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英雄伝説~光と闇の軌跡~(零篇)

作者:sorano
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インターミッション~キーア~ 第68話

―――1週間が経った。キーアとエルファティシアを保護したロイド達は彼女達を特務支援課のビルに匿いながらマフィアからの報復を警戒することにした。警察本部に加え、ヨナの情報網などにも頼りながら、マフィアとハルトマン議長の動向を注意深く伺う日々………一方、記憶が戻らないにも関わらず、キーアは不安を見せることなく、あっという間に支援課に馴染み、エルファティシアも特に慌てたり怯える事なく余裕の様子で支援課に馴染んでいった。そして―――



~特務支援課~



「―――手打ち、ですか?」

セルゲイから事情を聞いたロイドは不思議そうな表情をした。

「ああ、非公式だが警察本部宛てにルバーチェから打診があったそうだ。出品物にあの子とあの女性が紛れ込んでいたのは完全な手違い――――というか、全く身に覚えがないということだ。”黒月”の工作とも主張していたが、ま、状況的に厳しいかもしれんな。」

「……そうですね。俺達が駆け付けた時、”(イン)”は丁度、部屋にいた手下を倒したばかりのタイミングでした。外からキーアとエルファティシアさんを運んで中の人形と女神像を入れ替える暇は無かったと思います。」

「って事は、例のトランクと女神像が屋敷に運び込まれた時には既に入れ替わっていたって事か。そもそも、出品される筈だった人形と女神像の出所はどこだったんスか?」

セルゲイの話にロイドは頷き、ランディは目を細めて尋ねた。

「はっきりとした事はわからんがレミフェリア方面とアルテリア方面の裏ルートから手に入れたものだったらしい。記念祭最終日――――つまりオークション当日、屋敷に運び込まれたらしいが………その運び込んだ運送会社も架空のものだったと主張している。」

「そんな馬鹿な……つまり連中は、あくまで自分達は嵌められた側だと主張してるんですか?」

セルゲイの説明を聞いたロイドは信じられない表情をした後、悔しそうな表情で尋ねた。

「まあ、そういう事だな。真偽のほどはわからんが………連中が必死に弁解するのもわかる。―――下手したら『人身売買』の容疑がかけられちまう訳だからな。」

「……………………………………」

「武器の密輸、マネーロンダリング、盗品すら扱う闇のオークション………そんな犯罪を平気でやる連中も人身売買の疑いがかかるのだけは何としても避けたいってことか。」

「当然といえば当然だ。犯罪としてはおよそ最悪の部類……絶対に許されないたぐいの重罪だ。警察もさすがに黙っちゃいないし、何よりも遊撃士協会が聞きつけたら総力を挙げて叩き潰しに来るだろうし、異種族も攫われたとなれば下手をすればメンフィル帝国も黙っちゃいなく文字通り”滅ぼし”に来るだろう。”支える籠手”の紋章と”全ての種族との共存”の謳い文句に懸けてな。」

「そんなリスクを、議長はもちろん、ルバーチェも負うハズがない……―――理屈としてはわかるんですが正直、とても納得できませんね。」

セルゲイの話を聞いたロイドは真剣な表情で答えた。

「ああ、だからこその手打ちだ。お前達の潜入捜査―――向こうは不法侵入と言ってるが―――についても一切不問にする。”偶然”保護した少女と女性の扱いもこちらに全て任せるそうだ。」

「……重傷を負ったマフィア達の事については何も言われなかったのですか?中には腕や脚を無くしたマフィア達もいましたが………」

セルゲイの話を聞いたロイドは真剣な表情で尋ねた。

「そちらについても不問にするそうだ。……ま、実際に実行したのはよりにもよってメンフィル帝国の、”殲滅の姉妹(ルイン・シスターズ)”だからな。いくら連中でも残虐かつ好戦的と名高いメンフィル帝国の将や皇女達を敵に回すような事なんてできないさ。”殲滅天使”と”紅の殲滅姫(クリムゾン・ルインプリンセス)”は”英雄王”リウイ陛下のそれぞれの側室の娘だそうだからな。下手をすればメンフィル帝国そのものを相手にすることになる。いくら連中でも”大陸最強”と名高い国に喧嘩は売れないだろ。………幸か不幸かその3人が共にお前達と共に戦ったおかげで、支援課のバックにメンフィル帝国が控えていると勘違いしているんじゃねえのか?」

「課長はレンっていう嬢ちゃんやセオビットっていうお姉さんの事を知ってたんスか?」

「表の界隈ではその2人の名前はあまり出てこないが、裏の界隈では割と有名だぜ?………まあ、”紅の殲滅姫(クリムゾン・ルインプリンセス)”が側室の娘だって話は最近わかったらしいがな。話を戻すがマフィア達に重傷を負わせた件についてもお前達の潜入捜査等同様不問にすると言ってきている。」

「その代わり、この件については自分達の主張を認めろ………間違っても遊撃士協会あたりにチクったりするなってか?やれやれ、確かに必死かもな。」

「……………………………………キーアとエルファティシアさんのことを考えると曖昧にはしたくはないですけど………あの2人がこれ以上、マフィアに狙われない事が確約されただけでも納得すべきかもしれませんね。」

セルゲイの説明を聞いたランディは溜息を吐いた後、口元に笑みを浮かべ、ロイドは複雑そうな表情で溜息を吐いた後明るい表情をした。

「ああ、俺もそう思う。………まあ問題なのは、肝心のあの子と女性の素性なんだが。」

「ええ………」

「キー坊は名前以外にはマジで何も覚えてねえみてぇだし、エルファティシアちゃんは異世界出身でしかも過去の時代から来たというとんでもない経歴を持っている人だからなぁ。―――しかしまあ、キー坊はとんでもなく明るいというか人懐っこいガキンチョだよな。何かあっという間に俺達全員に懐いちまったし。」

「はは………確かに。ツァイトはもちろん、課長も懐かれましたよね。」

「まあ、な。俺は煙草を吸うから、あんまり子供には近寄られねぇんだが………全然気にしてなさそうだったしな。」

「お嬢やティオすけなんかももう夢中って感じみたいだし………今日なんか、デパートから服を山ほど買って来てたぜ。」

「はは、こういう時は女性陣がいてくれて助かるよ。………ただ、気になるのはセティ達やルファ姉達、エルファティシアさんが2人と違って真剣な表情で時折見つめているんだよな………」

「ま、今はセティちゃん達もそんな顔をせず、普通に接しているからいいじゃねえか。」

自分の話に頷いた後考え込んでいるロイドにランディは苦笑しながら言った。

「………そうだな。それにしても………本当に、どこの子なんだろう。」

ランディの言葉に頷いたロイドが考え込んだその時

「あ、いた!ロイド、見て見て~!」

キーアが部屋に入ってきて、ロイドに抱き付いた。



「わわっ………ちょっと、キーア!?」

「エリィとティオに服を選んでもらって、セティ達にアクセサリーを創ってもらったの!どれもカワイかったけどコレが一番気に入っちゃった!ねえねえ、にあう!?」

「いや、抱き付かれたままだとどんな服かわからないんだけど………」

「あ、そーか。」

苦笑しながら指摘したロイドの言葉に頷いたキーアはロイドから離れ

「じゃーん!ねえねえ、にあうー!?」

嬉しそうな表情でその場で回転した後、ロイド達を見つめた。

「へえ………!」

「ほほう………」

「ふむ………」

キーアの可愛らしい容姿にピッタリな服やスカートを身に着け、髪飾りや腕輪、さらにはキーアの首にかかっている美しく光る緑の宝石のネックレスを付けた状態のキーアを見たロイド達は感心の声をあげた。

「どう!?」

「ああ………可愛いよ。凄くキーアに似合ってるぞ。」

「ほんとー!?ねえねえ、ランディとかちょーもかわいいと思う?」

ロイドの答えを聞いたキーアは嬉しそうな表情をした後、ランディとセルゲイに尋ねた。

「おー、かわいいかわいい。」

「うむ、悪くないな。」

「えへへ………」

ランディとセルゲイの褒め言葉にキーアが嬉しそうな表情をしたその時、エルファティシアと共にエリィ達が部屋に入って来た。

「ふふっ、さっそくお披露目してるみたいね。」

「………まだ色々と着て欲しかったですし、セティさん達にももっと色々創って欲しかったんですけど。」

キーアの様子を見たエリィは微笑み、ティオは残念そうな表情で呟き

「あはは………2人とも、過保護すぎだよ~。」

「フフ、そうですね。」

エリィとティオの様子を見たシャマーラとエリナは微笑み

(エルファティシアさん……気付いていますよね?今もキーアさんから魅了の魔術がさらけ出されている事が。)

(ええ。………見た所、無意識に出しているわね。………やっぱりあの子、普通の人間の子供ではなさそうね………)

セティは真剣な表情でエルファティシアに小声で話しかけ、エルファティシアは頷いた後目を細めてキーアを見つめた。

「エリィ、ティオ、セティ、シャマーラ、エリナ、エルファティシア!ロイド達がかわいいって!」

一方エリィ達に気付いたキーアは振り向いて嬉しそうな表情でエリィ達に言った。

「ふふ、良かったわね。」

「フフ………そこまで喜んで貰えたら、創った甲斐はありますね。」

「まあ、ロイドさんならキーアがどんな服やアクセサリーを見に着けても可愛いと言いそうですけど………」

キーアの言葉を聞いたエリィとエリナは微笑み、ティオは静かな表情で言った。

「そんな事は………まあ、あるかもしれないけど。」

「ハハ、親バカ丸出しだな。うーん、しかしキー坊とエルファティシアちゃんが来てまだ1週間しか経ってねぇのか。」

「ふふ………何だか信じられないわね。そういえば………警察本部からの連絡は結局どうだったんですか?」

「何でもルバーチェの方から打診があったとか………?」

「ああ、それなんだが………」

「……ランチの時にでもおいおい説明させてもらうよ。」

その後ロイド達は昼食を取りながら、エリィ達にルバーチェの”手打ち”を説明した。



「なるほど……一応、マフィアの心配は無くなったみたいですね。」

「2人がルバーチェの襲撃に怯える事なく堂々と表を歩けるようになってよかったね♪」

「ただ、根本的な問題は残ったままですが………」

事情を聞いたエリィとシャマーラは明るい表情をし、ティオは複雑そうな表情で考え込んだ。

「ああ、完全にこっちに丸投げされた形になったな。」

「とにかく肝心なのは記憶と素性についてだけど………―――なあキーア、やっぱり何も思い出せないか?」

「んー………ぜんぜん。ロイドが口をぽかんとあけて目をまんまるにしてたのならおぼえてるけどー。」

「ガクッ………それは一週間前、初めて会った時の話だろ。」

自分の質問とは見当違いの事を答えたキーアにロイドは脱力した後指摘した。

「だってその前のことはなんにも覚えてないんだモン。」

「………そっか。」

「ま、覚えてないってんなら仕方ねぇやな。」

「………各方面への問い合わせはどうなっているんでしょう?」

キーアの答えを聞いたロイドは溜息を吐き、ランディは苦笑し、ティオはセルゲイに視線を向けて尋ねた。

「ああ………それなんだが。駅や空港、門にも問い合わせたが今の所該当者はナシのようだ。少々、難航するかもしれん。」

「………そうですか………」

「???どうしたのロイド?おなかでも痛い?」

セルゲイの答えを聞いて考え込んでいるロイドに気付いたキーアは真剣な表情で尋ねた。

「はは、大丈夫だよ。――――課長、今日の午後からなんですけど………キーアとエルファティシアさんを連れて外に出ても構わないでしょうか?」

「ふむ………」

「何か心当たりがあるのですか?」

キーアの言葉に苦笑した後提案したロイドの話を聞いたセルゲイは目を細め、セティはロイドに尋ねた。

「ああ………一度、遊撃士協会を頼ってみようかと思ってさ。」

「ええっ!?」

「本気ですか?」

そしてロイドの説明を聞いたエリィは仲間達と共に驚き、ティオは真剣な表情で尋ね

「ゆーげきし?」

キーアは可愛らしい動作で首を傾げた。

「………なるほどな。連中は大陸各地にギルドの支部を持っている………その情報網をアテにしてみるか。」

一方事情を察したセルゲイはロイドに言った。

「ええ、頼れるものはこの際頼っておくべきかと。………駄目でしょうか?」

「ま、いいんじゃねえか?警察とギルドは別に対立してるわけじゃねえ。わだかまりがあるとしたらむしろ警察(コチラ)の方だからな。案件が案件だし、協力を要請すれば向こうも断ったりはしねぇだろ。」

「ええ、そう思います。」

「ま、エステルちゃんたちとはこの前、結構打ち解けられたしな。」

「確かに相談するには丁度いい機会かもしれませんね。特にエステルさんとミントさんならリウイ陛下とも連絡を取れるでしょうから、エルファティシアさんの故郷に連絡する事ができるかもしれないですし………」

セルゲイの説明にロイドとランディ、ティオは頷き

「………エルファティシアさんは故郷に連絡がつくまでどうするのですか?」

ある事が気になったエリナはエルファティシアに視線を向けて尋ねた。



「んー………貴方達がいいのならこのままここに置いてくれないかしら。実際頼る相手もいない上異世界だから勝手がわからないし、なんならここに置いてもらう宿代代わりに貴方達の仕事を手伝ってもいいわよ?」

尋ねられたエルファティシアは考え込んだ後、提案した。

「マジか!?いや~、エルファティシアちゃんみたいな可憐な子が一緒に仕事してくれるなんて俺、大歓迎だよ♪」

「それにあたし達としてもエルファティシアさんが知っている知識を知りたいしね♪そこから新たな”何か”を創りだせるヒントがあるかもしれないし♪」

「……そうですね。遥か昔のルーンエルフ族の王の知識………一体どんな知識があるのか凄く気になります。」

「あのな………でもまあ、実際魔術の腕は凄かった上俺達より遥かに戦闘慣れしているし、手伝ってくれたら俺達も大助かりですけど………課長、いいんですか?」

エルファティシアの提案を聞いたランディとシャマーラは嬉しそうな表情をし、セティは興味深そうな表情をし、3人の言葉を聞いて呆れたロイドは気を取り直して呟いた後、セルゲイに尋ね

「ま、いいんじゃねえの?既にお前達が契約している異種族という前例がいるんだから、今更一人や二人、増えても関係ないだろ。なんならエニグマも用意してやろうか?警察の仕事を手伝うのならそのぐらいは用意できるし、ロイド達と連絡を取り合う為にも必要だろうしな。」

尋ねられたセルゲイは頷いた後エルファティシアに視線を向けて言い

「わあ♪それってリセルが使っていた”オーブメント”って物でしょ?ぜひ、お願いするわ♪リセルが使っているのを見て、興味があったのよね~。」

セルゲイの話を聞いたエルファティシアは無邪気な笑顔を見せた。

「さて……エルファティシアさんの話はそれでいいとして………ロイド。二人を連れていくってあなた一人で連れて行くつもり?」

「そのつもりだけど………全員で行くほどの事じゃないし、俺一人で十分かと思うんだけど。」

そしてエリィに尋ねられたロイドは頷いて答えた。

「………納得行かないわね。ただでさえキーアちゃんに一番懐かれてるのに更に独り占めしようだなんて。」

「おまけにエルファティシアちゃんとデートだぁ~?エルファティシアちゃんにまで手を出す気か、この野郎!」

「うふっ♪私を惚れさせるのは難しいわよ~?こう見えても心から愛する人がいるし、今でもその人の事を愛しているわ♪他の男にはそう簡単になびかないわよ~?」

一方ロイドの答えを聞いたエリィはジト目でロイドを見つめ、ランディは悔しそうな表情でロイドを睨み、ランディの言葉を聞いたエルファティシアは小悪魔な笑みを浮かべた。

「へ………」

3人の話を聞いたロイドは呆け

「ロイドさんはズルイです。この子と接する機会は均等であるべきではないかと。」

「ふえ~?」

ティオはジト目で突っ込み、その様子を見ていたキーアは首を傾げた。

「えっと、何の話だ?」

「フフ、ロイドさんは皆さんに嫉妬されているのですよ。」

「何しろここ数日、寝る時はいつもキーアちゃんと一緒だったしね~。」

そして不思議そうな表情をしているロイドにエリナは苦笑し、シャマーラはからかいの表情で言った。

「いや、それはキーアが勝手にベッドに入ってくるからで………―――なあ、キーア。ちゃんと部屋を用意したんだからそっちで寝ないとダメだろう?部屋にはエルファティシアさんが一緒にいるんだから、寂しくないだろう?」

2人の言葉を聞いたロイドは疲れた表情で答えた後、真剣な表情でキーアに指摘したが

「だってロイドといっしょだとなんか落ち着くんだモン。めーわくだったらあきらめるけど………」

「い、いや………迷惑ってことはないけどさ。」

悲しそうな表情になって呟いたキーアを見て慌てだし

「ちょっとロイド………何を冷たくしているのよ。あんな事があったばかりなんだからまだ不安かもしれないじゃない。」

「一緒に寝てあげるくらいの甲斐性は欲しい所ですね。」

「俺にどーしろと!?」

ジト目のエリィとティオに突っ込まれて苦笑しながら叫んだ。

「クク………ま、当分は一緒にいてやれや。それから外出だが………念の為、もう一人連れて行け。ルバーチェからの打診はあったが一応、用心した方がいいだろ。」

「あ…………―――わかりました。気を付けておきます。」

そしてセルゲイの忠告と助言を聞いたロイドは声をあげた後、頷き同行者にティオを選んだ。



「さてと………それじゃあ出かけようか。」

「東通りの遊撃士協会ですね。……やはり寄り道はしない方がいいでしょうか?」

玄関の前で言ったロイドの言葉に頷いたティオは真剣な表情で尋ねたが

「いや、キーアの記憶が戻るきっかけになるかもしれないし、エルファティシアさんに市内を案内すべきだろうしね。用心は必要だけど………ギルドに行った帰りくらいなら寄り道もいいんじゃないかな?」

ロイドは静かな表情で否定した後提案した。

「なるほど、道理ですね。………それではお二人とも。そろそろ出発しましょうか?」

「ええ。」

「うんっ!って、どこに行くのー?」

ロイドの提案に頷いたティオに尋ねられたエルファティシアは頷き、キーアは元気よく頷いた後首を傾げて尋ねた。

「遊撃士協会という所ですが………キーアにはちょっとわからないかもしれませんね。」

「……ゆーげきし。………それってもしかして正義のミカタみたいな人たち?」

「なんだ、知ってるのか?そのくらいの一般常識は覚えてるってことなのかな。」

「そうですね………いわゆる長期記録に相当するのではないかと。」

キーアの答えを聞いたロイドは意外そうな表情をし、ティオは静かな表情で言った。

「えへへ………なんで行くかは知らないけど。3人といっしょならキーア、別にどこでもいいよ!」

「うっ………」

「………この笑顔はちょっと反則すぎますね………」

「あら♪嬉しい事を言ってくれるじゃない♪」

そしてキーアの輝くような笑顔を見たロイドは一歩下がり、ティオとエルファティシアは嬉しそうな表情をした。

「それじゃあ、れっつごー!」

その後ロイドとティオはキーアとエルファティシアを連れて東通りにある遊撃士協会に向かった…………


 
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