。
 また、護衛というのも決して嘘ではなく、万が一何か騒動が起きた場合はその身を以て地球と木連の者達を守るように命令してある。
 狭い場所に閉じ込めるというのは、お互いに打ち解け合うには最適……ってのは、何かで読んだ事があるけど、これで少しでもお互いの溝が埋まってくれればな。

「どうって言われてもな。強いて言うなら、ワイバーンに興味津々だったな」
「……その辺は殆どの世界とそう変わらないのね」

 しみじみとレモンが呟き、それを聞いていた皆が納得の表情を浮かべる。

「ナデシコ世界は、元々科学文明の発達した世界だからな。ワイバーンというのは、今まで想像上の存在でしかなかったのだろう」
「そうね、コーネリアの言う通りだと思うわ。しかも、そのワイバーンに乗る事が出来るのだから、どうしたって興奮するんでしょ」

 シェリルが紅茶を飲みながらそう告げると、皆が同意するように頷く。
 実際、その言葉は決して間違っている訳ではない。
 俺の目から見ても、グリューノ達はワイバーンに心を奪われていたように見えたからだ。
 それどころか、グリューノはこっそりと俺にワイバーンを購入出来るのかどうかを聞いてきたしな。
 パンダ外交ならぬ、ワイバーン外交か。……有効ならありと言えばありか?

「……あやか、千鶴。ワイバーンをレンタルするというのを条件にして連合軍や木連から何か引き出せるものがあると思うか?」

 俺の口から出たのが余程に意外だったのか、2人の顔が大きく見開かれる。

「ワイバーンをレンタルって、大丈夫なの?」
「世話役の量産型Wがいれば大丈夫だと思うけどな。それにパンダ外交とかあるだろ? その辺を狙ってみたんだが……どうだ?」

 そう言うと、やがて少し考えてからあやから口を開く。

「ナデシコ世界でなら可能だと思いますわ。ただ、ワイバーンは普通の動物とは大きく違うので、受け入れ態勢を整えるのが大変だと思いますが」
「あー……そうだよね。ホワイトスターなら上空をワイバーンが飛んでいても特に驚いたりはしないし、そもそも使っていない場所とかも多いから、いざとなったら別の場所を飛ばせる事も出来るけど……」

 ナデシコ世界じゃねぇ……と続ける円の言葉に、全員が頷きを返す。
 なるほど。確かにホワイトスターの中だとワイバーンの存在は皆が知ってるし、牧場で直接餌をやったり、乗ったりした事もある奴が多いだろう。
 だが、ナデシコ世界の住人は当然そんな事をしらない訳で……そうなると、ちょっと難しいか。
 木連も場所がコロニーである以上、受け入れ態勢を整えるのは地球よりも難しいだろうし。
 下手に木連がワイバーンを受け入れたりしたら、密閉状態のコロニーの中をワイバーンが飛び回るなんて事になりかねない。
 どこのパニック映画だって感じの流れになるのは、木連としても御免だろう。
 そもそも、木連の場合は食料は貴重だ。
 そんな状況の中で大食らいのワイバーンを飼育するというのは難しいだろう。
 それこそ、餌を俺達シャドウミラーが提供するくらいの事をしなければ、決して許容出来ない筈だ。

「でも、ワイバーンというのはファンタジー世界のこれ以上ない証拠でしょ? ナデシコ世界では、まだ私達の事を怪しんでいる人がいるって話だし、そういう人に対する証明としては結構いいんじゃない?」

 紅茶を飲みながら告げてくるマリューの言葉は事実でもあった。
 まぁ、俺達シャドウミラーが異世界の存在だというのを、そうあっさりと受け入れられる筈もない。
 ネルガルや連合軍といった俺達と近い組織や、クリムゾングループのように俺達とお近づきになりたい組織が友好ムードを出そうとして情報操作……というのはちょっと人聞きが悪いけど、そんな風にして俺達を自分達との間に友好的な存在だとしてニュースとかでも流している。
 ……クリムゾングループ辺りは、ネルガルを追い越せないと知ればネガティブキャンペーンをしそうな雰囲気はあるが。
 それでも木連の攻撃によって親しい人を失ったり、元より頑固な性格をしているような人物は、俺達が木星蜥蜴の後ろで糸を引いている存在だと思い込んでいる者も多いらしい。
 その辺に関しては、いずれ連合軍が木連の存在を露わにすれば自然と解決しそうではあるが……

「ワイバーンに関しては、一応エザリアに言ってみてくれ。もし可能であればやってみればいいし、駄目なようなら諦めればいいだけだしな」
「分かりましたわ」

 あやかも俺の言葉に異論はないのか、頷いて了承する。
 そうして話が一段落したところで……ふと、俺の意見を了承したあやかが、口を開く。

「それで、アクセル君。少し聞きたい事があるのですけど」

 やばい、と。特に理由はないが、何となく第六感でそんな風に思ってしまう。
 今のあやかの言葉には、そんな何かが込められていた。
 普段であれば千鶴が発してそうなプレッシャーを放ちながら、あやかが口を開く。

「実は今日、エルフの方からとても……そう、とても面白いことを聞かされましたの。何でも、アクセル君がアスナさんとデートをしてたとかなんとか」

 そう告げてくるあやかの言葉に、今日の件が脳裏を過ぎる。

「いや、デートって言われてもな。お前も知ってた筈だろ? 俺と神楽坂はナデシコ世界の住人を案内してたって」
「ええ、それは知っていますわ。ですが、案内もせずに2人でイチャつきながら食事をしていたという目撃談も入ってますが?」

 ……どこから入った情報だ?
 いや、あやかが言ってるのは決して間違いって訳じゃない。
 牧場にある食堂で神楽坂と2人で食事をしていたのは事実だ。
 だが、それを知ってるのは量産型Wくらいだけだと思ってたんだが。
 ああ、いや。それ以外にも木連の高杉がいたか。
 けど高杉が言い触らすとは思えないし……量産型Wは言うに及ばずだ。
 だとすれば、どこからこの情報が流れたんだ?

「アクセル君の態度を見る限り、どうやらデートをしていたというのは間違いという訳ではないようですわね。……その辺の事情を聞かせて貰えますか?」
「あー……うん。別に疚しい事はないぞ? 本当にただ食事しただけだし」
「そうですか? その割りには随分アスナさんと親しそうだったという話でしたが」

 ジットリとした視線を向けてくるあやかに対し、俺はどうするかどうか迷い……結局この日の夜はいつも以上に頑張る事になるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:405
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1188 
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