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黄金バット 第十話 南海の死闘

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第四章

「黄金バットの超能力だ」
「いつものですか」
「それを使ってですか」
「ミサイルも魚雷も破壊した」
「そうなんですね」
「そうだ、そしてだ」
 司令は一直線に進む黄金バットを見つつ言います。
「黄金バットを見るのだ」
「何と、そのまま」
「そうだ、敵艦に向かっている」
「ではあのまま」
「博士との戦いに入るな」
「間違いなく」
「黄金バットをこのままにしていいのか」
 司令は幕僚の人だけでなくです、艦隊の全ての人に問いました。
「彼だけを戦わせていいのか」
「いえ、違います」
「そんなことがあっていい筈がありません」 
 皆口々に司令に応えました。
「我々は国民を守る為にいます」
「災害、そしてならず者達から」
「怪人からもです」
「それならば」
「そうだ、皆黄金バットに続け」
 こう全員に言うのでした。
「いいな」
「了解!」
 皆司令の言葉に応えました、そして。
 全艦黄金バットに続いて前進しました、そのうえで再び巨大戦艦への攻撃態勢に入りました。そして黄金バットは。
 ステッキをサーベルの様にして使い博士と戦います、博士は拳法で迎え撃ち黄金バットと艦首で戦います。
 両雄の戦いは何時しか空中で行われる様になりました、その中で。
 艦隊は激しく攻撃してでした、遂に。
 巨大戦艦にミサイル、砲弾、魚雷を当てていきます。バリアーは博士が動かしているのが今回は機能しないで。
 戦艦に次々と命中していきます、戦艦はとても強くて中々沈みませんが。
 やがてです、火を噴きだして。
 そこからどんどん爆発してでした、粘り強く攻撃が続けられ。
 戦艦はゆっくりと傾き海の中に沈みました、激しい火柱を幾つも挙げながら。
 それを見てです、三曹は一曹に言いました。
「やりましたね」
「ああ、危ないところだったがな」
「沈めることが出来ましたね」
「それも損害なしだ」
「どうやらだ」
 ここで一曹は言います。
「あの戦艦は博士が動かしていたな」
「だからですね」
「そうだ、博士が黄金バットとの戦いに入ったからな」
「動かすことが出来なくなったんですね」
「そしてだ」
「その動けなくなった戦艦をですね」
「俺達が沈めたんだ」
 そうしたというのです。82
「今な」
「そういうことですね」
「黄金バットに助けられたな」
「はい、今回も」
「本当によかった」
 しみじみとしてです、一曹は言いました。
「黄金バットのお陰だ」
「その通りですね」
「くっ、失敗したか」
 空中で、です。自分が動かしていた戦艦が沈むのを見てです。博士は忌々しげに言いました。
「私が脳波で一人で操っていたが黄金バットと戦ったせいで」
「・・・・・・・・・」
 黄金バットは何も言いません、ですが博士はその黄金バットを見て言います。
「動かすことが出来なかったせいでか。沈められた」
「さあ博士、戦艦は我々が沈めた」
 司令はまた博士に言いました。
「投降するか、それとも」
「私の辞書に投降という言葉はない」
 博士は毅然としてです、司令に返しました。 
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